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新訳うたたね
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年2月28日
- 書店発売日
- 2023年2月28日
- 登録日
- 2023年2月2日
- 最終更新日
- 2023年6月9日
紹介
NHKラジオ第2放送で、2023年4月から再び「古典講読・日記文学をよむ」を担当予定。
『源氏物語』の文化から生まれた名作日記を、確かな研究に導かれたわかりやすい訳で読む。
初恋、そして失恋から出家し、旅の日々を送る……鎌倉時代に生きた貴族女性「阿仏尼」(あぶつに)が十代での体験をつぶさに語る『うたたね』は、日記文学の核心を現代人につきつける。
【好評既刊】
新訳紫式部日記(定価2,640円、2022年2月刊)
新訳蜻蛉日記上巻(定価1,980円、2021年5月刊)
新訳和泉式部日記(定価1,870円、2020年10月刊)
新訳更級日記(定価1,980円、2020年3月刊)
目次
はじめに 『うたたね』への誘い
【Ⅰ】北山を出奔 ある恋の終わり
0 標題と作者
1 私は、忘れられた女
2 私は、待つ女
3 太秦詣でと法金剛院の紅葉
4 あの人からの来信
5 夕暮れの訪れと、暁の別れ
6 あの人の正妻の死去
7 あの人は、私の「光る君」
8 恋の道と、仏の道と
9 出家の決意
10 出家の前に、あの人からの手紙を読み返す
11 自ら、髪の毛を切り落とす
12 逡巡しつつも、屋敷を逃れ出る
13 道に迷い、行き暮れる
14 松の木の下で、救いの手が
【Ⅱ】西山と東山での日々 籠もりの果てに
15 出家を遂げる
16 心に沁みる鈴の音
17 あの人への複雑な感情
18 洪水の記憶
19 呉竹の風
20 思い切って、あの人へ手紙を出す
21 尼寺から愛宕に移る
22 十六夜の月
23 笛の音に、あの人を思う
24 北山の麓の屋敷に戻る
25 悲しみは尽きない
【Ⅲ】東下りと帰京 ある旅の記録
26 海道下りを思い立つ
27 近江の野路で雨に降られる
28 美濃・尾張の境にある墨俣の渡り
29 尾張の鳴海
30 三河の八橋
31 遠江の浜名
32 目指す目的地に辿り着く
33 富士山が見える日々
34 帰京を決意する
35 帰路、不破の関で
36 近江の鏡山
37 都を目前にして
38 乳母との再会
39 この日記の結びに
あとがき
前書きなど
「『源氏物語』は、二百年後の読者にとっては、言葉も時代背景も、紫式部が理解の前提としていた和漢の膨大な教養も、注釈書の助け無しには読めなくなっていた。研究的な注釈書に導かれなければ、『源氏物語』を耽読し、一流の文学者・文化人に成長してゆくことはできなくなっていた。そして、この時代に、女性として、その達成を遂げたほとんど最初の文学者が、阿仏尼(あぶつに)だった。この作品は、「中世日記紀行文学」というジャンルに含まれるが、『更級日記』と同様に『源氏物語』の強い影響下にある。つまり、「源氏文化」が生み出した初期の名作なのである。」(本書より一部抜粋)
上記内容は本書刊行時のものです。