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カメスケのかわいい水辺の生き物
巻次:2
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2024年7月7日
- 書店発売日
- 2024年7月18日
- 登録日
- 2024年7月5日
- 最終更新日
- 2024年8月23日
紹介
「泥の干潟と濁った海水が育む生き物たち。その魅力を伝えたい」鹿児島大学名誉教授・佐藤正典先生推薦
名物現役大学生名誉館長カメスケ君がピックアップした、有明海の水辺の珍しい生き物(汽水・海水魚34種、甲殻類・その他14種、貝類・鳥類18種)を、イラストと写真で分かりやすく紹介! 生き物の特徴や見分け方、生態、名前にまつわる話や絶滅危惧種や外来種などのレッドリストまで楽しく学べます。フィールドワークのお供にもどうぞ!【大好評絵図鑑シリーズの2巻】
目次
はじめに
やながわ有明海水族館について
水先案内人紹介/この本の読み方とカテゴリーバーの見方/生育環境・魚道
Ⅰ 水辺の生き物たち
汽水・海水魚
甲殻類・その他
貝類・鳥類
Ⅱ 読み物
ワケノシンノスを食べてみた
“豊饒の海”有明海:小さな水族館と泥の海[亀井祐介]
有明海だけに生き残っている生き物たち[佐藤正典]
内水面の遊漁のルール
くもで網漁
カメスケのおすすめ水族館
おわりに
索 引
前書きなど
「はじめに」より
■未知なる“推し”を探せ!!
みなさんこんにちは! やながわ有明海水族館で3年間館長をしていました亀井裕介です。現在は名誉館長になりました。好評につきということで、絵図鑑の第2弾を出版することができました! とても嬉しく思います。応援いただいた皆様、本当にありがとうございます。
さて、前回の絵図鑑と異なり、今回は有明海の干潟にテーマを絞って種類を選びました。有明海は“泥干潟の海”で、日本の干潟の40%が有明海にあると言われています。時には地平線が見えるほどの広大な干潟が広がる海です。そんな有明海にはかつて海水面が今より100m以上低い時代に大陸から渡ってきて、今や日本には有明海にしか生息していない“大陸遺存種”と呼ばれる一風変わった生き物たちも暮らしています。干潟を飛び跳ねるムツゴロウや、エイリアンのような見た目のワラスボなど、個性的で魅力的な生き物たちだらけです! 他にも、干潟という海と“スキマ”の環境にはとても多くのユニークな生き物が暮らしています。ナマコに寄生する巻貝、生きた巻貝の殻で生活するイソギンチャク、1mmくらいの巻貝などなど、そんな見ていて楽しくなる干潟の生き物は残念ながらあまり注目されていません。
今回の本はそんな生き物たちを中心に、有明海や干潟の生き物の魅力が伝わるように頑張って描きました。この本を読んでみなさんなりの“推し”を見つけていただいたら嬉しいです。
[やながわ有明海水族館名誉館長 亀井裕介]
■若者たちが自らと有明海の生き物を育む場に
やながわ有明海水族館は、故近藤潤三さん(元筑後中部魚市場長)のご遺志を受け継いで2016年秋にリニューアルオープンしました。そこに至る最初のきっかけは、2010年10月に柳川で開催した第1回有明海再生シンポジウムでした。当初は、有明海の再生方向について意見が異なりましたが、ずっと私たち(水族館を下支えするNPO法人SPERA森里海)の行動を見守って下さった近藤さんが、最後には、「有明海の再生を託せるのはあんた達だけだ。若者が中心になって活用してくれるなら、施設をお貸しする」と明言され、引き継ぐことになりました。水族館の名前に「有明海」をつけたのにはこのような背景があります。
この水族館は、水槽に有明海や掘割の生き物を展示して皆さんに見ていただくだけでなく、それにかかわる小学生から新進の大学生まで、若い世代が刺激し合いながら、自らを育む貴重な場にもなっていると思われます。
その若者の代表としての前館長亀井裕介君が主役となり、ユニークな 「カメスケのかわいい水辺の生き物」が企画され、ここにその2が誕生することになりました。有明海の水辺に生きるユニークで貴重な生き物たちの紹介です。有明海の再生は簡単なことではありませんが、身近な水辺の生き物への関心から始まると思います。有明海は、“宝の海”とまで呼ばれ、日本ではこの海にしか生息しない貴重な生き物が人知れず命をつないでいます。絶滅危惧種をこのままにしては、私たちも絶滅の道を歩むことになります。本書が、有明海の身近な水辺と生き物への関心を高めてくれることを願っています。
[京都大学名誉教授 田中 克]
上記内容は本書刊行時のものです。