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花鳥の使
歌の道の詩学
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年3月30日
- 書店発売日
- 2023年3月25日
- 登録日
- 2023年2月15日
- 最終更新日
- 2023年8月30日
紹介
俊成、定家、宣長などの歌論を日本人論として繙く。
名著、待望の新訂版!
本書は、勁草書房版(1983年刊)のその後の不備を訂し、松岡正剛氏の的確な解説と、「『セレクション版』のためのあとがき」を収録した決定版です。
「颯爽たる一冊だった。「あや」をもって言葉をつかうとは。……見えていないものを見えさせる。この見方が秀抜だった。」(松岡正剛氏)
目次
Ⅰ 和歌のあや―序説に代えて―
序 二つの詞―ただの詞とあや―
1 二つの意味―こころとことはり―
2 二つの付託法―比と興―
3 三つの曖昧化
(1)統辞の異常 (2)多義性 (3)引用
結び
Ⅱ 心と物―紀貫之―
序
1 状況―和歌の没落と復権―
2 方略―中国詩論との離別―
3 本質規定―和歌現象の自律性―
4 形式規定―修辞の要求―
5 様式分類―六つの歌のさま―
6 和歌の標準―思いと付託―
結び
Ⅲ 世界を生む言葉
歌の道の自覚―藤原俊成―
1 時代思潮
2 歌の道
3 語りえぬものの伝承
4 虚構と現実
5 作品の自立性
6 俊成歌論の位置
物狂への道―藤原定家―
序 数寄と道
1 継承と創造
2 空なる和歌
3 幽玄体
4 有心体
結び
Ⅳ 不思議界の陀羅尼
「あはれ」と「艶」―心敬Ⅰ―
序
1 幻の程のよしあし
2 無常とあはれ
3 えんふかきことはり
冷えたる世界―心敬Ⅱ―
序 花紅葉と氷
1 心のあり方
2 詞の構成
3 世界の見え方
結び
Ⅴ 世外の道
「物のあはれをしる」事―本居宣長―
序 宣長と歌論
1 「実用」と「あだ事」
2 「事の心」と「事の意」
3 「触るる」と「をしはかる」
4 「物のあはれを知る」道
結び
言葉に宿る神―富士谷御杖―
序
1 人道と神道
2 神道と歌道
3 直言と倒語
4 表裏境神
結び
あとがき〔勁草書房版〕
解説……松岡正剛
『セレクション版』のためのあとがき……尼ヶ﨑彬
前書きなど
松岡正剛氏「解説」より
「古代語の「あや」とは文であって綾であり、またあやかしであってあやかりである。……中世人にとっては道理や条理の理ですら「あや」だった。
その「あや」をもって言葉をつかうとは、そこに見えてはいないものやことをあらわす作用を発するということである。見えないから見えさせる。それが和歌の動向になる。この見方が秀抜だった。」
上記内容は本書刊行時のものです。