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探究モードへの挑戦 田村  学(編者、シリーズ監修) - 人言洞
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探究モードへの挑戦 (タンキュウモードヘノチョウセン) 高度化・自律化をめざすSDGs時代の人づくり (コウドカジリツカヲメザスエスディジーズジダイノヒトヅクリ)

教育
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発行:人言洞
A5横判
縦210mm 横148mm 厚さ16mm
重さ 360g
280ページ
並製
定価 3,000円+税
ISBN
978-4-910917-00-9   COPY
ISBN 13
9784910917009   COPY
ISBN 10h
4-910917-00-4   COPY
ISBN 10
4910917004   COPY
出版者記号
910917   COPY
Cコード
C3337  
3:専門 3:全集・双書 37:教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2022年9月15日
書店発売日
登録日
2022年8月4日
最終更新日
2022年9月27日
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書評掲載情報

2023-05-19 月刊教職研修    6月号
2022-11-21 日本教育新聞  
2022-11-02 先端教育オンライン    12月号
評者: 月刊先端教育編集部
2022-11-01 月刊先端教育  12月号
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紹介

 持続可能な社会をめざすSDGs 時代の人づくりには、既存の制度や枠組みを変容させた学びの仕組みとして「探究モード」への転換が求められる。
 本書は、「探究」の高度化・自律化へ向けて教育政策・学校改革・地域協働・国際研究等の最前線で活躍する6名の著者が、それぞれの研究/実践の成果と課題をふまえてタテ割りの壁を越え、これからの日本における人づくりを「探究モード」をキーワードに積極果敢に論考する。
 さまざまな取り組みを俯瞰することによってめざすべき「生涯探究社会」へ向けて読者を誘い、誰ひとり取り残すことなくすべての人々が生涯にわたり探究する社会の創出への新たな視座や捉え直しを提言する必読の書。

目次

序 章 時代の教育改革,人事改革,地域のおける人づくり
 1 本書の「探究」の位置づけ
 2 「SDGs時代」の意味合い
 3 先行研究におけるSDGsと「探究」の捉え方
 4 多様な分野・領域で求められる[探究の高度化・自律化]

第1章 複雑な問題に向き合い,自律と協働を連動させる探究へ
 1 新しい時代に求められる人材と「探究」
 2 学習指導要領の改訂と探究する総合的な学習の時間
 3 持続可能な社会の創り手に求められる「探究・協働」と「横断・学際」
 4 持続可能な社会の創造に向けて探究する子どもの姿

第2章 教育改革と探究モードへの挑戦
 1 探究モードの「4度目の正直」
 2 学習指導要領の展開と探究的な学び
 3 教育DXのなかで問われる学校の存在意義
 4 探究的な学びの持続可能は発展のために

第3章 社会変容と探究モードへの挑戦
 1 「社会変容」と「自画像の歪み」
 2 「探究モード」の学びへの挑戦
 3 教育政策の勝負どころ

第4章 地域協働と探究モードへの挑戦
 1 今なぜ地域協働が問われるのか
 2 持続可能な地域社会とは
 3 地域協働における教育の役割
 4 地域における探究の実践
 5 地域とともにある探究とは

第5章 OECDにおける「探究」の考え方
 1 「探究」とは何か
 2 「探究」的学習について
 3 OECDにおける「探究」に関連する議論
 4 日本における「探究」への示唆
 5 「探究」の本質

第6章 UNESCOと人づくり
 1 多様な開発アプローチと人づくり
 2 UNESCOにおける人づくり
 3 「国連・ESDの10年」の経験と持続可能な社会に向けた人づくり
 4 VUCA社会における新しい教育の役割と学びのあり方
 5 UNESCO未来共創プラットフォーム・ダイアログに基づく論点と「探究」との接点

終 章 SDGs時代の探究モードの拡充に向けて
 1 各章の論点の整理
 2 時代認識・状況認識に関する指摘の整理
 3 「探究の意味合い」に関する指摘の整理
 4 「探究」に求められる資質・能力・知性
 5 「探究」を機能させる条件
 6 本書でみられる「探究の多義性」
 7 学習と協働を連動させた「探究モードへの挑戦」

前書きなど

まえがき

■「生涯探究社会の創出」に向けて
 平和で,公正で,持続可能な社会の構築に向けて,2030年を想定して掲げた持続可能な開発目標(SDGs)では,持続可能(Sustainability)な開発/発展(Development)がうたわれているが,これは従前のさまざまな開発アプローチ(経済開発,社会開発,人間開発,持続可能な開発など)を連動させたうえで,誰一人取り残さない参加の場づくりと,世界のすべての人々が行動し,協働することを示唆している。
 編者は,これまで各分野で取り組まれてきた実践と研究,政策を捉えつつ,より複雑化するSDGs時代の社会を鳥瞰し,各分野での成果と課題をもち寄ってめざすべき方向を見いだして協働する「生涯探究社会の創出」を提言している。本書は,そのシリーズ第1巻として,『探究モードへの挑戦―高度化・自律化をめざすSDGs時代の人づくり』を上梓するものである。

■「探究モード」への転換と挑戦
 平和で,公正で,持続可能な未来を構築するには,学びと協働の変容が求められている。そこでは,これまでの知識の習得を中心とした受動的な学びは大きく転換しなければならない。自ら課題を設定し,自ら考え判断し,自ら行動していく「探究」こそが求められ,きわめて能動的な学びの実現が期待されている。
この「探究モード」へと学びが転換することが喫緊の課題であり,そのことは学校を中心とした教育の現場だけではなく,地域や企業など広く社会全般の協働の場においても必要とされている。つまり,誰もが人生において探究しつづけ,自らの生き方やあり方を問いつづける「生涯探究社会」が訪れていることを意味する。

■本書の構成
 本書は,探究活動を“学習”と“協働”の側面から掘り下げ,さらに,変動性,不確実性,複雑性,曖昧性の高い社会(VUCA社会)において,学習と協働を有機的に連関させることにより[探究の高度化・自律化]に向けた考察を深めるものである。とりわけ,本書は,多様な分野・領域において[探究の高度化・自律化]に深くかかわる政策担当者,研究者との連携により,以下に記す6つの章から構成されている。
 序章[佐藤真久:編者]では,本書の出版背景と趣旨について紹介がなされている。ここでは,「SDGs時代」の意味合いについて掘り下げるとともに,SDGs時代をふまえた先行研究における「探究」に関する論点を提示している。その後,[探究の高度化・自律化]について,多様なセクターの側面からそのニーズを述べる。
 第1章[田村学:編者]「複雑な問題に向き合い,自律と協働を連動させる探究へ」では,これからの社会で求められる学びは「探究」である点を,社会の変化や期待される資質・能力育成の視点から論述している。
 第2章[合田哲雄]「教育改革と探究モードへの挑戦」では,学習指導要領の改訂とその歴史や変遷などを通して,これまでの学習指導要領がめざしてきたもの,未来の学習指導要領の姿をイメージするものであり,これらの考察を通して「探究」の意味や価値を掘り下げていく。
 第3章[浅野大介]「社会変容と探究モードへの挑戦」では,社会の変化と未来の予想を通して教育が変わることの重要性やその方向性を考察している。さらに,社会経済の持続的発展に結びつく教育の姿,求められる人材像,新しい社会の姿を提言している。これらの考察を通して「探究」の意味や価値を掘り下げていく。
 第4章[田淵六郎]「地域協働と探究モードへの挑戦」では,地域や社会が持続可能な状態で発展していく際に求められる学びの姿について,日本各地の具体的な協働の取り組みの紹介を踏まえつつ,「探究」の意味や価値を掘り下げていく。
 第5章[白井俊]「OECDにおける『探究』の考え方」では,筆者のOECDへのかかわりを通して得られた知見に基づき,OECDがめざしている人材や資質・能力について,各国の取り組みや国際的な視点で考察し,さらに「探究」の意味や価値を掘り下げていく。
 第6章[佐藤]「UNESCOと人づくり」では,筆者のUNESCOへのかかわりを通して得られた知見に基づき,UNESCOがめざしている人材や資質・能力について,人間開発アプローチとしての「国連・識字の10年」「万人のための教育(EFA)」や,国際環境教育計画(IEEP),「国連・ESDの10年」の知見やその後の取り組みに基づいて考察し,さらに「探究」の意味や価値を掘り下げていく。
 終章[佐藤]では,第1~6章の内容を鳥瞰的に捉え,各論を縦軸としてその主意と位置づけを整理するとともに,「探究」を横軸とした各章の連関を明示して複眼的な視点から捉えている。終章まで読み進めたあとに改めて各章を読み直すと,縦横軸からみた全体構造のなかの各論を再考することができ,各論考の背景にある時代認識・状況認識,多様な   
「探究」の意味合い,「探究」に求められている資質・能力・知性,「探究」を機能させるための諸条件,「探究」の多義性に関する理解を深めることができるものと思う。

 本書は,「探究モード」という言葉を使い,学校教育にとどまらず,社会教育や企業においても欠かすことのできないものであることを強調している稀有な書籍である。これまでの学校種や,地域での社会教育,企業での能力開発などといった文脈や領域を超え,多くの方々に手に取ってお読みいただきたい。
読者のなかから,平和で,公正で,持続可能な未来に向けて,生涯にわたり,学習と協働を有機的に連関させた[探究の高度化・自律化]に挑む人々が大勢現れることを期待したい。

版元から一言

 個人、家庭、学校、地域、国家、グローバル社会に生きるすべての人に関わる教育政策・学校改革・地域協働・国際比較研究等の最前線で活躍する大学研究者や中央官庁の官僚である著者6名のコラボレーションが実現した類書を見ない稀有な一冊です。
 各著者が自身の携わるプロジェクトや研究活動などを縦割りで視野狭窄的に論じるのではなく、SDGs時代に求められる人づくりに通底する「探究モード」へ転換する「生涯探究社会」を創出するため、縦横からの注視と俯瞰を生涯にわたってスパイラルに続ける挑戦へ読者の皆さんすべてを誘う意欲的な書籍です。
 読者の皆さんが自身の目の前の課題意識をより深く考えるときに、視座をかえて今と異なる課題意識からのアプローチに気づかせてくれる貴重なヒントになるのではないでしょうか。

著者プロフィール

田村 学  (タムラ マナブ)  (編者、シリーズ監修

國學院大學人間開発学部教授 [第1章執筆]
文部科学省初等中等教育局視学官などを経て2017年より現職。日本生活科・総合的学習教育学会副会長,中央教育審議会架け橋特別部会臨時委員,産業構造審議会臨時委員など。主著に『深い学び』東洋館出版社,『学習評価』東洋館出版社などがある。

佐藤 真久  (サトウ マサヒサ)  (編者、シリーズ監修

東京都市大学大学院環境情報学研究科教授 [序章・第6章・終章執筆]
英国サルフォード大学にてPh.D.取得。地球環境戦略研究機関(IGES),ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)を経て現職。UNESCO ESD-Net 2030 フォーカルポイント,SEAMEO-JAPAN ESDアワード 国際審査委員など。主著に『探究×SDGs』朝日新聞社,『協働ガバナンスと中間支援機能』『SDGs時代の評価』筑波書房などがある。

合田 哲雄  (ゴウダ テツオ)  (共著者

内閣府科学技術イノベーション推進事務局審議官 [第2章執筆]
文部科学省初等中等教育局教育課程課長,同財務課長等を経て現職。兵庫教育大学客員教授。主著に『学習指導要領の読み方・活かし方』『学校の未来はここから始まる』教育開発研究所,『メディアリテラシー』時事通信などがある。

浅野 大介  (アサノ ダイスケ)  (共著者

経済産業省商務・サービスグループ サービス政策課長(兼)教育産業室長・スポーツ産業室長 [第3章執筆]
経済産業省に教育産業室とスポーツ産業室を発足させ,「未来の教室」「未来のブカツ」などの改革実証プロジェクトや,文部科学省等との協働によるGIGAスクール構想を推進。主著に『教育DXで「未来の教室」をつくろう』学陽書房がある。

田渕 六郎  (タブチ ロクロウ)  (共著者

上智大学総合人間科学部教授 [第4章執筆]
名古屋大学助教授,上智大学准教授を経て現職。主な研究分野は家族,ライフコース,世代の社会学。近年は,日本の離島や山村における家族や人口の変化の多様なあらわれ方を研究。主著に『Changing families in Northeast Asia』Sophia University Press などがある。

白井 俊  (シライ シュン)  (共著者

文部科学省文部科学省国際統括官付国際戦略企画官 [第5章執筆]
現在, 文部科学省において国連, ユネスコやG7などに関する業務に携わるほか, 国立教育政策研究所フェロー, 東京学芸大学客員教授も務める。主著に『OECD Education2030プロジェクトが描く教育の未来』ミネルヴァ書房がある。

上記内容は本書刊行時のものです。