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第四の耳で聴く
集団精神療法における無意識ダイナミクス
原書: Listening with the Fourth Ear
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2021年11月20日
- 書店発売日
- 2021年11月30日
- 登録日
- 2021年8月20日
- 最終更新日
- 2021年11月15日
紹介
①クライエントの声を聴く「第1の耳」
②セラピスト自身の心の声を聴く「第2の耳」
③精神分析プロセスから響く声を聴く「第3の耳」
こうした複層的な聴き方を踏まえて本書で提唱されるのが、
“グループ”の声に耳を澄ます「第4の耳」です。
――本書では、“集団”のなかで繰り広げられる力動を、
実際のサイコセラピー場面を描き出しながら、臨床的な捉え方やエッセンスを紹介します。
あらゆる「対人援助」におけるグループ的な局面で押さえておきたい要諦を、
こころの深い層から眺めわたした“総合”ハンドブック。
目次
〇 序 章
小グループの力動/精神力動的と精神分析的/ビオンと彼を越えるもの
【第I部 歴史的な展望】
〇 第1章 アメリカとイギリスの視点
アメリカの状況/英国の状況/最新の状況/まとめ
〇 第2章 グループ中心モデルの多様性
先駆的貢献/共通のグループ緊張/コミュニケーション・マトリックス/グループの焦点化された葛藤/最近のグループ中心理論/システム中心理論/対象関係モデル/第四の基底的想定/全体としてのグループ理論/自己心理学的アプローチ/統合装置としてのコンテイナー/まとめ
〇 第3章 グループ中心理論への批判
対人関係モデル/仲間相互作用/後期の見解/貢献/グループアナリシス/相互に関連のある三つのシステムモデル/関係性心理学/グループの統合機能理論/まとめ
〇 第4章 メニンガークリニックにおける集団精神療法の40年
1950-60年代におけるグループ治療に対する精神分析の優越的態度/黎明期/初期段階/我々の救世主の到来/教育と訓練/60年代における成長への苦しみ/アメリカ集団精神療法学会と我々の関係/グループ・リレーションズ・カンファレンス/病院グループの成長/集団精神療法ワークショップ/まとめ
【第II部 理論的な検討】
〇 第5章 治療グループと体験グループにおける転移
Tグループの訓練者の役割/モデルとしての訓練者/訓練者がメンバーの一員としての立場に近く影響/治療グループにおける洞察と訓練グループにおけるフィードバックの対比/まとめ
〇 第6章 帰納的なグループ中心アプローチ
グループ中心アプローチ/全体論的なアプローチへの根拠のない反論/タヴィストックEzriel 方式についての批判/帰納的なグループ中心アプローチ/ケースの例示/まとめ
〇 第7章 グループにおける投影同一化
自己への影響/外的対象への影響/グループ力動の三徴候/グループ行動の説明に役立つ実例/力動的な解釈に向けて/まとめ
〇 第8章 精神療法グループにおける転移の深さ
歴史的背景/グループにおける機能レベル/転移の希釈を促進する要因/転移の強化を促す要因/まとめ
【第III部 臨床実践について】
〇 第9章 統合されたグループ中心アプローチ
グループセッションの例/結論/まとめ
〇 第10章 自己障害患者グループの選択基準
治療の脈絡/グループの特性を促進すること/禁忌を示す患者の特徴/グループ治療に適応可能性のある患者特性/まとめ
〇 第11章 境界例患者の集団精神療法
同質グループと混合グループ/個人療法との併用もしくはコンバインドセラピー/支持的技法-対-表出的技法/適切な患者/転移の希釈/活性化/情緒的満足/敵意の表出/複合的同一化/性格の鎧の修正/逆転移の希釈/支持的方法/直面化/覆いを取ることと解釈/技法における研究の展望/まとめ
〇 第12章 自己愛患者のグループ療法
若干の診断学的考察/付加的援助/連続する集団療法と個人療法/原始的願望の強さ/性愛化/過剰な理想化と脱価値化/自己愛的憤怒/脆弱な自尊心/自己愛的で摩擦を起こしがちな行動を減らすこと/自己心理学の展望/新しい表象の内在化/困難と機会/まとめ
〇 第13章 自己愛患者の治療
治療プロセス/討論
〇 第14章 グループにおける自己
精神分析理論における自己/セラピーグループにおける自己/症例
〇 第15章 グループにおける自己愛的リーダーシップ
文献での再考/病理的自己愛の徴候/治療者の良性自己愛の徴候/我々の自己愛に対処すること/まとめ
【第IV部 実践にむけてのトレーニング】
〇 第16章 組織体内の訓練プログラム
集団精神療法とその他の治療グループ/施設の姿勢/訓練の原則/理想的な一連の訓練/体験グループ/訓練の問題点/今後のプログラム
〇 第17章 精神保健専門家のための訓練グループ
体験グループ実施中の出来事/リーダーの方向性と技法/訓練グループの成果/まとめ
〇 第18章 精神保健専門家のためのワークショップモデル
ワークショップの理論的根拠/精神療法グループ/治療討論/教育的グループ/スタッフ・フィッシュボール/描画によるまとめ/カンファレンス討議/まとめ
〇 第19章 こころ弾む機会を前に
〇 終 章 全体としてのグループモデルの価値
「全体としてのグループ」の多くの使用法/対人関係モデル/修正された現代タヴィストックモデル/二つの方法の比較と対照/調査研究/結論
監訳者の言葉 (権 成鉉)
監修者あとがき (髙橋哲郎)
前書きなど
【監修者あとがき】より
「全体としての集団」あるいは「集団中心」の接近を、ホーウィッツ博士は、集団精神療法の誕生と発展という大きな流れのなかで掴まえる。……個人中心、人間関係中心、そして集団中心の集団精神療法へと辿り解説するので、分かり易い。
……読者はこのような眺望の下で、みずからがおこなっている集団精神療法を捉え直すことができるので、より効果的なセラピスト・研究者として、クライエントのため……功献することができるであろう。
版元から一言
人間のこころというものは…
「何らかのグループに属している」
という意識あるいは潜在意識なしには存在しない
関連リンク
ahref="https://kaiin.hanmoto.com/bd/isbn/9784909862211"精神分析の再発見"/a
上記内容は本書刊行時のものです。