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箱庭ものがたり
こころの綴りかた教室
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2020年1月23日
- 書店発売日
- 2020年2月5日
- 登録日
- 2019年11月26日
- 最終更新日
- 2020年2月18日
紹介
わたしたちは知らずと、周りに「適応」し「競争」し、常に「上昇」することを求められていないでしょうか? 他人と比べて焦ったり落ち込んだり、人間関係のストレスも。孤独は寂しいけれど、人と居ると息が詰まって「どこかへ逃げ出したくなる」……。
誰しも、「これがわたしの望んだ生活? わたしらしい生き方?」と、こころに“渇き”や“疑問”を覚えることがあります。そんな日々に耐え続けると、心身が悲鳴を上げます。うつ状態になったり、からだが不調になったり……。
「溢れそうな思いをよくわかってくれる人に聴いてほしい」「気持を整理したい」といった思いも、多くの人が抱いているのではないでしょうか。そのような思いに応えた本書は、自分だけの“こころの井戸掘り”に親しんで頂くための、ささやかな試みです。
この本で紹介する《箱庭ものがたり》ワークでは、両腕で抱えられる程の木枠の「砂場」で、森や海や動物の“いのち”と交歓するなか、自然と“こころとからだ”が語りあいます。普段は胸に届かない「声」が受けとめられて、わたしだけのファンタジーが紡ぎだされます。
目次
はじまりの章 箱庭ものがたりの誕生
はじまりの始まり/抒情の力/内面の秘密を語る
【こころの井戸を掘る】
第一章 うしなうことを巡って
喪の語りと詩歌/翔の感じていたこと/見守り手の眼差
第二章 つながりをつくる旅
旅のはじまり/前川氏の感じていたこと/見守り手の眼差
第三章 道はつづく
気づいていない何か/茜さんの感じていたこと/見守り手の眼差
【わたしとのダイアローグ】
第四章 穏やかに、静かに
内なるつながり/理香子さんの感じていたこと/見守り手の眼差
第五章 わたしという物語
わたしだった私/冬美さんの感じていたこと/見守り手の眼差/五年後の冬美さん
第六章 旅のふかまり
かさなる対話
おしまいの章 箱庭ものがたり物語
ものがたり研究/研究ものがたり/クライエントのものがたり/
これからの箱庭ものがたり/ものがたりに惹かれて
前書きなど
現代社会に生きるわたしたちは、学校でも職場においても、周囲にうまく「適応」し、しかも負けないように「競争」し、常に「上昇」することを強いられているような気がしませんか? 「他人は他人、自分は自分」と、頭ではわかっていても、つい比べてしまい、焦ったり落ち込んだりするのは、人間の業かもしれません。
職場ではIT革命によって、仕事が楽になるどころかますますハードになっていきます。それに輪をかけて人間関係のストレスがのしかかってきます。「仕事が忙しいから、人間関係がギクシャクする」のではなく、「暇があれば、人間関係の比重が増してギクシャクする」というのが、哀しいけれども現実ではないでしょうか……。
人間関係が無いのは「寂しくて耐えがたい」けれど、人間関係のなかで息が詰まり「どこかへ逃げ出したくなる」ことも珍しくありません。そんな日常のなかで誰しも、「これがほんとうに自分の望んだ生活?」「これが自分らしい生き方?」と、こころに“渇き”や“疑問”を覚えることがあります。そんな日々に耐え続けると、心身が悲鳴を上げ、うつ状態になったり、からだが不調になったり、お酒やギャンブルに溺れることも決して稀ではありません。
「溢れそうになっている思いをよくわかってくれる他者に聴いてもらいたい」「自分の気持を整理したい」といったニーズも、多くの人が共有する思いではないでしょうか。
そのような思いに応える道は、多種多様、たくさん存在しています。この本は、そんな"こころの井戸掘り"に皆様が親しんでくださるための、ささやかな試みです。
版元から一言
心理カウンセリングや「教育・福祉・医療」分野で活躍している《箱庭(はこにわ)療法》(60×70cm四方の木枠〔内側は青色〕にサラサラの砂を敷き詰めて、そこに、沢山のなかから選んだ人形を置いていって、こころのシーンやストーリーを展開する技法)は、
サンドプレイ(砂遊び)セラピーとして諸外国で重用され、日本でも心理療法や「こころのケアの現場でのコミュニケーション・ツール」として定評を得て、浸透してきました。
その伝統ある《箱庭》を、心理療法としての位置づけから広げ、一般的に展開させる試みが本書です。くわえて斬新なのは、砂の上にフィギュアを置くという造形に「おはなし」を添えることで、つくり手の「ファンタジー」がさらに豊かに表現される点です。
この《箱庭-物語法》もじつは長く実践・研究されてきたものですが、本書では、この「おとなの砂遊び」をもっと、誰もがアクセスできるワークとして知られることを目指します。ストレスの絶えない日々の生活に潤いをもたらす「こころの井戸掘り」体験を、六つの実例とともに易しく紹介するこの本を、ぜひ広く手にとって頂きたく思います。
上記内容は本書刊行時のものです。