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パリ・左岸 深夜の客
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2020年12月18日
- 書店発売日
- 2020年12月18日
- 登録日
- 2020年11月11日
- 最終更新日
- 2020年12月19日
書評掲載情報
2021-03-27 |
図書新聞
3489号 評者: 野崎 歓 |
2021-02-06 | 信濃毎日新聞 |
2021-01-28 |
日刊ゲンダイ
夕刊 1月28日号 評者: GRAPHIC |
2021-01-26 | 琉球新報 |
2021-01-26 | 沖縄タイムス |
2021-01-24 | 秋田魁新報 |
2021-01-23 | 福島民友 |
2021-01-23 | 山陰中央新報 |
2021-01-19 | 山陽新聞 |
2021-01-15 | 南日本新聞 |
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紹介
ヘミングウェイも常連だった、モンパルナスにある創業1923年のカフェ・セレクト。1972年から撮り貯められたセレクトの四半世紀。
●
1972年から10年間をパリはモンパルナスに住んだ。帰国したあとも、年に3~4回はパリ通いを続けた。セレクトにはヘミングウェイなどのアメリカ人がよく通っていたという。死後に発表された『移動祝祭日』にはこう書かれている。
――もしきみが幸運にも青年時代にパリに住んだとすれば、きみが残りの人生をどこで過そうともパリはきみについてまわる。なぜならパリは移動祝祭日だからだ。
70年代のカフェ・セレクトの夜は、モンパルナスの灯の華やかさが残る唯一の世界だった。大学教授や作家など眼光鋭い客たちから発散される恐ろしいほど濃密な空気がセレクトには満ちていた。撮る怖さと撮れた喜びの緊迫した日々が懐かしい。まだ余り豊かとはいえない日本から来た若い男が、毎夜カメラを膝の間に、爛熟したパリの夜の移ろいに呑み込まれまいと目ばかりギラギラさせていた(序文より)。
●
セレクトに出入りする客たちたちだけで構成される写真集。ヴィンテージ写真のような趣あるモノクロ写真は、1970年代のパリのカフェを記録した写真としても稀有なものだ。
目次
[収録エッセイ]
深夜の客(初沢克利)
カフェ・セレクトと私(初沢克利)
前書きなど
船体は、ゆっくりと横浜港を離れた。
ナホトカを経て、シベリア鉄道はハバロフスクから永遠と思えるほどの旅を続け、
そして最後に私はパリにたどり着いた。1972年2月のパリだった。
それから10年の間、私はパリにあった。それもモンパルナスに住み続けた。
この写真集は、パリで撮り貯めた写真から成っている。
それは単なるパリではない。そのほとんどが、パリの極く一部のモンパルナスにある
セレクトという名のカフェで撮影されたものだ。
本書序文より
版元から一言
初沢克利は、日本はもとよりパリでも活躍し、名を馳せた写真家です。その初沢が、1972年にモンパルナスに住み始めてからの10年間、そして、帰国後もパリに通い、四半世紀にわたって撮り貯めた写真の中から、65点を選んで構成したのが本書です。
写真はすべてモノクロ。その一枚一枚が、人と人との演出者なきドラマであり、数限りなくシャッターチャンスを取り逃がした結果に射止めた希少な一枚です。ページをめくっていくと、ピアニストのフジコ・ヘミングやフランスの映画監督フィリップ・ガレルがさりげなく登場したりして、まさにこの写真集でしか味わえない世界が構築されています。
印刷前の色校正の場は、写真家との激闘の場となりました。
「この写真のスミ色の出方がしっくりこない」(写真家)
「そこをいじると他のページのスミの部分も濃くなってしまいますから」(印刷会社)
「もうキリがないよ。いっそのこと出版やめましょうか」(出版社)
などと喧々諤々。最後は印刷の限界を理解してもらったものの、あわやというスリル満点の数時間でした。
上記内容は本書刊行時のものです。