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登美さん つくる、つくろう、私の人生
- 出版社在庫情報
- 在庫僅少
- 初版年月日
- 2025年6月14日
- 書店発売日
- 2025年7月3日
- 登録日
- 2025年6月4日
- 最終更新日
- 2025年7月3日
重版情報
2刷 | 出来予定日: 2025-07-15 |
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紹介
石見銀山の町、島根県大森町に暮らす松場登美さんは、「ブラハウス」「群言堂」のデザイナーとして小物や服だけでなく、地域の古民家再生や茅葺屋根の移築など、町の風景までつくってきた女性です。そんな登美さんのものづくりと空間づくりを、数々の広告写真で知られる町内在住の藤井 保氏が撮りおろし。大量生産・大量廃棄の時代にあって、自分の手でものをつくる、あるいはあるものをつくろう、その意味を問いかけた一冊です。
目次
一章 登美さんが語る――――創造の源泉
世に、もの申したい/始まりは「ブラハウス」/着たい服を求めて/きれいと美しいは違う/真善美のある暮らしを表現する/ものは、ものを言わずして語る/「阿部家」は最先端の暮らし/家にも意志がある/心安らぐ風景をつくる/群言堂は素晴らしき自転車操業!?/自給のある暮らしとは/祈る、信じる、行動する
二章 登美さん語録――――服・家・風景について
三章 便りをしたためるーーーー大森町からの発信
ブラハウスのチラシ 展示会ダイレクトメール ラッピングペーパー 石見銀山講釈藷 ポストカード インスタグラム 年賀状 「朝日新聞」山陰版 連載
前書きなど
広島駅から高速バスで中国山地を越えて島根県大田市駅へ向かう途中、一瞬空気の変わる場所があります。山を背景にした茅葺(かやぶき)屋根の家、その周りの田んぼにたたずむモダンな鉄の彫刻……、この場所こそ松場登美さんの住む、島根県大田市大森町、通称、石見銀山の町です。
登美さんは1949年、終戦後間もない混乱の時期に、父の徳一、母のかね子の四女として三重県に生まれました。子どもの頃から、絵を描くのが好きで、高校時代は美術部に所属。卒業後は津市の画材店に就職、仕入れから販売まで任されました。その後、名古屋で一人暮らしをしながら、ギャラリーに勤めます。そのときに住んでいたアパートの隣人が、松場大吉さんでした。ほどなくして二人は結婚し、「手作りショップ BURA HOUSE(ブラハウス)」の看板を掲げて、パッチワーク小物の下請けを始めます。
そして、家族で大吉さんの故郷である大森町に帰郷したのが、1981年のこと。家業の呉服商兼雑貨屋の「松田屋」を継ぎ、「BURA HOUSE(ブラハウス)」のものづくりを再スタートさせました。1989年には実家の前の古民家を再生し、本店を開店。1994年に「群言堂(ぐんげんどう)」を立ち上げ、アパレルの製造、販売に移行。登美さんは、アパレルデザイナー兼、群言堂を運営する株式会社石見銀山生活文化研究所の代表取締役所長に就きました。同時に町並み保存のために、夫の大吉さんとともに町内の古民家を再生していきます。武家屋敷「阿部家」の改修を行い、2008年からは「他郷阿部家(たきょうあべけ)」として宿泊事業を始めました。登美さんは2023年12月に所長を引退。今は、阿部家の竈婆(おかみ)として訪れる人を迎えています。
帰郷したときから「ここに理想郷をつくりたい」という夢を宿していた登美さんと大吉さんは、古民家再生にとどまらず、広島県の豪農から茅葺屋根の家を買い取り、町内に移築。家の前の田んぼには、同じ町内に住む彫刻家の吉田正純(しょうじゅん)氏の作品を配しました。そう、冒頭で紹介した風景は、登美さんがつくったものなのです。手に取れる小物から空気を変える風景までつくってしまった登美さんとは、いったいどんな人なのでしょうか。
版元から一言
自分の手で好きなものをつくる、そして朽ちたものはつくろうことに喜びを見出した、一人の女性の生き方の記録です。創造性と想像力があれば、人生はこんなに楽しくなる!
上記内容は本書刊行時のものです。