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九州文学
巻次:589号2025年秋・冬号
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2025年11月1日
- 書店発売日
- 2025年11月5日
- 登録日
- 2025年10月28日
- 最終更新日
- 2025年10月29日
紹介
火野葦平や劉寒吉らを輩出し、80年の伝統を持つ九州発信の文芸誌『九州文学』589号。
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九州文學は1938年(昭和13年)、福岡県を中心に活動する火野葦平、劉寒吉、岩下俊作、原田種夫らによって創刊。以来、昭和・平成・令和と継承されていき、詩、俳句、小説と多くの作家が切磋琢磨して、創り上げてきました。2020年7月より第八期として新しく船出しリニューアル。伝統を守りつつ、今後も豊かな言語芸術を志して参ります。
目次
【巻頭詩】
パッケージ[石﨑真由美]
【詩】
心の行方[麻田春太]
水無月に[柴田康弘]
三匹のミミズ[松野弘子]
日常[本田雅子]
老いを背負いて[林 恭子]
ここはここ[石﨑真由美]
青鷺の家 あるいはBypass Storyの断章[梶原佑心]
大樹の映像[梶原佑心]
【俳句】
虫の闇[中園 倫]
初笑ひ[中園 倫]
秋は秋[麻田春庵]
冬は嵌め殺し[麻田春庵]
【随想】
科学エッセイ[鮭屋代彰子]
「生きる」ということ[白水百合子]
私の戦後日記[今給黎靖子]
忘却の彼方に心遊ばせて[中園 倫]
【小説】
極楽坂の鬼 (一)鬼に金棒[野見山悠紀彦]
月を掬う[由比和子]
それぞれの秋[佐々木信子]
友 へ[森 美樹子]
僕の俳句の先生[後編][田中義治]
桃源郷[後編][神﨑たけし]
上野クンが田舎暮らしを始めましたとさ ─3─[内田ゆうこ]
編集委員会便り
585号、588号への時評・季評抜粋
編集後記 他
前書きなど
パッケージ [石﨑真由美]
薄く晴れたあの日は
山あいのロードで
霧が発生
みるみるうちに
我々のいたあたり一面
パッケージされていった
「またね」
互いに言い合って
くるりと背を向けた
三文字の音は
あまりにさらりと
宙に散って
背中に冷たい風が当たった
あなたも同じだろうか
その時
あさはかな期待がうまれて
そっと振り向いてみた
はたして
あなたは背中しか
見せなかった
清々とした
二人のいつもの別れが
今度は
少し濁った
これもきっと
パッケージされていく
この夏も終わり
ある朝
蟬が鳴かないと知るまでには
上記内容は本書刊行時のものです。
