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僕には名前があった
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年5月31日
- 書店発売日
- 2023年5月31日
- 登録日
- 2022年12月19日
- 最終更新日
- 2023年11月16日
書評掲載情報
2024-07-26 | ELLE 2024年9月号/No.479 |
2023-12-24 |
北海道新聞
朝刊 第29100号 評者: 三角みづ紀(詩人) |
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紹介
「人」から始まり「人」で終わる連作詩集
言葉遊びで描く喜びと悲しみ
「会う時はアンニョンでいたくてアンニョン
別れる時はアンニョンではいられなくてアンニョン
待つ人が路地にいた。
待つ時までいた」(「待つ人」より)
言葉遊びに気を取られているうちに周囲の時空が歪み始め、
自分がいつの間にか韓国の、あるいは日本にも共通した
生きづらい世の光景を眺めていることに気づいて愕然とする。
そして、この詩人はただものではないらしいと、
改めて認識するだろう。 ──訳者解説より
オ・ウンの詩集『僕には名前があった』には、
都市で暮らすいろいろな人が集まっていた。
その日常の身近な言葉で綴られた詩はエッセイのようでもあり、
また突如少ない字数で語られる人の一代記のようでもある。
どの人にもどこか心当たりがあり、目を瞑って適当に本を開いて読めば、
それは占いかおみくじのようでもある。
ユーモアのある言葉の中でそれぞれの人はみな、存在の岐路に立っている。
──友田とん
(書評「都市で暮らし、行き交う人びとに言葉遊びで想像を膨らませる」より)
目次
人
よく考える人
望ましい人
凍りつく人
待つ人
持つ人
落ちた人
読む人
いい人
昔の人
都会人
手を離す
決心した人
散歩する人
よろける人
一流学
偉い人
恋人
凝視する人
行ってきた人
線を引く人
オレンジ色の少年
猶予する人
一九五八年戌年生まれ
計算する人
無人工場
三十歳
うるさい顔
糸車は元来、文来
三回言う人
あと一歩
人
付録
しない
水滴効果
解説 言葉遊びで描く喜びと悲しみ
前書きなど
詩人の言葉
人に生まれて
人を理解し人を誤解しました。
人だから理解し人だから誤解しました。
人を、ついに人となりを考えるようになりました。
お父さん、お母さん、元気でいて下さい。
僕はようやく
息子になりました。
二〇一八年真夏に
版元から一言
「セレクション韓・詩」は、韓国語で紡がれた同時代の詩のことばを贈るシリーズです。
関連リンク
【書評】都市で暮らし、行き交う人びとに言葉遊びで想像を膨らませる
評・友田とん(代わりに読む人)
上記内容は本書刊行時のものです。