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統計力学 応用編
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年6月30日
- 書店発売日
- 2023年6月30日
- 登録日
- 2023年5月12日
- 最終更新日
- 2023年7月3日
紹介
さあ、統計力学を使いこなそう!
実践問題を通して、統計力学の威力を実感することになる!
量子力学の扉を開いたプランクの輻射式、
その歴史的大発見の解析には統計力学が大きな威力を発揮する
2原子分子気体, 固体の比熱, そしてイジング模型と
相転移の応用分野にも挑戦
分配関数を求めることが基本
系のエネルギーを求めて
ボルツマン因子に代入する
あとは、数学的処理で、熱力学関数が得られる
なるほど納得の過程を本書でぜひ楽しんでほしい
目次
はじめに 3
第1章 分配関数 7
1. 1. 規格化定数と分配関数 8
1. 2. 連続関数と分配関数 13
1. 3. 古典的近似 26
補遺1-1 ボルツマン因子 27
A1. 1. 気体の濃度とボルツマン因子 29
A1. 2. 気体の運動エネルギー 33
補遺1-2 熱力学変数 35
補遺1-3 ガウス積分 39
第2章 2原子分子気体 42
2. 1. 運動の自由度 42
2. 2. 回転運動 45
2. 3. 2原子分子気体の運動エネルギー 47
2. 4. 一般化運動量 49
2. 5. 振動 55
2. 6. まとめ 60
補遺2-1 解析力学 61
補遺2-2 量子力学的調和振動子 64
第3章 光のエネルギー 70
3. 1. 熱放射 70
3. 2. 定常波 72
3. 2. 1. 1次元の定常波 72
3. 2. 2. 2次元の定常波 75
3. 2. 3. 立方体容器における定常波 78
3. 3. 容器内の光エネルギーの分配関数 82
3. 4. プランクの輻射式 85
3. 5. 光スペクトルの統一的理解 88
3. 6. 波長による表現 91
補遺3-1 ガンマ関数 96
補遺3-2 ゼータ関数 98
第4章 固体の比熱 100
4. 1. アインシュタインモデル 100
4. 2. 格子間相互作用 107
4. 3. デバイ近似 110
4. 4. 格子振動と格子点 113
4. 5. 格子振動のエネルギー 115
4. 6. 低温域の比熱 120
補遺4-1 量子力学における波の表現 122
A4. 1. オイラーの公式の導出 123
A4. 2. 複素平面と極形式 125
A4. 3. 波数と角振動数 128
A4. 4. 3次元への拡張 129
第5章 相互作用のある系 131
5. 1. 相互作用のない場合 132
5. 2. 強磁性 ─ 相互作用のある系 138
5. 3. スピン変数 139
5. 4. 1次元イジング模型 140
5. 5. 周期境界条件 143
5. 6. 磁場がある場合のイジング模型 147
5. 7. 行列表示 149
5. 8. 行列の対角化 154
補遺5-1 磁性体の熱力学 162
補遺5-2 相転移における変化 167
補遺5-3 固有値と固有ベクトル 171
A5. 1. 固有値と固有ベクトル 171
A5. 2. 固有方程式 173
A5. 3. 行列のべき乗 175
A5. 4. 固有ベクトルの正規化 177
A5. 5. 対称行列の対角化 178
第6章 磁気相転移 181
6. 1. イジング模型 181
6. 1. 1. 1次元モデル 181
6. 1. 2. 2次元モデル 182
6. 2. 2次元イジング模型のエネルギー 184
6. 3. 平均場近似 184
6. 4. 磁気相転移 189
6. 5. ランダウ理論 193
6. 6. 自由エネルギーによるアプローチ 195
6. 6. 1. スピン配列のエントロピー 195
6. 6. 2. 磁気エネルギー 198
6. 6. 3. 自由エネルギーの極小値 201
6. 7. 最後に 206
おわりに 208
前書きなど
はじめに
本書では、「統計力学 ─ 基礎編」で学習した内容をもとに、統計力学を実際にいろいろな系に応用し、実践を通して、その効用を実感することが狙いである。なぜなら、基礎学問は、それを具体的な問題に適用して、実際にみずから解法を経験することで理解が進むことも多いからである。
統計力学の応用にあたって重要なのは、いかに対象とする系の分配関数を求めるかにある。この際、対象とする系におけるエネルギーを過不足なく、すべて数え上げることがポイントとなる。ただし、この点に関しては、多くの場合、他の分野で確立された知識を利用すればよいので問題はない。科学は、過去の所産の助けを借りて、発展するものだからである。実際に、本書でも、量子力学の知識や、解析力学の手法、そして、数学で得られた特殊関数などを利用して実際問題に取り組んでいる。
本書で取り上げる応用分野は、2原子分子気体、光のエネルギー、固体の比熱などである。さらに、いまだに現象の定式化が確立されていない分野として、相互作用のある系も取り上げる。ここでは、統計力学が成功を収めている1次元と2次元のイジング模型の例を紹介する。
本書を通して、多くの読者が統計力学の有用性と面白さに気づいてくれることを期待している。
2023年 夏
著者 村上雅人、飯田和昌、小林忍
版元から一言
さあ、統計力学を使いこなそう!
現代物理の扉を開いた学問
統計力学の効用がよく分かる
式の導出にいっさい手を抜かないと評判の著者が贈る
理工数学シリーズ第2弾
統計力学がどんなところに応用されているかが分かる
分配関数を求めることが基本
系のエネルギーを求めてボルツマン因子に代入する
あとは、数学的処理で、熱力学関数が得られる
関連リンク
上記内容は本書刊行時のものです。