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本土決戦 戦跡ガイド(part1) 小西 誠(著) - 社会批評社
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本土決戦 戦跡ガイド(part1) (ホンドケッセンセンセキガイド パートワン) 巻次:part1part1 写真で見る戦争の真実 (シャシンデミルセンソウノシンジツ)

社会一般
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発行:社会批評社
四六判
224ページ
並製
定価 1,600円+税
ISBN
978-4-916117-99-1   COPY
ISBN 13
9784916117991   COPY
ISBN 10h
4-916117-99-9   COPY
ISBN 10
4916117999   COPY
出版者記号
916117   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2012年10月
書店発売日
登録日
2012年9月18日
最終更新日
2012年10月5日
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紹介

米軍150万以上の上陸、それを迎え撃つ日本軍数百万の総特攻という本土決戦が行われたとするなら、沖縄戦以上の数十万の国民の死者が出たことは疑いない。この全国に残る戦跡を紹介する。あのアジア太平洋戦争から67年あまり―戦争体験者が少なくなりつつある現在、「戦争の生きた証言者」=全国の戦跡を紹介。写真300枚以上で語る戦争の真実。

目次

目  次
はじめに 2
第1章 北海道トーチカ地帯を歩く 7
   ■波打ち際にトーチカが連なる大樹町の太平洋沿岸 8
   ■米軍の最初の上陸予想地点・根室に眠るトーチカと掩体壕 26
   ■釧路も米軍の上陸地点に予想された! 40
   ■米軍・北海道上陸の本命地点・勇払平野 44
   ■米軍の函館―青函空襲に役に立たなかった函館要塞 50
   ■解説 米軍上陸と北海道での本土決戦態勢 63

第2章 本土決戦の主舞台の一つ・九十九里浜 67 
   ■香取海軍基地跡周辺に点在する本土決戦の陣地 68
   ■11基の掩体壕が連なる茂原海軍基地跡 76
   ■1・6キロの長大な館山・赤山地下壕跡 87
   ■一二八高地・戦闘指揮所壕跡 92

第3章 本土決戦のもう一つの主舞台・東京湾要塞地帯 95
   ■館山湾に突き出た大房岬要塞群 96
   ■首都防御のために観音崎に築かれた要塞砲台 103
   ■東京湾に浮かぶ要塞島・猿島 117

第4章 首都での本土決戦態勢 127
   ■解説 米軍の関東上陸(コロネット作戦)と日本軍の防御態勢 128
   ■米軍上陸の主舞台・相模湾の日本軍防御陣地 140
   ■陸に上がった連合艦隊司令部のある日吉台地下壕 150
   ■日本最大の横須賀・野島の掩体壕 154
   ■「決戦兵器」開発を急いだ登戸研究所 158
   ■調布・三鷹に残る掩体壕 160
   ■東京空襲下で地下軍需工場が造られた浅川地下壕跡 166
   ■空爆の痕が生々しい日立航空機立川工場 169

第5章 関東平野の本土決戦態勢 173
   ■中島飛行機の地下軍需工場跡が残る吉見百穴 174
   ■軍都・宇都宮に残る戦争の傷痕 178

第6章 本土決戦の最後の砦として築かれた松代大本営 185
   ■碁盤の目のように掘られた象山地下壕跡 186
   ■天皇の地下御殿・舞鶴山壕跡 194

第7章 韓国・済州島の本土決戦態勢 201
   ■韓国・済州島に残る膨大な日本軍の戦跡 202
   ■解説 本土決戦の重要拠点に位置付けられた済州島 218

■戦跡巡りのためのガイド 172
■日本で戦死した英連邦兵士達の墓地 200
註 本書は、主に東日本の戦跡について掲載。本土決戦の九州を中心とする西日本の戦跡については、本シリーズのPart2に執筆する予定。

前書きなど

はじめに

 筆者は、今年2月、韓国・済州島を訪れた。同島での日本軍の戦跡を調査・保存をしている「済州歴史文化振興院」のワークショップに招かれたからだ。
 この地を訪れて驚いたのは、本土決戦関連(アジア太平洋戦争)の日本軍戦跡が多数残されていることもさることながら、これらの戦跡を調査・保存している済州島の人々の努力である。この人々の尽力で、島に散らばる日本軍軍事施設の中の、洞窟陣地・掩体壕・高射砲陣地・特攻基地などの13カ所が、すでに「近代文化遺産登録文化財」として指定されている。
 本来、当時の植民地下での、日本軍によって苦役を強いられた人々にとって、このような軍関連施設は早く忘れ去りたいものだろう。だが、済州島の人々は、日本軍の「侵略の真相を究明する歴史的現場」として「世界的価値を有する」として、保存することにしたのである。
 この済州島の本土決戦を中心とする戦跡調査は、韓国政府の支援もあってなお継続中であるが、翻って日本での戦跡保存の実態を見るとお寒い状態だ(筆者は、ここ数年、サイパン、テニアン、グアムなどのマリアナ諸島の戦跡調査も行っているが、これらの島々でも韓国と同様、戦跡の保存がしっかりなされている)。
 ところで、筆者は、この書籍を執筆するに当たり、改めて全国の戦跡調査を行っているが、かつて所在していたアジア太平洋戦争関連の戦跡が崩落していたり、開発の名の下で撤去されるといった状況をあちらこちらで見てきた。つまり、今日本では、あの戦争の生きた証言者―戦争体験者の高齢化・死亡とともに、戦争の傷痕もなくなりつつあるのだ。
 しかし、アジア太平洋戦争の「生きた証人」でもある戦跡を消滅させてはならない。最近では、戦争体験者の証言を記録する運動が広がりつつあるが、これと同時に戦跡についても調査・保存の運動をもっと進めるべきだ。もし、これらの戦跡を消滅するままにしておくとするなら、おそらく、あと十数年、二十数年で全国の戦跡はほとんど消滅するだろう。そして、その戦跡の消滅と同時に、戦争の記憶も人々の中から忘れ去られてゆく。
 3・11後、東北大震災の被災地で、被災を象徴する船や建物を撤去すべきかどうかの議論が巻き起こっているが、もしもこれらの震災被害のモノを撤去したら、100年後にはこの大震災の被害は、人々の記憶の中から消え去ってしまうだろう。つらい記憶も、再び同じ被害を出さないためには、後世の人々のために残さなくてはならない。
 戦争の記憶も同様だ。戦争体験者―戦跡の消滅は、再び同じ出来事を繰り返させる。このためにも、戦跡を保存する運動を続けているボランティア団体だけでなく、各地の自治体・教育団体などの行政においても、これらの戦跡の保存に取り組むことを要望したい。
                        2012年9月15日
                                        著 者
 

版元から一言

小社の戦跡シリーズ3冊目、今回は本土決戦下の日本をテーマにした戦跡ガイド。米軍150万以上の上陸、それを迎え撃つ日本軍数百万という本土決戦が行われたとするなら、沖縄戦以上の数十万の国民の死者が出たことは疑いない。この全国に残る戦跡を紹介する。「戦争の生きた証言者」=戦跡を今、訪ねてみよう。

著者プロフィール

小西 誠  (コニシ マコト)  (

1949年宮崎県生まれ。航空自衛隊生徒隊第10期生。軍事ジャーナリト。
著書に『自衛隊の対テロ作戦』『ネコでもわかる? 有事法制』『現代革命と軍隊』『自衛隊そのトランスフォーメーション』『日米安保再編と沖縄―最新沖縄・安保・自衛隊情報』『サイパン&テニアン戦跡完全ガイド―玉砕と自決の島を歩く』『グアム戦跡完全ガイド―観光案内にない戦争の傷跡』(以上、社会批評社)ほか多数。

上記内容は本書刊行時のものです。