出版社の片想い
出版社の一員として書籍を送り出すたび、
どうにかして、この書籍を一冊でも多く読者さんの手元に届けたい、
書籍を読者に届けてくれる書店員さんにもっと知ってほしい。
なんてことを考えています。
けれども、いつも一方通行の想いで、
なかなか読者さんや書店員さんのところに
この気持ちが届けられてないんじゃないか、
なんてことも考えています。
私達ネットスクール出版は簿記会計系の資格取得書を中心に刊行しています。
簿記を始めとした会計系の資格は、
頑張れば頑張るほど結果に繋がり、
なおかつ最後は税理士などの士業につなげることができる、
稀有な存在です。
その学びを応援しようという想いで、弊社が設立されたと聞いております。
弊社の本はそれこそ、使って頂いた方が合格してくれれば、
その後は捨てられてしまう運命と言っても過言ではありません。
けれども、私達は読者が少しでも合格に近づけるよう、
わかりやすく理解できるための工夫を思案したり、
伝わりやすい紙面を試行錯誤したり
勉強が退屈にならないような仕掛けを入れたり、
あれこれと盛り込んでいるつもりです。
そういったことを積み重ねて送り出したあと、
はたして読者が書店で魅力に気づいてくれるか、
少なくとも、合格してほしいとの想いを
どの版元よりも強く持っているというのが伝わっているかどうか、
伝わってくれるといいなぁ、
そして、書店員さんと一緒に
検定の棚に来る読者が合格するためのお手伝いをできたらいいなあ、
なんてことを常々思っています。
読者と話をする機会はそうそうありません。
（弊社はWEB上での授業をやっているので、その機会に恵まれてはいるのですが）
同じように、書店員さんと対話できる時間も限られています。
どうしても片想い的な状況になってしまって、
熱い気持ちが伝えられているか（受け取ってもらえてるかは別問題として）
想いを馳せています。
弊社の本がお客さんからどのように見えるか、
そもそも、お客さんはどのような人なのか、
そのために出版社として何ができるのか。
まるで、読者と書店員さんに片想いをしているような想いで、
書籍を刊行し続けています。
