版元日誌
「KOKI ZOO 木下晃希どうぶつ画集」にかける思い
この原稿の締め切りと同時に会社の設立から1年目を迎えました。スタジオケイのキノシタユマと申します。その間に1冊の本を作りました。出版専業でもなく、本を1冊出したくらいで「版元日誌」を書いていいものか、お引き受けしてから迷いましたが、せっかくいただいた機会なので、その渾身の1冊の紹介をさせていただきたいと思います。 (さらに…)
ポテトサラダを作る出版社
朝8時、ジャガイモをゆでることから始めます。鍋を火にかけて、ジャガイモが柔らかくなるまでの約45分、原稿を先に進める日もあれば、校正に費やす日もあります。いや正直に白状すると、店の小上がりに寝転がって、夜にやって来るお客さんがどんな人なのか、私の料理に不満を抱かれないかなどと心配をしながら、スマートフォンの画面に見ても見なくてもいいような情報を上下に滑らせる。そんな日がほとんどです。 (さらに…)

Blu-ray『ウォー・ゲーム』の話
●『ウォー・ゲーム 超・特別版』
今回は書籍ではなく2025年3月21日に発売したBlu-ray『ウォー・ゲーム 超・特別版』の話を書かせていただきます。 (さらに…)
88年前の東京営業日誌
京都の人文書院で営業をしている佐藤と申します。よろしくお願いいたします。
人文書院は今年で創業103年、大正十一年の創業です。私は営業の他に社史や資料整理も担当しているのですが、三年前の創業100周年を迎えるにあたり、フェア用の小冊子を作成することになりました。 (さらに…)

版元××日記
×月×日 版元G社のNさんから『日記』シリーズのうち1点の重版連絡が届く。いつものように、奥付の日付と刷り数を修正して送信。出版不況とはいいながら、売れている本は売れている。こちらも編集プロダクションとしてスタートして20年、こんなに奥付更新を繰り返した本はほかにない。 (さらに…)
「推し」の可能性
世間では、かなりの割合の人が「推し」を持つという調査結果が出ているそうです。
そういう人たちに共通しているのは、好きな対象のために使うお金は別モノという意識だと思います。
実はかくいう私も強力な「推し」をもっています。
その前に、本当は「推し」という言い方は、大事に思っている対象を雑にひとくくりされているようで好きではないのですが、とりあえず便宜的に使っておきます。
私の歴はかれこれ7年半になります。どっぷり首まで沼にハマった状態がずっと続いていて、初めのうちは、家族に「おいおい」という冷たい目で見られていました。
東京ガスのCMをご存知でしょうか?
一人娘と暮らすシングルマザーがKポップアイドルに一目惚れし、以来無彩色だった生活がガラリと代わっていくというCM です。
一人娘は、初め年甲斐もなく若いアイドルにハマる母に引きまくっていたのですが、楽しそうな母に接するうち、「推し活」が母の原動力となっていくことを感じとっていくようになります。
その変化の過程の中で、シングルマザーとして親子二人の生活を支えるため日々頑張っている女性にふと訪れた心の潤いや、親子の愛情が浮かび上がってきて、とても温かいCM となっています。
「推し」を得てからの行動が、あまりにも自分に似ていて、思わず笑ってしまったのですが、おそらく、そのシングルマザーのように「推し」との出会いが生活を豊かにし、生きるエネルギーを倍加させてくれるという思いは、別に韓流ファンでなくても、全ての「推し」をもつ人に共通していると思います。
まあ、そんなわけで7年半、ファンクラブに入り、写真集等々の公式のグッズを買い漁り、
非公式のグッズも漁り、ファンミーティングがあると聞けば駆けつけ、
挙げ句の果ては、韓国にまで飛ぶという、(韓国の俳優さんなので)
「推し」の存在によって、一気にグローバルな(笑)、活動的な生活となったのでした。
その間、消費したお金は、数えたことはないけれど、おそらく数えたら青くなるくらい消費しているのではないかと思います。
でも、それを後悔しているかといえば、もちろん答えはNO。
「推し」とともに過ごす時間は、無味乾燥になりがちな生活を豊かにし、癒しをもたらし、エネルギーを生み出すということで、側からはどう見えようと、自分としてはかかった費用以上のものを得ているわけです。
周囲から見れば、「推し」事務所サイドの戦略にハマってしまっているワケですが、それはこちらとしては百も承知。
時々、公式のグッズの高さに、こっそり小さいため息をつくこともあるけれど、これも俳優さんがより活躍するための礎になるのだと、せっせとお金をつぎこんでおります。
このファンに特有の心理を商機と見たビジネスが生まれるのは当然のことでしょう。
出版界は、写真集や書籍など、「推し活」を牽引してきたと言えると思いますが、エンタメ以外のジャンルの出版社では、うちとは無縁の状況だと考えがちなのではないでしょうか。
しかし、ジャーナリストが推しの対象になったという例もあると聞きます。
それはその人が書いた本がきっかけとなったそうです。
「推し」はエンタメだけにはとどまりません。また、「モノ」に対する「推し」も存在するそうです。
例えば、マンホールや城や寺など、対象がなんであろうと、出会いがあってときめきの感情が生まれるとそこに「推し」が生まれる。人はなろうと思って「推し」になるワケではありません。ときめきを感じて、違う世界へ連れて行ってくれるから「推し」になるのだと思います。出版社がもし、「推し」たちにチャンスを求めたいのなら、どれほどのトキメキを与えられるのかがひとつの突破口となりうるのではないでしょうか。
絶不況の続く出版界。
どんなジャンルの本であれ、この本ならばいくら出してもいいと思わせるようなそんな魅力的な本づくりをするには、知恵を絞りアンテナを張り、不断の努力をすることが求められているのだと思います。
ということで!!
社長ぉ~♡♡(とある通信販売の口調で)
私の『推し』の本をすいれん舎から出してぇ~~~!!!

身辺雑記
小さな一人出版社を興して2年と少しが経ちました。経営は苦戦続きで、それは自身の力量ですから、致し方ない部分もある。とはいえやはり、出版業界全体を取り巻く環境は厳しいものがあります。 (さらに…)
初の競走馬グッズイベントで大忙し!
今回が記念すべき初投稿となります!今後ともよろしくお願いいたします。
弊社はアニメーション、実写映像のプロデュースをしている会社ではありますが、弊社管理作品の画集や脚本集、ムック本などの書籍をイベントに合わせてわずかながらに販売させて頂いております。
普段はアニメーションや競走馬のグッズを作ったり、イベントを企画したりしています。 (さらに…)
札幌の出版社・寿郎社で編集をしている下郷沙季です。
昨年の秋、「第21回出版梓会新聞社学芸文化賞」を寿郎社が受賞したとの連絡を受けました。
まったく期待していなかったので驚くと同時に、賞金が出ることに気づき、借金返済などといった他の用途に使われないうちに急いで画面の大きいパソコンを注文しました。今まで自前のノートパソコンを使ってちまちまと装幀や組版をやっていたので、眼精疲労で目がどうにかなりそうでした。 (さらに…)