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【新装版】ここから始める文学研究
作品を読み解くために
- 出版社在庫情報
- 不明
- 初版年月日
- 2025年4月20日
- 書店発売日
- 2025年4月28日
- 登録日
- 2025年4月1日
- 最終更新日
- 2025年4月3日
紹介
文学研究って、何するの?
感想文を論文にするためには、どんな思考が必要なのか。
作品成立の背景や時代状況を知り、方法や理論を学ぶと、小説を読むことがもっと楽しくなる。
夏目漱石や泉鏡花といった文豪たちの小説を読みながら学べる、最初の文学研究入門書。
※本書は、『ここから始める文学研究――作品を読み解くために』(みずき書林、2022年)に修正を加え、装丁を新しくした新装版です。
目次
Ⅰ 基礎知識
大学で小説を読むこと――創造行為としての小説読解/五井信
本文は、絶えず変わってゆく――草稿、原稿、雑誌、単行本/山口直孝
作り手のことを知る意味――作家と作品との関係/山口直孝
同時代――作品発表の時代まで遡って調べよう/瀧田浩
研究のルールとマナー――引用と剽窃・資料保存・プライバシー/荒井裕樹
Ⅱ 文学理論
語り① 文学研究の前提
語り② 〈叙法〉と〈態〉について
身体 身体を読む、身体から読む
境界・中心・周縁 世界の境目を読む
読者論 読み手として自立することから
都市論 有機体として考える
マルクス主義文芸批評 階級差を意識する
精神分析批評 抑圧された欲望と無意識
エディプス・コンプレックス ギリシャ悲劇の父殺し
フェミニズム・ジェンダー批評 性と欲望
ポストコロニアル批評 私はどこにいるのか
アダプテーション ジャンルの横断から見えること
Ⅲ 作 品
外科室/泉鏡花(解説:山口直孝)
少女病/田山花袋(解説:五井信)
夢十夜(「第一夜」、「第三夜」)/夏目漱石(解説:五井信)
小僧の神様/志賀直哉(解説:瀧田浩)
施療室にて/平林たい子(解説:中谷いずみ)
疎林への道/小島信夫(解説:山口直孝)
水滴/目取真俊(解説:中谷いずみ)
誕生日の一日/津村記久子(解説:荒井裕樹)
Ⅳ、巻末資料
日本近代文学をさらに深く研究するために 施設とツール
前書きなど
なぜ大学で、日本近現代文学の読み方を学ぶのか――。
英語や中国語といった外国語や古典を読むというならともかく、読もうと思えば誰でも読める日本の近現代文学を学ぶ/教える理由について、ときに尋ねられ、ときに回答に頭を悩ませることがあります。身も蓋もないことをいえば、それは「好きだから」であり「面白いから」ということになるのでしょう。面白い小説に没頭して時間の経過を忘れるというのは、とても幸福な経験だと私も思います。でも最初の問いに戻るなら、それでは十分な回答という気がしない。いやむしろ、自分たちの授業の受講生すべてが近現代文学を
「好き」で「面白い」と思っているなんて、この本の執筆者は(おそらく)誰も思っていません。……ではなぜでしょう?
少し恥ずかしい気持ちをおさえて大風呂敷を広げるなら、その理由は「思考力を鍛えるため」です。この回答なら、この本の執筆者全員が(これまたおそらく)「それは違う」とはいわないと思います。そう、大学の授業としての日本近現代文学を担当する私たちは、受講する学生諸君たちの思考力を鍛えたいと思っている。
- 旧版ISBN
-
9784909710239
上記内容は本書刊行時のものです。