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九州文学 九州文学同人会(編集) - 九州文学同人会
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九州文学 (キュウシュウブンガク) 巻次:586号2024年秋・冬号

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A5判
重さ 350g
264ページ
並製
価格 1,000円+税
ISBN
978-4-911429-00-6   COPY
ISBN 13
9784911429006   COPY
ISBN 10h
4-911429-00-3   COPY
ISBN 10
4911429003   COPY
出版者記号
911429   COPY
Cコード
C9095  
9:雑誌扱い 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2024年11月1日
書店発売日
登録日
2024年10月28日
最終更新日
2024年11月19日
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紹介

火野葦平や劉寒吉らを輩出し、86年の伝統を持つ九州発信の文芸誌『九州文学』586号。
 **
九州文學は1938年(昭和13年)、福岡県を中心に活動する火野葦平、劉寒吉、岩下俊作、原田種夫らによって創刊。以来、昭和・平成・令和と継承されていき、詩、俳句、小説と多くの作家が切磋琢磨して、創り上げてきました。2020年7月より第八期として新しく船出しリニューアル。伝統を守りつつ、今後も豊かな言語芸術を志して参ります。

目次

【巻頭詩】
霜月[本田雅子]

【詩】
夜の海へ[柴田康弘]
老花の路[麻田春太]
ふうちゃんの毎日[松野弘子]
『ドクトル・ジヴァゴ』に寄せて[金子秀俊]
教会にて[石﨑真由美]
偏西風[林 恭子]
太平洋戦争・この禍根[高森 保]
忘れたくなかった三つの場面[梶原佑心]

【俳句】
竹の春/冬ざれ[麻田春庵]
ぬくめ酒/初仕舞[中園 倫]

【川柳】
もう卒寿[高森 保]

【随想】
戀でした[中園 倫]
鮎の夜釣り[田中義治]

【小説】
高森城合戦記[塚元秀樹]
源重郎世事手控 ㈡蛇蝎[野見山悠紀彦]
昭和四十年代初め筑後川田園物語[由比和子]
水仙が咲く家[内田ゆうこ]
再 会[緑川すゞ子]
橋からの眺めⅡ[森田繁昌]
兵隊さん好き[宮川行志]
ひこばえ[今給黎靖子]
善門地蔵[関屋弘治]

【コラム】留学生余話:(23)敏腕職員、子育ての話 その2/(24)寮の騒音/(25)帰国のトラップスペース/(26)スタッフのバトル

編集委員会便り
582・583・585号への時評・季評抜粋
編集後記 他

前書きなど

【巻頭詩】
霜 月[本田雅子]

あなたの誕生日は霜月の三十日
覚えやすくて今も忘れられない
寝たきりで話はできず
目も見えなかったけれど
耳もとで名前を呼ぶと
唇が ウン というように頷き
握った手をかすかに握り返した
十一月だった
この世のあなたとの時間にさよなら
この世のあなたとの思い出にさよなら
この世のあなたとの縁にさよなら
あなたの中の私にさよなら
いずれ訪れる
私がこの世から消える日に
私の中のあなたも消えるけれど
これからも霜月は
あなたを思い浮かべる月となる

 *  *  *

【編集後記より抜粋】
 近年、書店の減少が話題になっています。それは取りも直さず、読者の減少を現わしています。なぜ人は本を読まなくなったのか? この問いには様々な答えが返って来るでしょうが、最大の要因は生活レベルが格段に良くなったからだと考えます。
 衣食住に汲々としていた時代は、文学などに気を使っている余裕はないと考え勝ちですが、実態は全く逆の様相を示していたように思えます。衣食住は直接的に命の存続に関わります。そこには生存を賭けた凄まじい戦いや精神の葛藤が生まれ、それが文学を生むエネルギーになっていたと思えてなりません。(略)
 本棚の中から一冊の文庫本を見つけ出しました。昭和三十五年に発刊された開高健氏の本です。そのタイトルが目に止まったからです。『衣食足りて文学は忘れられた!?』。戦後十五年しか経っていませんが、もはや戦後ではないと云われ、高度成長の真っただ中です。感性の鋭い開高氏は、既にこの時代に文学の先々を感じていたと思われるのです。
 長い九州文学の歴史を引き継いで来た我々ですが、ここで衰退させる訳には参りません。人間の根源を見詰め、社会の矛盾を見極め、生死の真理を解き明かす熱意を失いたくないのです。(不羈庵)

著者プロフィール

九州文学同人会  (キュウシュウブンガクドウジンカイ)  (編集

『九州文学』は,1938年,福岡県を中心に活動する火野葦平,劉寒吉,岩下俊作,原田種夫らによって創刊。火野葦平は「糞尿譚」によって第6回の芥川賞を得,岩下俊作が『九州文学』に掲載した「富島松五郎伝」は度々映画化された「無法松」の原作である。その他多数の同人が芥川賞,直木賞の候補に挙げられ,九州を代表する同人誌として『九州文学』の全国的地位を確立させた。なお,邪馬台国論争に民間研究者が発言するきっかけとなった『まぼろしの邪馬台国』(宮崎康平)も『九州文学』に掲載されたものである。現在でも同人は全国各地の文学賞を受賞するなど活躍している。

上記内容は本書刊行時のものです。