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英語教師は〈英語〉ができなくてもよい! 露木 康仁(著) - 静人舎
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英語教師は〈英語〉ができなくてもよい! (エイゴキョウシワエイゴガデキナクテモヨイ)

教育
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発行:静人舎
四六判
縦188mm 横128mm 厚さ17mm
重さ 310g
252ページ
並製
定価 1,500円+税
ISBN
978-4-909299-07-9   COPY
ISBN 13
9784909299079   COPY
ISBN 10h
4-909299-07-6   COPY
ISBN 10
4909299076   COPY
出版者記号
909299   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年4月25日
書店発売日
登録日
2019年4月10日
最終更新日
2019年4月27日
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紹介

「小学3年生からの英語必修化」「大学入試英語の改革」を柱とする文科省主導の英語教育大改革は、英語の“ユニクロ化”と断言してもいいでしょう。それは、観光立国・日本の国民すべてが道案内できたり、サービス業で不自由しない程度の英語を身につけましょうといったレベルのものです。それは、明治以来、連綿と続いてきた良き英語教育の伝統を破壊する愚策です。ところが残念なことに、公文式、ECCなどフランチャイズ式学習塾から大手の予備校に至るまで、文科省という“英語の大政翼賛会”に付和雷同しているのが日本の教育産業の実情です。本書は、英語塾主宰者にして、塾のブログで日々、日本の英語教育界の虚妄を撃ってやまない著者による痛烈なる逆説の書。教育を語れる新しい教育エッセイストの誕生です。

目次

英語教師は〈英語〉ができなくてもよい ──一・五流講師擁護論 ──
『英語教師は〈英語〉ができなくてもよい 』の真意 
英語教師のもつ食材と料理の腕前(力量) 
英語と自動車学校と動物園のライオン 
英語ができる生徒の生まれるルート 
学校ではそもそも、英語ができるようにはならない  
各方面からやり玉に挙げられる学校英語 
ノーベル賞受賞者と英語教育 
英語の使い手たち── 国谷・道傳・出水、伊藤・関・安河内 ── 
英語における絵画と音楽、そして恋愛と結婚 
しゃべれる英語教師になるルート 
学校英語・受験英語・予備校英語・実用英語の峻別 
非英語学科出身にこそ名英語教師あり  
英語教育と大乗仏教、そして鎌倉仏教 
英語教師の悪人正機説 
伊藤和夫と予備校英語 
伊藤和夫の功績と意義 
非僧非俗なる伊藤和夫の原風景 
名経営者から英語教育を通して伊藤和夫へ 
伊藤和夫の入試英語とはどうあるべきか論 
英語教師擁護論1 
英語教師擁護論2 

前書きなど

 世の〝ブラック職場〟とまで揶揄される公立の中学高校の英語教師にとっては、自身の語学スキルアップと生徒への教授スキルアップの両方をこなせる時間などありましょうや? それが本稿の主旨でもありますが、英語教師が自身のスキルアップに精進すればするほど、実はその英語教師は、逆説的ながら現場の生徒の英語学習メンタル(※生徒の英語への向き合う姿勢)と乖離してゆくというのが、私の主張したい点でもあるのです。(中略)
現場教師のなかで、「私は英検準1級しかない」とか「TOEIC が800点前半しか取れていない」などなど劣等感を抱き、プライベートで、商社マンやメーカー海外駐在員が駆使している、いわゆる〝使える英語〟を目指そうなどと考えている英語教師に、あえて言いたいのです。「そんな無駄な行為はおやめなさい」と。
 そんな時間があるなら、〝どのようにしたら現場の中学生が英語を前向きに学習するようになるか〟〝どうしたら、教室内の高校生が、知的で高度の英文を読めるスキル(能力)が能率的に上がるか〟ということに心を砕き、その教師独自の教材やプリント、さらには授業展開の「脚本」を作成する努力をすべきであると。
 もちろん、英文は読み書きできるでしょうが、実際に社会で活躍している商社マンや外交官のように、立て板に水のごとく丁々発止に英語がしゃべれなくてもいいのです。そんなことは所詮無理な話です。自身が〈実用英語〉など実際に使用していないものを、わざわざ教室の中で使うという目的のために、教師自身がプライベートで努力するなどというのは無駄な行為でさえあります。
(中略)
 英語教師は、英語という言語の仕組み・謎・対処法などを、あの池上彰氏のように教室内で行えばいい。英語教師は、生活や仕事に関して必要な〈実用英語〉などに自身のプライベートの時間を割くくらいなら、生徒が英語に興味をもち、英語をおもしろく感じ、英語を前向きに学ベルような、そして、英語が好きになり、さらに、大学生・社会人になっても、独力で英語のスキルアップに専念できるような英語のコア(核)を伝授できる教材やプリント作りに時間を充てるべきであるというのが私が主張したい最大のテーマでもあるのです。(中略)
 使える英語、〈実用英語〉といった〈英語〉は、所詮、英語教師が教えるものではないのです。
 したがって、英語教師は教えなくてもいい。だから、教えなくてもいい〈英語〉のために、わざわざ〝無駄な〟時間を割いてまで、自己研鑽に励む必要などないのです。よって英語教師は、〈英語〉なんてできなくてもいいと、再度強調しておきたいと思います。
 

著者プロフィール

露木 康仁  (ツユキ ヤスヒト)  (

慶應義塾大学文学部仏文科修士課程修了。
大学卒業後、某大手企業に就職するも、文学への研究熱が芽生え、大学
院に進学。大学院在学中に、研究者と教育者を天秤にかけて、後者への
情熱が湧き上がる。仏文学への未練を断ち切る。人生行路での紆余曲折
を経て、自分の原点である、「同じ轍を踏ませたくない」といった思い
から、横浜で英語科専門塾「英精塾」を立ち上げる。
自己の「受験の失敗学」に裏打ちされた大学受験塾“ 英精塾” を主宰す
るに至る。特に、日本語(母国語)を大切にする英語教育、リベラルアー
ツとしての日本史・世界史・古典なども教授している。今では、忘れさ
られた旧制高校の優れた面を取り入れた学問指導を理想として、生徒た
ちに接している。

上記内容は本書刊行時のものです。