しろさんのレモネードやさん
吉備人出版では、6月12日に、『しろさんのレモネードやさん』
という絵本を発刊いたします。
本書は、小児がんだった榮島四郎さん(しろさん。小学5年生)の発案による絵本です。
しろさんたち絵本の制作メンバーはみな横浜市など関東圏に在住ですが、それがなぜ岡山の吉備人出版から発刊されることになったのか。
いろいろと紆余曲折がありました。
本書の文を担当した松﨑雅美さん(小説家/作文教室主宰)のもとに、しろさんから、「小児がんのことをたくさんの人に知ってもらうための絵本をつくってほしい」という提案があったのは、2017年1月のこと。
しろさんたちは、小児がんという病気があることを広く知ってもらおうと、独自でレモネードスタンドを中心としたイベント活動を実施していました。そして、イベントだけでなく、全国の書店で一般の方が手に取る「絵本」を通じてなら、もっと伝えることができると考えたのです。
松﨑さんは、主宰する作文教室で川口蒼くんが「レモネードゆうえんちをつくる!」という感想文を書いたことに発想を得て、ストーリーをつくりはじめます。
絵は、松﨑さんが主宰の育児寺子屋に参加していたイラストレーターの矢原由布子さんにお願いし、引き受けていただきました。
「しろさんのレモネードやさん」製作委員会を発足し、絵本学会に出席して出版相談をするなど、出版に向けた動きがスタートしたところで、いちど大手出版社からも打診がありました。大きなチャンスでしたが、結果的に、交渉は決裂してしまいます。
そんなおり、榮島さん(しろさんのお母さん)の出身である岡山でもレモネードフェスティバルを開催しました。イベントでは、矢原さんデザインのカップやトートバッグ、Tシャツなどの販促グッズも作成し、販売。その様子を、地元テレビ局が取材に来ました。このとき絵本の出版元を探している松﨑さんたちに紹介されたのが、吉備人出版だったのです。
2017年11月に松﨑さんからお話をいただき、検討した結果、その活動を応援したいという思いから出版を引き受けることにしました。とはいえ、吉備人出版は絵本づくりに関してはそれほど多くの実績があるわけではありません。そこで、絵本の販売を多く手掛けている451BOOKSの根木慶太郎さんにアドバイザーとして参加していただき、制作をスタートしました。
製作委員会ではさっそくクラウドファウンディングをスタートして資金を集め、新聞などメディアの取材を受けたり、営業のための下地づくりで書店の絵本売り場を見学に回ったりと、一冊でも多く絵本を届けるためにと走り回ってくださっています。
肝心の絵本の制作も順調に(急ピッチで)進み、先日、無事に印刷所へ入稿しました。小児がんという重いテーマを扱いながらも、たいへんに明るく、かわいく、楽しい絵本に仕上がっています。
6月の刊行後は、絵本の販売会とレモネードスタンドを同時開催するなど、各地の書店でフェアの開催を予定しています。また、原画展の準備も進めています。
今から、読者の反応が楽しみな一冊です。
しろさんのレモネードやさん | 岡山の本は吉備人出版
絵本『しろさんのレモネードやさん』制作委員会 – ホーム
https://www.facebook.com/shirosanlemonade/