書店員向け情報 HELP
出版者情報
書店注文情報
在庫ステータス
取引情報
ウィメン・ウォリアーズ はじめて読む女戦記
原書: WOMEN WARRIORS AN UNEXPECTED HISTORY
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2022年7月15日
- 書店発売日
- 2022年8月1日
- 登録日
- 2022年6月2日
- 最終更新日
- 2022年8月21日
紹介
古今東西の女戦士たちを描き直し、女性不在の戦史に終止符を――。
フェミニスト歴史家が、古代から現代までの正史を痛烈に皮肉り、
鋭く、ユーモアに満ちた筆で〈消費〉も〈偏見〉も〈語りにくさ〉も蹴とばす。
私たちが知らない戦争の女性史を、いま。
――「ダブルスタンダードとは、生きている人間だけではなく、遠い昔に死んだ人間にも適用されるようだ」(コラム4「考古学界のダブルスタンダード」より)
最新の考古学の知見も交えながら、女戦士を通じた社会の姿も問いかけていく。
目次
序章「女は戦わない」
ごくわずかな例外?/最古の女戦士/時間と空間の境を越えて
第1章 ママを侮るな
子を守る/そなたを血に飽かせてしんぜよう――女王トミュリス/反旗を翻す女王ブーディカ/インドと子のために戦った王妃ラクシュミー
第2章 父の娘
反乱軍を率いて父を救った平陽公主/父の足跡をたどって――男装のロシア将校ナジェージダ・ドゥーロワ/勇敢な尼僧――チベットのレムダ・パチェン
コラム1●母の娘
第3章 暴れまわる寡婦たち
寡婦だって百人百様/ローマ帝国に挑んだ「アラブの女王」マヴィア/踊り子から司令官へ――ベーグム・サムルー/8万の手下を率いた中国の海賊、鄭一嫂
第4章 チェス最強の駒―クイーン―
「王の妻」か「女の王」か?/ペルシア海軍唯一の女性、アルテミシア一世/ヴァイキングと奮闘した「マーシアの貴婦人」エセルフリーダ/「母の娘」再び――西アフリカのアミナ女王/「不幸な王妃キャサリン」???/狡猾で、抜け目ない女傑(ヴィラゴ)ンジンガ
コラム2●偉大な女伯爵(グラン・コンテッサ)マティルダ
第5章 古今東西の「ジャンヌ・ダルク」たち
革命の時代/「ベトナムのジャンヌ・ダルク」徴姉妹/植民地支配に徹底抗戦したフアナ・パディーリャ/ギリシャ独立を夢見た女提督ブブリナ/ジャンヌに憧れロシア帝国と戦ったエミリア・プラテル/米政府に抗った先住民 ――「バッファロー・カーフ・ロード・ウーマン」
第6章 包囲戦の女たち
城壁の上で、そして、街角で/防衛線で暴れた「元気な」中年女/手斧のジャンヌ/大砲でナポレオン軍を退却させた「サラゴサの乙女」/世界各地の「女の城」/武器と悪態とで独立戦を演じた「ブラック・アグネス」
コラム3●「モリー・ピッチャー(水差しのメアリー)」たち
第7章 男装、それぞれの事情
なぜ、男装して入隊したのか?/「元奴隷」から「男装兵」へ――キャセイ・ウィリアムス/なぜ女性であることがバレたのか?/4か国から受勲したセルビアのミルンカ・サヴィッチ/「男性」として生きた後に…
第8章 男装のいらない世界で
サムライ・ウーマン/ダホメ王国の「王の妻」たちと女戦士団/ロシア婦人決死隊「バタリオン」
コラム4●考古学界の「ダブルスタンダード」
終章 ごくわずかな例外?
謝辞
読書案内のための地図と資料
日本語参考文献
索引
著者・訳者プロフィール
前書きなど
私たちはいとも簡単に、恐ろしいことに無感覚になってしまう。
個々の勇敢な行動に光を当てるだけで、それによって引き起こされる死や恐怖を考慮せず、その戦争を取り巻くより大きな問題について深く考えない状態に容易に陥ってしまうのだ。
(イントロダクション「女は戦わない」より)
版元から一言
エンタメの世界で躍る女戦士たちと、現実の女兵士を見たときのギャップ。その居心地の悪さを感じたことがある人は多いのではないでしょうか。
本書は、戦史を研究してきた著者が、これまでの女戦士の表象や「語り」を丁寧に打ち砕きながら、存在を消されてきた女戦士たちを呼び戻し、読み直していきます。歴史的連続性の中で女戦士をとらえ直すと、私たちが知る文化や生活、宗教、国、そして戦争の姿は、少し変わって見えるかもしれません。
脚注のすみずみまで行きわたる著者の鋭い視点とユーモアをお楽しみください。
上記内容は本書刊行時のものです。