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絣の着物 壺井栄戦争末期短編集
- 出版社在庫情報
- 不明
- 初版年月日
- 2025年6月10日
- 書店発売日
- 2025年7月16日
- 登録日
- 2025年5月30日
- 最終更新日
- 2025年6月24日
書評掲載情報
2025-06-05 | NHK「おはよう日本」 |
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紹介
1945年6月10日北京発行。戦争批判を根底にした壺井栄の幻の戦時下出版の全貌がここに。
『二十四の瞳』の作者として知られている小豆島出身の作家、壺井栄。
戦時下でも精力的に作品を発表しつづけた壺井栄は、日本国内の出版環境が厳しくなる中、毎日新聞社からの協力を得て、本土ではなく「外地」での短編作品集『絣の着物』刊行に踏み切った。
毎日新聞北京支局内に設置された「月刊毎日社」が発行母体となり刊行された『絣の着物』は、戦争末期の混乱のなか、戦後も著者のもとに届けられることもないままに埋もれていた。
全集未収録である4作品(本書が初公開となるのは3作品)を含む全13の短編は、いずれにも戦時下の状況に翻弄される市井の人々の生活や日常が描かれ、そこには確かな戦争批判が通底している。
このたび『絣の着物』を発見した編者による北京刊行の経緯を検証する解説により、戦時下の出版のあり方、そして日中の出版文化史の重要な一面についても考察される。
附録として、壺井栄の戦時下最後の雑誌発表作品となった随筆「初夏を待つ」、そして壺井栄の戦時下日記である「茶の間日記」のうち、本書と関連する10日間の記述を収録する。
戦争に翻弄される人々の日々の営みを細やかにまなざした本書を80年越しに、戦争の直接の記憶が薄れつつある日本社会に届ける。
<目次>
(★ は壺井栄全集未収録の作品。「花見時」「老人」「産衣」の三つについては新発見であり、本書が初公開となる。)
絣の着物
箪笥の歴史
鷺宮二丁目
霜月
リンゴの頬
藪がらし
花見時★
掌
音のゆくへ
老人★
産衣★
特殊衣料配給日
村の運動會★
(附録)随筆「初夏を待つ」(★ 雑誌『大陸』掲載作品。)
(附録)「茶の間日記」(本書に関係する戦時下の日記を抜粋)
解説 壺井栄『絣の着物』の戦時下出版―北京発行の経緯を検証する (解説者)秦剛
目次
絣の着物
箪笥の歴史
鷺宮二丁目
霜月
リンゴの頬
藪がらし
花見時
掌
音のゆくへ
老人
産衣
特殊衣料配給日
村の運動會
(附録)随筆「初夏を待つ」(雑誌『大陸』掲載作品。)
(附録)「茶の間日記」(本書に関係する戦時下の日記を抜粋)
解説 壺井栄『絣の着物』の戦時下出版―北京発行の経緯を検証する(解説者)秦剛
版元から一言
北京外国語大学の秦剛先生の調査と研究をもとに、壺井栄と毎日新聞社が戦争末期に刊行し、結局人々の手に届くことがなかった短編集を、80年ぶりに「内地」日本社会に届けることができました。
全集未収録作品(今回が初公開となる作品)を含む本書の作品のいずれも、戦時下の日本での市井の人々の暮らしを見事に描いたもので、戦後80年の節目と為る本年にふさわしい出版になったと思います。
壺井栄が戦争の日々の中で描く世界は、戦争末期でも、いや、だからこそというべきか、毎日を懸命に働き、生きる人々の生活を根底に据えているように感じます。
試しに試読をお願いした中学3年生の姪っ子も、楽しく読んでくれました。
戦争中の暮らしや戦争のリアルが伝わり、中学・高校生にも、心からおすすめいたします。
世代を問わず、ぜひ、お読みくださいませ。
上記内容は本書刊行時のものです。