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やさしい神さまのお話
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2020年9月1日
- 書店発売日
- 2020年8月24日
- 登録日
- 2020年7月21日
- 最終更新日
- 2020年9月13日
紹介
なにを見ても、そのむこうに神さまがすけて見える人、
その人は神さまを知った人ですが、
なにを見てもその前に神さまが立ちふさがって見える人のほうがさらに上です。
~本文より~
もっとも読みやすい日本語で書かれた、もっとも深いイスラームの神さまのお話。
一語ずつ、ゆっくり味わいながら、お読みください。
「本書は12世紀シリアで活躍したスーフィー詩人アルスラーンの『タウヒードの書』を、イスラーム研究者であり、ご自身もイスラーム教徒であった中田香織さんが易しい日本語に書き起こして解説した神学書です。(略)『タウヒードの書』は800年以上前に書かれた古典でありながらも、そのメッセージは決して色褪せることはなく、現代社会に生きる私たちのほうが本書をより必要としているようにも思えます。」(序文・山本直輝)
目次
序文 山本直輝
やさしい神さまのお話 中田香織
(一)神さまはひとり
(二)創造主
(三)「私がいる」という思い込み
(四)他人からじぶんを解放すること
(五)じぶんからぬけだすこと
(六)欲望のとりこ、おこないのとりこ
(七)敬虔さのとりこ
(八)神さまはいつもいっしょ
(九)信仰
(一〇)変容
(一一)神さまの命令を守ること
(一二)神さまのしんじつ
(一三)時と場をこえた神さま
(一四)おきて
(一五)おきてとしんじつ
(一六)知識を求めること
(一七)努力の人と恵みの人
(一八)神さまに至る道
(一九)理性による迷い
(二〇)欲望による迷い
(二一)神さまの英知にたよること
(二二)神さまを知った人
(二三)神さまのしるし
(二四)神さまを求める人
(二五)神さまから求められる人
(二六)目撃者となること
(二七)神さまそのものによって支えられること
(二八)神さまの命令によって立つことと、神さまによって立つこと
(二九)忍耐
(三〇)神さまの命令
(三一)満足、そしてされるがままに
(三二)知識と行為
(三三)行為と知識
(三四)学んでえた知識と与えられた知識
(三五)じぶんじしんを知ること
(三六)神さまに至る六つの道
(三七)愛すること、愛されること
(三八)正しい人、心ある人
(三九)タウヒードの完成
(四〇)心の人
(四一)死ぬ前に死ぬこと
(四二)確信の人と信仰の人、そして、その心にゆらぎが生じるとき
(四三)確信の人と信仰の人
(四四)天使たちがアーダムへの跪拝の向こうに見ていたもの
(四五)見えないままに神さまを信じる人
(四六)愛の人
(四七)知識とおこない、愛、そして、真知
(四八)不在という存在
(四九)神さまをおそれ、神さまを愛し、神さまを知り、そして、ついには神さまにおいて消滅すること
(五〇)神さまの愛
(五一)神さまを愛すること
(五二)つらいときに泣くこと
(五三)神さまによって悲しみ、神さまによって喜ぶこと
(五四)愛する人のことば
(五五)神さまに愛された人
(五六)愛の人と崇拝行為の人(その一)
(五七)愛の人と崇拝行為の人(その二)
(五八)愛の人と崇拝行為の人(その三)
(五九)神さまを見ること
(六〇)神さまのしもべとなること
(六一)神さまのおきては神さまがともにおられることのしるし
(六二)ほんとうの行為者
(六三)愛
(六四)すべての動きは神さまのもの
(六五)神さまに仕える人、神さまのためにがまんする人、しんじつの人
(六六)神さまを知った人
(六七)神さまと親しくなった人
(六八)神さまにむちゅうになること
(六九)望みを消すこと
(七〇)神さまによって明かされた神さまの唯一性
(七一)ただ神さまになされるがままにあること
(七二)神さまによって神さまに近づくこと
(七三)神さまから命令と禁止を負わされる人
(七四)神さまに仕える喜び
(七五)神さまに近づく
(七六)ご命令の一振り
(七七)すべてはひとつのご命令、ひとつの息吹から
(七八)行為の人、恩寵の人
(七九)「じぶんの行為」
(八〇)静止すること
(八一)「アッラーのほかに神はないことを知れ、そして、おまえの罪の赦しを乞え」(クルアーン第四七章一九節)
(八二)隠れた多神教
(八三)振り出しに戻る
(八四)神さまのタウヒード
(八五)二重のおおい
(八六)すべては私じしん
(八七)サラーム
版元から一言
●今すぐ何かの宗教に入りたいわけではないけれど、神さまを信じている人たちにこの世界がどう見えていて、どういう感覚で日々を過ごしているのかは知ってみたい。
生まれてから今まで、特定の宗教を信じたことが一度もなく、まわりのほとんどの人もそう、という環境で生きてきました。観光地でお寺や神社に行くとお参りはするし、ここぞというときに「神さま、力を!」と思ったこともありますが、その神さまというのは自分にとってものすごくあやふやなイメージで、なんとなく天の上らへんにいるナニか?くらいの感じで、そもそもそのことについてまともに考えたことすらありませんでした。
でも、そんな私でも最近は、神さまを信じている人の心の強さ、に憧れることがあります。特にSNSや日々のニュースを見て、目先の損得しか考えない、自分たちだけ良ければそれでいい、今はいなくなってしまった先達たちや将来生まれてくる子どもたちへの想像力を欠いた人たち、この国はそんな人だらけになってしまったんじゃないか? と思えてしまったような日には特に。
この、昔だったら「お天道様が見ている」という言い方をしたような、《もうひとつ別の物差し》があるといいのにな、と思うこの感覚、わかってもらえるでしょうか? この感覚を大原扁理さんは「お金に人格があると思って、お金に恥ずかしくないように生きる」(『なるべく働きたくない人のためのお金の話』)と言い、将基面貴巳さんは「それのためになら死んでもいいと思える《人の世を超えた何か》を考えてください」(『日本国民のための愛国の教科書』)と言いました。
百万年書房の刊行書籍は、これまでもそういうメッセージを持つ内容が多かったのですが、その中でもこの『やさしい神さまのお話』はそのものずばり神学書、つまり神さまについての解説書です。
もともとは、12世紀シリアで活躍したスーフィー詩人アルスラーンの『タウヒードの書』を、イスラーム教徒であった中田香織さんがやさしい日本語に書き起こして解説したもので、2008年に限定100部で出版されたものでした(ちなみにですが、中田香織さんは、本書監修者でありイスラーム法学者・中田考さんの妻だった方で、本書訳出後の2008年8月にご逝去なさっています)。それを今回あらたに新装改訂し、序文の解説を山本直輝さんに書き下ろしていただいたものが本書になります。
序文で、山本直輝さんはこうおっしゃっています。
「神さまを考えるとは、徹底的に人間について考えることに他なりません。『タウヒードの書』は800年以上前に書かれた古典でありながらも、そのメッセージは決して色褪せることはなく、現代社会に生きる私たちのほうが本書をより必要としているようにも思えます」
本当にそのとおり。この『やさしい神さまのお話』の中には、コロナ禍で先が見えない毎日を過ごす私たちにとって、必要なメッセージが書かれています。
私自身もイスラームに帰依しているわけではありませんが、本書がひとりでも多くの人に読まれれば、この社会が少しでも生きやすくなるんじゃないかと思って、本書の出版を決めました。
あなたがイスラームを信じる人であってもいいし、信じない人であってもいいんです。今の生活の中で、あなたにとって響く言葉がきっといくつか見つかるはずです。
「私たちはだれも、気がついた時にはこの世にいます。何のためだかよくわかりません。なんでこんな顔をして、なんでこんな頭をして、なんでこんな性格なのかわかりません。でも、いるということは、神さまが、それでいいんだよ、そのなりでそこにいたらいいんだよ、と許可証を出してくれているということです。それはつまり愛のしるしです。神さまが私を愛しているというしるしなのです。だから、いるひつようのない人とか、まちがってそこにいる人とかはひとりもいません。許可証には「いついつまで有効」という期限があって、その期限がきたら許可証は神さまに返さなければなりません。でも、その時まではだれにえんりょすることもなく、いばってそこにいたらいいのです。」(2・創造主より)
長く愛されて繰り返し読んでいただけるよう、内容に合わせて装幀にもこだわりました。
本文2色印刷、仮フランス製本、やや小ぶりなサイズ感の鈴木成一デザイン室による美麗なブックデザインです。ご自宅の本棚の、手に取りやすい場所に置いて、一語ずつ、ゆっくり味わいながらお読みください。
きっと一生のうち何度も読み返す本になることと思います。
北尾修一(百万年書房)
上記内容は本書刊行時のものです。