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魂を癒すグループホーム 中村すみれ(著) - アセンド・ラピス
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魂を癒すグループホーム (タマシイヲイヤスグループホーム) カルマヨーガで築く、いのちを包む永住の家 (カルマヨーガデキヅクイノチヲツツムエイジュウノイエ)

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四六判
縦188mm 横128mm 厚さ16mm
重さ 25g
240ページ
並製
価格 1,600 円+税   1,760 円(税込)
ISBN
978-4-909489-11-1   COPY
ISBN 13
9784909489111   COPY
ISBN 10h
4-909489-11-8   COPY
ISBN 10
4909489118   COPY
出版者記号
909489   COPY
Cコード
C0010  
0:一般 0:単行本 10:哲学
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2025年7月10日
書店発売日
登録日
2025年5月7日
最終更新日
2025年6月17日
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紹介

カルマヨーガで築く、“魂が癒される”グループホーム――。

長年、ヨガと祈りを実践してきた女性(ヨギーニ)が、ある日「障害者が安心して暮らせる“永住の家”をつくりたい」と思い立ち、お金も知識も経験もないまま、福祉の世界へ飛び込みました。

グループホーム「てんとう虫」が、“魂の居場所”として形になるまでの道のりは、決して平坦ではありませんでした。
ヘルパーとして現場に立ち、事業計画をつくり、フルローンで物件を手に入れ、スタッフを採用し、精神病院に営業をかけ、体験入居を受け入れ、そして日々起こる“事件”に対応する――。
ひとつひとつの出来事は、グループホームの形を作るためには欠かせない要素ですが、何より大切なのは、「その場所で何をするのか」という"目的"でした。

障害のある人もない人も、みんなが人生の仲間として、あるがままを受け入れ、学び合い、支え合う。
本書は、そんな“魂の学びの場”を模索し続けた、実践の記録です。

福祉に関わる方、グループホームの設立を志す方、そして日々の仕事や人間関係に「魂の意味」を見出したいすべての方へ―― きっと心に深く響く一冊です。

目次

◉はじめに

◉1章 永住の家を求めて ― 住み慣れた街で本当の自分を生きる
⬜︎1グループホーム:寝たきりの少女の夢/日本には障害者の居場所がない/増えてきたグループホーム/障害者が地元に住むには ⬜︎2特別支援学級:知的障害者は特別支援学級に行く/知的障害者の進学と就職 ⬜︎3身体が不自由な人:女の子は天に召された/障害者の子を持つ親は本当に大変 ⬜︎4病識のない障害者:精神に障害を持つということ/精神病は生まれつきではない/精神病は父の家系に出ていた/父は母に暴力をふるった/この場所に導かれていた ⬜︎5賃貸業と人生相談:相続争いでお金の知識を身につける/人生相談のアドバイスをするようになる/判断のよりどころは宇宙の法則

◉2章 体を張った支援 ― 揺さぶられる現場で心を保つ
⬜︎1時計にこだわる男性:時計が壊れた自閉症の男性/お母さんにはいつものこと/一つのことへの異常なこだわり/早めに回避する対応が必要 ⬜︎2脱走する青年:知らないうちにいなくなる/だましだまし連れ帰る/お風呂から出てこない ⬜︎3妄想癖のある人:妄想の被害を訴える入居者/警察を呼ばない決断 ⬜︎4オーバードーズ(大量服薬)をする人:入居して初めての問題/オーバードーズ(OD)してしまう/女医さんの冷たい対応/自傷させないよう監視する/翌朝には覚えていない/精神病は憑依? ⬜︎5障害者のケア:支援に必要なセンス/精神病院とグループホームの違い/支援員の仕事

◉3章 宇宙が舞台を与えた ― 「てんとう虫」誕生秘話
⬜︎1物件探し:グループホーム用の建物/偏見のあるオーナー/グループホーム専門の不動産屋/定期借家契約で事業はできない/障害者差別解消法はできたが ⬜︎2建築許可:グループホーム特有の建築制限/建築主事のお役所仕事 ⬜︎3銀行への融資申請:グループホームは給付金で収益化する/不動産融資の審査は厳しくなっている ⬜︎4理想的な物件:グループホームに最適な建物/ホテルマンが建てたシェアハウス ⬜︎5お金を借りる:フルローンで買うことを決める/二割の頭金が必要/先生に口を利いてもらう/融資担当者から諭される/無理な融資はできない/不動産屋が銀行を斡旋 ⬜︎6頭金:必要なのは一千万円/最後は値引き ⬜︎7資金繰り:最初の数ヶ月は入居者がいない/家賃の設定が返済に影響する/「てんとう虫」の家賃は安い/素晴らしい設備 ⬜︎8事業計画:概算で黒字のシミュレーションをする/生活支援員の給料/事業計画は自分で作れる/精神障害者を入れないと経営がなりたたない ⬜︎9開業に必要な資格:ヘルパー二級と支援員としての実績/チラシを配って営業する/魂レベルの願いは叶う

◉4章 真逆の経験が教えてくれた ― 障害者グループホームの本質とは
⬜︎1シェアハウスの住人たち:19歳の可愛らしい女の子/オーナーは倍の立退料を払った/できるだけ長くいたい ⬜︎2カスタマーハラスメント:雰囲気が悪くなる/始まった嫌がらせ/謝るのをやめる/繰り返されるいやがらせ/ネットワーク回線へのクレーム ⬜︎3住人同士の対立:浴室の使い方が気に入らない/嫌いな人を排除しようとする/シェアハウスはホテルではない/仲良くやりたかったのに/年末年始の出来事 ⬜︎4クレーマー:自分だけ良ければいいという思い/拝金主義に毒されてはいないか/最後の嫌がらせ/立つ鳥は後を濁した ⬜︎5シェアハウスは恐ろしい:ある男性のブログ/管理人が背負わされる十字架 ⬜︎6グループホームが始まった:スタッフを募集する/親御さんの言葉/助け合いの世界/お金や物欲とは無縁の世界 ⬜︎7グループホームは儲からない:起業を志す女性/フランチャイズの懸念点


◉5章 みんなちがって、だからいい ― 会議が変わると風通しも変わる
⬜︎1権威主義:大きな組織の問題/給与体系は秘密 ⬜︎2ルールの決め方:夕飯の献立を変えたいスタッフの不満/職員会議での采配/入居者と職員のLINE/自由を制限して良いのか/個人の事情を配慮する ⬜︎3支援の原則:プライベートな関係を作らない/距離感の取り方/最強のチーム/分かち合いの場

◉6章 判断を手放す ― 無償の愛で「今ここ」にいる
⬜︎1ヨギーニ:渦中に入らない/ヨーガの初心者だったころ/霊的なものを祓う儀式/ハートのチャクラが開いていなかった/精神的な教え ⬜︎2カルマヨーガ:ヨーガは宗教ではない/インドのエリートたちが最初にすること/起きていることをただ眺める ⬜︎3恩返しの生活:ヨギーニの生き方/支援にはカルマヨーガの精神が役に立つ

◉7章 一人の人生に寄り添う ― 魂が選んだこの現場で
⬜︎1仮病:救急車で搬送された入居者/救急救命士は見抜いている ⬜︎2ストレスへの反応:言葉に反応する/統合失調症の人は豹変する ⬜︎3措置入院:措置入院とは何か/グループホームで精神病はよくなる?/本人もお母さんも辛かった/時には冷徹に対応する/一人一人と向き合う

◉8章 「ここに帰りたい」と思える家 ― 支援を超えた絆
⬜︎1自殺企図:計算された自傷行為/警察がやってくる/頭をよぎったさまざまなこと/救急病院から精神病院へ ⬜︎2スタッフの苦悩:もう許せない/女の子の不穏な言葉/スタッフがやめると言い出す/転職先は人気の作業所/彼女からのLINE/気づかなくてごめんね ⬜︎3退去通告:苦渋の決断/希死念慮がある人は難しい/結局やめられなかった ⬜︎4すべて愛の問題 :愛せなかった親と愛されなかった娘/母親も病んでいる/愛されて育った入居者 ⬜︎5「てんとう虫」に戻りたい:18歳の女の子のその後/感謝のメッセージ/重度の障害者を受け入れる力を持ちたい

◉9章 魂が自立する場所 ― 生きることの意味を取り戻す
⬜︎1アドラー心理学:今の自分は自分が選んだ/アドラーの哲学は有言実行/縦の関係と横の関係/私自身は横のタイプ ⬜︎2精神障害者を受け入れる挑戦:精神障害者を入れないと部屋が埋まらない/手強い精神障害者/かわいそうな障害者はいない ⬜︎3魂の進化が目的:障害者が抱える人間性の弱点/加害者のほうが傷ついている/なぜ人を攻撃するのか ⬜︎4地球人の卒業試験:裁きを超える鍵は霊的な世界観/仲良くすることが一番難しい/地球で修行させてもらっている/みんな仲間なのだから

◉おわりに

前書きなど

はじめに  
 
 森と湖のある公園で「地球に感謝を!」というボランティアの仲間たちと花見遊山をしていた時のことです。満開の桜並木と、一面に咲く黄色い菜の花に見とれながら歩いていると、いきなり「写真撮っていい?」と声をかけてきた青年がいました。
 桜の木と菜の花を背景に自分を撮ってほしいのだなと思い「いいですよ」と答えると、リュックから今どき珍しい使い捨てカメラを取り出して私に向けました。
 少し後ずさりして、二度シャッターを押すとカメラをしまい、それから「何て名前?」と聞いてきます。
 「すみれって言うの。中村すみれ」と私もにっこりと、タメ口で。 
 「中村すみれ…」彼はじっと私を見つめました。私は、もう彼のことがわかってしまいました。
 彼はお礼を言わずに立ち去りました。仲間たちは不思議そうな顔で彼と私を見ています。
 私が彼らに追いつくと、「知り合い?」「写真撮ってたよね?」とみな口々に質問してきました。
 私は可笑しくなってしまい「知らない。向こうは会ったことがあるのかと考えたけれど、名前を聞いてきたから、きっと知らないんだよ」と答えました。
 「彼は、たぶん、自閉症か知的障害者かな」と言うと、仲間の一人が納得したように、「中村さんがグループホームで障害者の支援をしてるから、あの人も話しかけやすかったとか?」とするどいことを言いました。そう、正解です!
 私があの人たちを憎めない、愛してやまない存在だと思うようになったのは、障害者の支援員を数年続けた頃でした。健常者より感受性豊かで、洞察力が鋭く、素直でストレートに体当たりしてきます。嘘がなく、社交辞令もなく、本音と建前がないのは、素晴らしいことではないでしょうか。そういう彼らを尊敬しますし、そうなりたいとも思います。
 自閉症の人は、他人とコミュニケーションをとるのが苦手で、相手の感情を無視して一方的に自己主張することがあります。でも、お互いに相手が言いたいことを察していたら、一方的ではないですよね。彼が私の波長に気がついて、近づいて「やっぱり」と感じた時に、私も「やっぱり」と、彼の気持ちがわかったのです。この時、支援員になって初めて自分に合格点をもらえたようで、とても誇らしく、嬉しかったことを覚えています。
 前置きが長くなりましたが、私は今、知的障害者と精神的障害者が一緒に暮らす、「てんとう虫」というグループホームを運営しています。
 数年前までは、地域でヨガを教えている普通の主婦でした。ある時「障害者に一人暮らしをさせたい!」という思いが湧いてきて、お金も、知識も経験もないまま、グループホームを作る決意をしたのです。
 この本は、普段あまり人々の耳目に触れることのない、知的・精神障害者が住むグループホームでの出来事を綴ったエッセイです。私自身がヨギーニ(ヨガをする女性のことです)なので、スピリチュアルな視点から、障害者支援の現場を眺める場面が多くありました。
 この本では、その気づきのいくつかをお届けします。
 
               中村すみれ

版元から一言

 本書は、「カルマヨーガ」のマインドを深く身につけた、ヨガ講師歴18年のヨギーニ(女性のヨガの行者)が、グループホームを起業し日々障害者を支援する中で体験した出来事を綴ったエッセイです。

 グループホームは、障害者が地域で自立するための有効な手段の一つです。全国的にグループホームが増えることで、障害を持った子を持つ親御さんの負担が減りました。なかなか精神病院から出られない長期入院患者の方の受け皿としても、グループホームが望まれています。

 この本は、障害者グループホームを作るための最良の手引書です。事業を立ち上げるときの手続的なことだけでなく、障害者グループホームにはどんな人がいて、何が起きるのか、その場でオーナーは何をするのかという実践的な情報が得られます。

 これからグループホームの起業を目指される方、現場で知的・精神障害者の支援をされている方はもちろん、障害者の親御さんそのほか、障害者支援に興味を持たれているすべての方に広くお読みいただきたい内容です。

著者プロフィール

中村すみれ  (ナカムラスミレ)  (

マンションのオーナー業を生業とする、ヨガ講師歴18年のヨギーニ。近所の障害者の女の子の夢が一人暮らしをすることであったことから障害者支援に興味を持ち、グループホームの起業を志す。4年間の下積みのあと、自己資金200 万円で事業を始め、女性棟1棟と男性棟1棟を開設。宅地建物取引士、介護福祉士。

中村すみれ  (ナカムラスミレ)  (

マンションのオーナー業を生業とする、ヨガ講師歴18年のヨギーニ。近所の障害者の女の子の夢が一人暮らしをすることであったことから障害者支援に興味を持ち、グループホームの起業を志す。4年間の下積みのあと、自己資金200 万円で事業を始め、女性棟1棟と男性棟1棟を開設。宅地建物取引士、介護福祉士。

上記内容は本書刊行時のものです。