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世界史が苦手な娘に宗教史を教えたら東大に合格した 島田裕巳(著/文) - 読書人
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世界史が苦手な娘に宗教史を教えたら東大に合格した (セカイシガニガテナムスメニシュウキョウシヲオシエタラトウダイニゴウカクシタ) 島田裕巳の世界宗教史入門講義 (シマダヒロミノセカイシュウキョウシニュウモンコウギ)

哲学・宗教
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発行:読書人
四六判
320ページ
定価 2,400円+税
ISBN
978-4-924671-58-4   COPY
ISBN 13
9784924671584   COPY
ISBN 10h
4-924671-58-4   COPY
ISBN 10
4924671584   COPY
出版者記号
924671   COPY
Cコード
C0014  
0:一般 0:単行本 14:宗教
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2023年3月7日
最終更新日
2023年3月23日
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書評掲載情報

2023-06-17 東京新聞/中日新聞  朝刊
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紹介

宗教家の島田裕巳氏の御息女は、高校時代、世界史が大の苦手だった。志望校は東京大学(文系)。大学入学共通テストで課されている試験科目のひとつに「世界史A」がある。また、東大の二次試験でも世界史は選択科目の一つである。この科目で高得点をとらなければ、東大入試突破はない。世界史を受験科目に選択した日から、父・島田裕巳氏の娘への〈世界宗教史〉の講義がはじまる。そして一年後――。島田氏の娘は、東大合格を果たす。宗教史を学ぶことが、なぜ世界史テスト高得点に結びついたのか。島田氏の「宗教講義」を再現する。
世界宗教史を理解すれば、世界の歴史の全体像が見えてくる――。
古代インドの歴史を学ぼうと思えば、仏教とジャイナ教の歴史を学べば見えてくるものがある。古代中国・唐の時代を学ぼうと思うとき、儒教・仏教・道教の歴史を学べば見えてくるものがある。ローマ帝国の大いなる遺産がキリスト教であり、そのキリスト教の歴史を学ぶことは、古代~中世のヨーロッパの歴史を学ぶことでもある。そして、ユダヤ教とイスラーム教との関係も合わせて学ぶことで、世界の歴史がより深く理解できよう。
イスラーム教が創始されて以降、アラブ人ムスリムの軍隊は、中央アジアからイベリア半島にいたる広大な地域を征服し、そこに、自らの宗教に根差した新しい政治の仕組みと社会秩序を打ち立てる。その時代を知るためには、イスラーム教への理解が必須となる。
あるいは、十字軍遠征の歴史を学べば、そのまま11世紀から13世紀のヨーロッパ、アラブの世界を知ることにもなる。フランス革命について学ぶためには、キリスト教の歴史は必須である。アメリカの歴史は、キリスト教の動きとともにある。

島田裕巳氏の御息女は、父親の〈世界宗教史〉講義を受け、苦手な世界史を克服し、東大入試を突破し、東大現役入学を果たした。
島田氏の講義の神髄を凝縮した一冊。大人の学びなおしのための一冊としても役立つ、親子二世代にわたって学べる〈世界史〉入門講義である。

目次

第1講 なぜ世界史に宗教の知識が必要なのか
世界史の鍵は宗教にある/イスラーム教とキリスト教の対立/宗教は個人が選ぶものではなく、地域によって定められる/同じ神を信仰する三つの宗教(ユダヤ教・キリスト教・イスラーム教)/世界史で取り上げられる主要な宗教/宗教が歴史を動かす
第2講 東大の入試をどのように考えればいいのか
偏差値がすべてを決める?/東大入試は、出題の仕方が50年前と変わらない、その理由とは?/東大の記述式問
題に「正解はない」/受験勉強をするときの盲点/採点の基準はどこにあるか?/第一に「分かる文章を書く」こと/宗教が持つ二つの役割/コラム「宗教と芸術」
第3講 世界の宗教は一神教と多神教に分けられる
宗教の発生と言語/世界の「三大宗教」/世界史で扱われる12の宗教/世界宗教と民族宗教/一神教はどこからはじまったのか?/「帝国」を拡大する役割を果たした宗教/世界史の中で頻繁に起こった宗教対立
第4講 アケメネス朝ペルシアとゾロアスター教
映画『ボヘミアン・ラプソディ』から考える/古代オリエント/ゾロアスター教のシンボル「フラワシ」とは何か?/「善悪二元論」と宗教の歴史/ゾロアスター教の繁栄と衰退
第5講 ギリシア哲学は後世に多大な影響を与えることになる 
ギリシア文明の繁栄とポリス/アレクサンドロス大王の遠征/ギリシアの宗教の特徴(多神教)/哲学の発展/アリストテレス哲学の学問への影響/コラム「宗教と巡礼」
第6講 ローマ帝国が広めたキリスト教
帝国の誕生/ローマ帝国と宗教/ユダヤ教の改革運動としてはじまったキリスト教/教皇と皇帝との関係/キリスト教とユダヤ教・イスラーム教との間にある重大な相違
第7講 古代におけるインドの宗教
東洋の宗教と西洋の宗教/インドと中国の宗教観の根本的な違い/カースト制度とヴァルナ制・ジャーティ/バラモン教の歴史、仏教の歴史/ジャイナ教、ヒンドゥー教の歴史
第8講 古代における中国の宗教
儒教・道教は宗教か?/仏教における大きな変化/仏教の経典は、ブッダ没後に書かれた/儒教・道教と仏教との対立/コラム「宗教と哲学」
第9講 仏教は中国化しインドからは消滅する
キリスト教、仏教、それぞれの布教の仕方/独自な発展を示し、様々な宗派が生まれた中国の仏教/なぜ仏教は発祥の地で消滅してしまったのか?/神話が聖典と同じ役割を果たす
第10講 イスラーム教の誕生とイスラーム帝国の拡大
イスラーム教はいかにしてはじまったか?/イスラーム教の教えの根本にあるもの/イスラーム教の共同体「ウンマ」の拡大/正統カリフの時代から宗派の分裂、そして勢力拡大へ/科学や哲学を発展させたイスラーム文明/コラム「宗教と文学」
第11講 西ヨーロッパとローマ・カトリック教会の成立
東ローマ帝国と西ローマ帝国― 分裂したローマ帝国/「原罪」の教義/アウグスティヌスの回心、原罪の強調/人々を救う力を唯一持つキリスト教会/唯一の世界組織としてのローマ・カトリック教会/コラム「宗教と政治」
第12講 ギリシア正教会と聖なるロシア
1900年以上つづいた「ローマ帝国」/ギリシア正教会の特徴/聖像禁止令とイコン/ロシア正教会とロシア帝国の拡大
第13講 叙任権闘争と十字軍
中世西ヨーロッパにおける二つの権力/教会権力と世俗の権力との争い/第1回十字軍派遣― 巡礼・贖罪のための旅/イェルサレム王国の樹立/イスラーム教側から見た十字軍/野蛮なキリスト教勢力VS高度な文明を誇るイスラーム教勢力/「スコラ学」を発展させたトマス= アクィナス/コラム「宗教とテレビ」
第14講 モンゴル帝国と宗教
モンゴル高原の統一、帝国の拡大/アジアとヨーロッパが一つに結ばれる/モンゴル帝国を旅した旅行家/モンゴル人のイスラーム教への改宗/イブン= タイミーヤの戦い、ジハードのための論理/原理主義の源流ワッハーブ派の台頭/コラム「宗教と経済」
第15講 中国の変遷と華夷思想 
仏教15%、キリスト教2.5%、イスラーム教0.5%/儒教が果たしてきた重要な役割/科挙制度と漢字文化の導入/元の建国から滅亡、明朝の誕生へ/キリスト教と世界地図の伝来/宗教的組織による反乱と清の滅亡/コラム「宗教と帝国」
第16講 新たな帝国の誕生と大航海時代の到来
オスマン帝国が与えたはかりしれない影響/ビザンツ帝国の滅亡とイスラーム教勢力の拡大/バルカン半島における宗教をめぐる複雑な状況/イスラーム教のインドへの浸透/大航海時代の最初の主役― スペインとポルトガル/くり返された〝征服者〞による大虐殺/コラム「宗教と食事」
第17講 ルネサンスと宗教改革  
大航海時代によって増した伝染病の脅威/商業の発展がもたらしたもの/芸術、科学、技術が発達した時代/カトリック教会に対する批判の高まり/キリスト教の新しい流れ「プロテスタント」/神を絶対の存在として信仰することへ戻る/中世から近世へ、戦争の時代へ /コラム「宗教と商売」
第18講 新大陸と革命の時代
アメリカ大陸の「発見」/キリスト教の新大陸への布教と奴隷貿易/近代民主主義政治の基本原理としての独立宣言/信仰復興運動から生まれた福音派/フランス革命と「人権宣言」の採択/宗教と世俗の権力との間の衝突/コラム「宗教と宇宙」
第19講  近代の世界と宗教
神への信仰が弱体化するなかで宗教が果たす役割とは/キリスト教文明に遅れをとったイスラーム教文明/石炭から石油へ、中東諸国の発言力が高まる/ロシア革命/社会主義政権の誕生/宗教に対する政治的抑圧(ロシア・中国の場合)/信仰をめぐる急激な変動
第20講 宗教は世界史とどうかかわるのか
帝国の拡大と衰退、滅亡、そして宗教は…/秩序の維持/秩序への挑戦― 宗教の役割/受験勉強と、大学の授業/僕の先生の思い出/大学で何が待ち受けているのか

おわりに  結果はどうだったのか? 

著者プロフィール

島田裕巳  (シマダヒロミ)  (著/文

島田裕巳(しまだ ひろみ)作家・宗教学者、東京女子大学・東京通信大学非常勤講師。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。主な著書に『日本の10大宗教』『0葬』『性と宗教』『葬式は、要らない』『教養としての世界宗教史』など。『葬式は、要らない』は30万部のベストセラーに。

上記内容は本書刊行時のものです。