版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
ビジュアル博物館学Art 水嶋 英治(編著者) - 人言洞
.
【利用可】

書店員向け情報 HELP

書店注文情報

注文電話番号:
注文FAX番号:
注文サイト:

在庫ステータス

在庫あり

取引情報

取引取次:
JRC     ト・日・他     書店
直接取引:あり
返品の考え方: 直接取引は原則買取/採用品は応相談

出版社への相談

店頭での販促・拡材・イベントのご相談がありましたらお気軽にご連絡ください。

ビジュアル博物館学Art (ビジュアル ハクブツカンガク アート)

このエントリーをはてなブックマークに追加
発行:人言洞
B5判
縦257mm 横182mm 厚さ10mm
重さ 350g
168ページ
並製
定価 2,300円+税
ISBN
978-4-910917-08-5   COPY
ISBN 13
9784910917085   COPY
ISBN 10h
4-910917-08-X   COPY
ISBN 10
491091708X   COPY
出版者記号
910917   COPY
Cコード
C3337  
3:専門 3:全集・双書 37:教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2024年8月5日
書店発売日
登録日
2023年9月8日
最終更新日
2024年7月25日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

 本書『ビジュアル博物館学Art』は,博物館の学芸員や関連する仕事をめざす人たちのための入門者向けテキストであるミュージアムABCシリーズ〈全3巻〉の第2弾です。
 博物館学全体を俯瞰した基礎編である『ビジュアル博物館学Basic』(既刊)を踏まえて、本書では美術館を中心とした美術系に特化して領域ごとにわかりやすく解説しています。また, 入門者のみならず現職の人たちの学び直し・リスキリングにも活用できる美術館にかかわる情報やトピック, 最新の技術や規程(巻末資料:フランス博物館専門職職業倫理憲章ほか)なども多く記載しています。

目次

 美術館の素朴な3つの疑問
序章 美術館はなんのために存在するのだろうか
 1 人類の知識欲を永年支えつづける場所
 2 知の共有をするための場所
 3 知の共有のサポート役=学芸員
第1章 美術館学とは―何をどう学ぶか
 1 美術館学と博物館学のちがい
 2 美術館の扱う資料と作品
 3 美術館が扱う新しい芸術作品
 4 美術館学的保存方法の研究
第2章 資料論
 1 美術館にある資料とは何か
 2 美術館における資料の価値
特論1 美術館を舞台にしたマンガや書籍
 1 美術館を主題としたマンガ
 2 美術館を主題とした絵本・図鑑
 3 美術館を主題とした小説
第3章 教育論
 1 美術館の役割
 2 鑑賞者育成(次世代育成)としての美術館ワークショップ
 3 生涯学習としての美術館ワークショップ
 4 指導者育成としての美術館ワークショップ
第4章 工芸論
 1 工芸作品とは―見るものなのか,使うものなのか 
 2 工芸・民藝の歴史
 3 日本の工芸・民藝作品
 4 工芸展示が定期的にみられる美術館・博物館施設
第5章 展示論
 1 美術館の展示の特徴
 2 美術の展覧会
第6章 経営論
 1 組織のマネジメントとは何か
 2 博物館・美術館の経営と運営
 3 博物館経営のポイント
 4 博物館に働くスタッフ
 5 展覧会の企画
 6 法律や倫理規程に従って博物館・美術館を運営する
第7章 調査研究論
 1 美術館における調査研究活動
 2 個人研究
 3 市民との連携―市民参加型調査研究
 4 他館・大学・外部有識者などとの連携
 5 調査研究の公表・発表―展示など博物館ならではの発表手段
 6 紀要・学会発表
第8章 資料保存論
 1 資料の保存と展示
 2 材質と環境
 3 保存科学の役割
 4 適切な環境とは
 5 持続可能な予防保存
第9章 情報メディア論
 1 情報,メディア,コンテンツと美術館・博物館
 2 情報メディアの性質とその展示
 3 情報メディアを扱い,発信する
第10章 美術館史
 1 美術館の歴史
 2 日本の美術館の変遷
 3 世界の訪れたい美術館
特論2 美術館学を学ぶための必読書5選
第11章 建築論
 1 美術館建築の定義
 2 美術館空間の発展
 3 建築設計者の役割
 4 美術館建築の課題
 5 美術館建築の国際的傾向
 6 歴史的建造物からの転用
第12章 1館まるごと事例研究
 1 ポーラ美術館
 2 長崎県美術館
第13章 学芸員実習
 1 学芸員資格の取得方法
 2 実習館選びのポイント
 3 学芸員実習に向けた心がけ
特論3 美術館学芸員をめざす人へ
 1 学芸員だけが美術館の仕事ではない
 2 性的表現の強い芸術作品をどのように捉えて学芸員は提示・展示表現するか?
巻末資料 フランス博物館専門職職業倫理憲章/博物館専門職のためのヨーロッパ参照フレームワーク/博物館及びその収集品並びにこれらの多様性及び社会における役割の保護及び促進に関する勧告

前書きなど

まえがき
 この本を手にとってくれた読者のみなさん,【ビジュアル博物館学】へようこそ!
 おそらく皆さんのなかには学芸員課程を履修し,将来,学芸員として博物館・美術館に勤務しようと考えている大学生が多いかもしれません。このテキストをパラパラめくってみると,少しびっくりするかもしれないですね。
 本シリーズのタイトル【ビジュアル博物館学】が示すように,このテキストのなかに登場する案内役のキャラクターがポイントを示したり,事例紹介用の写真も多用されていて,これまでの教科書とは少し毛色が違うと思いませんか?
 博物館の父と呼ばれた棚橋源太郎は,博物館のことを『眼に訴える教育機関』(1930)であると述べています。それよりも半世紀前には『米欧回覧実記』(久米邦武編,1878)のなかでも,博物館を「眼目ノ教へ」と捉えていました。私たち編者も先哲の精神に学び,できるだけ直感的に理解を助けるために,眼に訴えようと心がけました。
 2022年12月に創刊されたミュージアムABC シリーズのBasic(ベーシック):B 巻は,博物館の「基本」です。この基本を学んだあと,博物館学のなかでも美術館を中心とした美術系に特化した本書Art(アート):A 巻で学べは,鬼に金棒です。さらに続刊のCuration(キュレーション):C 巻で学べば,博物館学芸員の業務全体のABC が理解できると思います。
 世の中はどんどん変化しています。「生涯学習社会」「人生100年時代」といわれている現在,つねに学び直すことが必要です。それは,これから学芸員になろうとする人たちだけでなく,現職の学芸員も,最新の技術的動向や学問分野の進展などについてもアップデートしておく必要があります。
 つねに「学び直す」という考え方は,教育や職業の分野で重要視されているものです。教育分野では,学習者の個性やニーズに応じた個別最適化された学びを実現するために,教育内容や方法の改革が求められています。博物館教育もどんどん進化していくことでしょう。職業分野では,社会や技術の変化に対応するために,「リスキリング」(Reskilling)という考え方が重視されるようになっています。リスキリングとは技術革新やビジネスモデルの変化に対応するために新しい知識やスキルを学ぶことです。
 本書で取り上げた内容やトピックも,入門・専門を問わず,学び直しやリスキリングにも活用していただければ,私たち編著者たちの望外の喜びです。

版元から一言

 博物館の学芸員や関連する仕事をめざす人たちのための入門者向けテキストであるミュージアムABCシリーズ〈全3巻〉は、以下の読者層を対象にして構成しています。
●美術館系の学芸員をめざす学生たち
 ➡本書『ビジュアル博物館学Art』/ 既刊『ビジュアル博物館学Basic』
●自然科学系・技術館系の学芸員をめざす学生たち
 ➡既刊『ビジュアル博物館学Basic』/ 近刊『ビジュアル博物館学Curation』
 広く博物館学を捉える既刊の『ビジュアル博物館学Basic』は、博物館に関わるすべての読者がおさえておくべき基礎的な内容をわかりやすく解説しています。そのうえで、とくに美術館に焦点を絞った本書『ビジュアル博物館学Art』を読むことで、より具体的な事例をもとに学習を深められます。
 なお、科学博物館や自然博物館などに焦点を絞った近刊『ビジュアル博物館学Curation』を読むことで、さらに相関的に博物館学を捉えることができます。

著者プロフィール

水嶋 英治  (ミズシマ エイジ)  (編著者

長崎歴史文化博物館館長,日本ミュージアム・マネージメント学会前会長,元筑波大学教授。博士(世界遺産学)。主な編著『Dictionnaire de muséologie』ICOM, ARMAND COLIN社(2022),『展示の美学』東京堂出版(2023)。訳書『博物館学・美術館学・文化遺産学基礎概念事典』東京堂出版(2022)ほか多数。

小泉 優莉菜  (コイズミ ユリナ)  (編著者

長崎国際大学人間社会学部国際観光学科助教。博士(歴史民俗資料学)。専門は無形文化財、比較文化論。元公益財団法人ポーラ伝統文化振興財団学芸員。著書『現代民俗学考―郷土研究から世界常民学へ』共著,春風社(2021)など。

佐々木 淑美  (ササキ ジュニ)  (編著者

東北芸術工科大学芸術学部文化財保存修復学科准教授。博士(世界遺産学)。
専門は保存科学,世界遺産学で,2010年から現在まで,調査代表としてトルコのハギア・ソフィア大聖堂保存総合調査を実施している。著書『文化財のための三次元計測』共著,千倉書房(2010)など。

東海林 洋  (ショウジ ヨウ)  (著者

ポーラ美術館学芸員。早稲田大学大学院終了後,2011年より現職。専門はピカソやシュルレアリスムなど20世紀の西洋近代美術史。これまで担当した展覧会に「シュルレアリスムと絵画―ダリ,エルンストと日本の『シュール』」(2019-2020年),「ピカソ 青の時代を超えて」(2022年),「モダン・タイムス・イン・パリ 1925―機械時代のアートとデザイン」(2023-2024年)など。

川﨑 瑞穂  (カワサキ ミズホ)  (著者

聖心女子大学非常勤講師,川崎市教育委員会文化財調査員(民俗),民俗芸能学会理事,日本風俗史学会理事,日本リズム学会理事。博士(音楽学)。日本学術振興会特別研究員PD(神戸大学所属)などを経て現職。著書『徳丸流神楽の成立と展開―民族音楽学的芸能史研究―』第一書房(2018)。

小坂 智子  (コサカ サトコ)  (著者

長崎県美術館館長。佐賀大学名誉教授。石橋財団ブリヂストン美術館,慶應義塾大学アート・センター,長崎国際大学,佐賀大学を経て現職。論文に「学習者中心の文化遺産教育 : 佐賀大学有田キャンパスで開催したイクロム夏期セミナー2019『文化財の保存と科学のためのコミュニケーションと教育スキル』」『文化財保存修復学会誌』63 9-16,共著(2020)など。

上記内容は本書刊行時のものです。