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ソーシャル・セルフ(社会関係自我) 社会的自分史研究プロジェクト(編) - モトシモン・ブックス(Motoshimon Books)
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ソーシャル・セルフ(社会関係自我) (ソーシャル セルフ シャカイカンケイジガ) 客我・主我・他我にみる「自分とは何か」 (キャクガ シュガ タガ ニミル ジブントハナニカ)

社会一般
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A5判
縦210mm 横148mm 厚さ22mm
445ページ
定価 3,000 円+税   3,300 円(税込)
ISBN
978-4-9913147-9-7   COPY
ISBN 13
9784991314797   COPY
ISBN 10h
4-9913147-9-8   COPY
ISBN 10
4991314798   COPY
出版者記号
9913147   COPY
Cコード
C1036  
1:教養 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2026年3月1日
書店発売日
登録日
2026年1月8日
最終更新日
2026年2月9日
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紹介

わたしは他者、他者はわたし!
わたしは社会と呼応して生きている!

ここに、なぜ現代人は複数の「自分」を持つのかの答えがある。「自分とは何か」という根本的な問いに社会的側面から答える理由がある。

本書では8名の「自分史」分析を読みながら、「自分とは何か」を考えていく。中では、個人の自我の約7割が社会的特性で構成されることが確かめられている。また、理論的にはミードの社会的自我論が再解釈され、客我・主我論を超える「第三の自我=他我」が提示されている。自我形成は、家族・教育・地域文化などの重層的な社会的影響により、一者関係→二者関係→三者関係として段階的に発展する動的プロセスであることが明らかにされている。

客我・主我・他我の三層構造として、自我が複数の社会的作用源から重層的・動的に形成される「ソーシャル・セルフ(社会関係自我)」モデルが構築されている。これにより、自我の複数性・複合性が自我の社会性に原因のあることが明らかにされている。

本書の核心的貢献は、ミードの社会的自我論を再解釈し、客我・主我に加えて「第三の自我=他我」を提示した点にある。他我とは、対話を通じて他者の内面を直接理解し、社会全体の態度を内面化する能力を指す。

従来のソーシャル・キャピタル理論が外的関係性に焦点を当てていたのに対し、「内的ソーシャル・キャピタル」としての他我概念を提示。哲学上の「他我問題」への独自アプローチとして位置づけられ、自我の三層構造による重層的かつ複合的な形成プロセスを理論化した。

他者との関係性を考えることから、自分の人生を見つめ直すことができる。自分史を書こうとしている人、「自分とは何か」について考えたい人、自分がどのようにして社会との関係を結んできたのかについて知りたいと考えている人に勧める。

目次

ソーシャル・セルフ(社会関係自我)目次

第一部 ソーシャル・セルフ(社会関係自我)とは何か

•はじめに ソーシャル・セルフ研究の問題点
 研究の出発点/研究プロジェクトの始動/自分史執筆の実践と発見/自我形成の社会的影響要因/研究方法論の構築/理論的枠組みへの展開

•第一章 G・H・ミードの社会的自我論の再解釈
 社会的自我論の思想史的背景/ミード理論の基盤/客我と主我をめぐる二元構造/客我の理論的展開/主我の理論的展開/他我の理論的展開/総括

第二部 自分史の中のソーシャル・セルフ

•第二章 スポーツと転換の人生
 幼少期/少年時代/青年時代/社会人以降

•第三章 理系出身者が貫いた学びと実践の人生
 生い立ちと学び/秋田県職員三十七年/定年後の学びと活動/私の生き方と楽しみ/新型コロナウイルス感染と水害被災/おわりに

•第四章 遊びと学びの生活と三つのモットー
 はじめに/好奇心の時代と客我の形成/理解の時代と主我の覚醒/伝達(コミュニケーション)の時代と他我の展開/まとめ

•第五章 地方から世界へ
 生い立ち/社会人になる/第二の人生へ向けて

•第六章 放送大学一期生の専業主婦が辿った大学教授への道
 子どもの頃/芽吹きの頃/若葉の頃/実りの頃/円熟の頃/おわりに

•第七章 「人間」への好奇心に駆られた人生
 幼年期の微かな記憶と周囲の状況/小中高校時代の惑いと読書体験/僧侶修業時代に芽生えた人間に対する関心/宗教学徒時代の濃密な青春/「でもしか公務員」から始まる公務員時代前期/理想と現実の間で苦闘した公務員時代中期/消費者行政にのめり込んだ公務員時代後期と人生の転機/宗教と創作の世界への帰還/おわりに

•第八章 横浜の水道から始まった技術者人生
 誕生期・子供期・学生時代/一回目と二回目の就職/広域水道企業団時代/技術上の変遷/生活の常識と仕事上の常識/定年後/おわりに

•第九章 ふるさと築館から千葉へ
 はじめに/戦後のふるさと誕生期/幼児期/小学生前期/小学生後期/中学生期/高校生期/千葉県へ移住した就職期/家庭を持つ/母の上京と自宅新築/失敗談/母の入院と別れ/まとめ

第三部 社会関係自我(客我・主我・他我)の三者関係構造

•第十章 ソーシャル・セルフの複合性
 客我・主我・他我の特性分析/客我の特性分析/主我の特性分析/他我の特性分析/まとめ

•おわりに

•参考文献
•索引

著者プロフィール

社会的自分史研究プロジェクト  (シャカイテキジブンシケンキュウプロジェクト)  (

社会的自分史研究プロジェクトは、放送大学大学院修了生および関係者を中心とするソーシャル・セルフ研究の集団である。この「社会的自分史研究プロジェクト」の協力のもとに「はじめに」、「第一章」、「第四章」、「第十章」、「おわりに」を担当・執筆し、全体の編集を行なっている坂井素思は、一九五◯年生まれ。一九七七年東京大学大学院経済学研究科修士課程修了、一九八◯年同博士課程単位取得。二◯◯七年大阪大学大学院人間科学研究科博士号取得。一九八五年放送大学教養学部助教授、准教授、教授。現在、放送大学名誉教授。著書:『貨幣・勤労・代理人―経済文明論』(単著、左右社、二◯一七年)、『社会的協力論―いかに近代的協力の限界を超えるか』(単著、放送大学教育振興会、二◯二◯年)『椅子クラフトはなぜ生き残るのか』(単著、左右社、二◯二一年)、『経済社会を考える―消費・産業の様式とアンサンブル』(間々田孝夫と共著、放送大学教育振興会、二◯一九年)ほか。

岡村秀寿  (オカムラヒデトシ)  (

岡村秀寿は第二章を担当・執筆している。一九七六年(昭和五十一年)群馬県北部の農村に生まれた。四十九歳(二◯二五年)である。二歳で母を亡くし祖母に育てられた。幼少期は野球に夢中になり、中学・高校時代はバンド活動にも熱中した。進学校から専門学校へ進路変更し上京、広告会社で営業職として社会人をスタートした。その後IT企業に転職し、リーマン・ショックを経験する中で新自由主義的な価値観に疑問を持つようになった。放送大学で社会科学を学び直し、現在はIT企業で管理職として従業員の雇用を守りながら、積極財政論の立場から経済政策に関心を持ち続けている。二〇一六年に放送大学大学院修士課程修了。

小笹鉄文  (オザサテツブミ)  (

小笹鉄文は第3章を担当・執筆している。一九四八年(昭和二十三年)秋田市の大家族に生まれた。七十六歳(二◯二五年)である。北海道大学で化学を学んだ。一九七二年に秋田県職員となり、公衆衛生から雪対策、企業誘致、自然保護、観光振興まで幅広い行政業務を担当した。在職中から放送大学で学び直し、定年後は県議会史の編纂や菅江真澄研究会の会長として文化活動に従事している。登山や自然観察を趣味とし、全国各地を踏査した。二〇二三年には記録的大雨で自宅が床上浸水の被害を受けたが、多くの支援を受けて復旧を果たした。学びと実践を重視し、専門分野にとらわれず幅広い活動を続けている。二〇一〇年に放送大学大学院修士課程修了。

坂井素思  (サカイモトシ)  (編著・監修

坂井素思は「はじめに」、「第一章」、「第四章」、「第十章」、「おわりに」を担当・執筆している。一九五〇年(昭和二十五年)長野県大町市に生まれ、松本市で育つ。七十四歳(二◯二五年)である。横浜国立大学経済学部から東京大学大学院へ進学し、一九八五年から放送大学教員として勤務した。人生を「好奇心の時代」「理解の時代」「伝達の時代」の三つに分け、学問を遊び場として捉える信条を持つ。専門は社会経済学・文化経済学で、市場経済の枠を超えた芸術文化や生活文化に注目し、一者関係・二者関係・三者関係論を提唱した。権力・貨幣・信頼という社会メディアの役割を重視し、信州での椅子クラフト研究も手がけ、二◯二三年に放送大学名誉教授。

髙木美智代  (タカギミチヨ)  (

髙木美智代は第5章を担当・執筆している。一九六七年(昭和四十二年)に長野県辰野町に生まれ、地元で育った。五十八歳(二◯二五年)である。関東の短期大学を卒業後、信濃毎日新聞社で地域情報紙の編集に携わった。三十歳でミャンマーの植林ボランティア取材をきっかけに国際協力の道へ転身し、(公財)オイスカで途上国の農村女性のための生活改善研修に従事した。その後JICA青年海外協力隊でパキスタンに派遣され、帰国後は訓練業務にあたった。パキスタン大地震での国際緊急援助隊参加や福島での東日本大震災復興支援、タイでのマングローブ再生プロジェクトといった海外の地域開発協力など様々なフィールドを経験してきた。二〇一五年に放送大学大学院修士課程修了。

中川英子  (ナカガワヒデコ)  (

中川英子は第六章を担当・執筆している。一九四六年(昭和二十一年)杉並区高円寺に生まれた。七十九歳(二◯二五年)である。戦後復興期の困窮した幼少期を過ごした。高校卒業後東芝本社海外事業部に就職したが、二十一歳で結婚し専業主婦となり三人の子を育てる。義父母との二世帯同居の困難を経験しながら、三十九歳(一九八五年)で放送大学第一期生として入学し、その後お茶の水女子大学大学院で修士号を取得した。五十四歳で宇都宮短期大学教授、その後副学長に就任し、さらに長年スクールカウンセラーも務めた。七十五歳まで現役で働き続け、現在も国際学会での研究発表を行うなど、専業主婦から研究者への転身を果たした人生である。

福賴尚志  (フクヨリナオシ)  (

福賴尚志は、第七章を担当・執筆している。一九六五年(昭和四十年)に島根県安来市で生まれた。六十歳(二◯二五年)である。実家は祖父が戦後に興した伝統仏教寺院である。高校中退後、僧侶養成学校(興隆学林)で四年間修行した。筑波大学人文学類で宗教学を学び、統一教会やオウム真理教との接触を通じて客観的な学術研究を行う。島根県庁に二十七年間勤務した後、現在は住職として活動しながら創作活動も継続している。理性と非理性の間に生まれる「柔らかく勁い信」を追求し、ある宗教事件との接点を背景とした独自の宗教実践を展開している。二〇一五年に放送大学大学院博士課程に入学。

松本清康  (マツモトキヨヤス)  (

松本清康は第八章を担当・執筆している。一九四九年(昭和二十四年)に横浜で生まれた。七十六歳(二◯二五年)である。根岸競馬場近くの平楽で幼少期を過ごした。隣のおじさんから虫や盆栽について学び、自然に親しんで育った。大学卒業後、S電気株式会社に就職したが二年で退職し、学習塾講師などを経て広域水道企業団に入団した。そこで浄水場の管理システム開発や需要予測、電磁流量計の精度向上など水道技術に関わる業務に長年従事した。定年後は東京都水道局の第三セクターで勤務し、水道技術の指導にあたった。振り返ると「いつの間にか水道屋になっていた」と感じており、社会の流れに身を任せた人生であったと述懐している。二〇一五年に放送大学大学院修士修了。

森田俊一郎  (モリタシュンイチロウ)  (

森田俊一郎は第九章を担当・執筆している。一九四八年(昭和二十三年)宮城県築館町で母子家庭に生まれ、母が働く中で育った。七十六歳(二◯二五年)である。地元の小中高校を卒業後、一九六七年に千葉県に移住して就職し、一九七〇年に結婚した。母は焼き鳥屋や小料理店を経営しながら子供たちを育て上げたが、一九九四年、糖尿病の合併症により七十五歳で死去した。森田氏は戦後復興期から高度経済成長期にかけての時代を背景に、母子家庭という厳しい環境から立身した人生を歩んでいる。自分史を通じて他者や社会情勢との相互影響を分析し、自己形成における社会的要因の重要性を確認している。二〇一六年に放送大学大学院修士課程修了。

上記内容は本書刊行時のものです。