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成功するFC戦略 フランチャイズ本部構築の9ステップ
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2020年3月10日
- 登録日
- 2020年1月15日
- 最終更新日
- 2020年3月10日
紹介
ダスキンと不二家が加盟1号店を出したのが1963年。60年近い経験を重ねたいま、日本のフランチャイズビジネス(FCビジネス)は26兆円を超える市場規模に成長した。業種・業態も多様化し、本部の数だけでも1300以上、コンビニや飲食をはじめとして無数の加盟店が存在し、すっかり社会と暮らしに定着している。
FC本部と加盟店のトラブルが話題になることもあるが、正しい方法で運営すれば、両者とも確実な果実を得られるのがFCビジネスの強みだ。
著者は、FC本部のスタッフまた経営コンサルタントとして、FC業界に40年以上関わってきたベテラン。立ち上げを支援した本部は200社以上に上り、その多くが着実に成長している。直営店が数店という規模から1000店を超える規模にまで成長したチェーン、100億円以上の売上を実現している企業も多数生まれている。
実践的で良心的なコンサルティングで定評のある著者が、40年の経験を徹底的にふまえ、本部も加盟店も満足できるFCビジネスのノウハウを解説した。本書は、FC展開を考えている本部企業はもちろんのこと、FC加盟を考えている経営者や個人の方にもお勧めしたい。
[ご注意]本書は同著者による『成功するフランチャイズ戦略――FC導入9つのステップ』(ダイヤモンド社・絶版)の新版です。ストーリーと基本的な考え方は変わっていませんが、その後の市場環境、FC関連の法律や業界慣行の変化などをふまえて大幅なアップデートを行っています。
目次
[1]フランチャイズ化に向けた準備――経営理念を見つめ直す
[2]自社のフランチャイズ適性を知る――成長するための最適な方法か?
[3]収益力を高める――魅力あるフランチャイズになるために(1)
[4]競争力を高める――魅力あるフランチャイズになるために(2)
[5]イメージ戦略を万全にする――魅力あるフランチャイズになるために(3)
[6]本部機能の整備――加盟店増加に対応できる本部機能の整備
[7]フランチャイズは「人づくり」が命――人材教育の重要性
[8]成否を決める立地条件――多様な立地に適応できる業態を
[9]加盟店開発の秘訣――本部も加盟店も繁栄できるシステムを構築する
前書きなど
1963年にダスキンと不二家の2社が加盟1号店を出店したのが、日本でのフランチャイズ・チェーンの始まりだといわれています。それから50年以上、ほぼ右肩上がりで成長してきたフランチャイズ業界ですが、近年、業界の優等生といわれた大手コンビニ・チェーンにおいても、さまざまな軋みが表面化しています。一部のメディアでは、フランチャイズという経営システムそのものに問題があるような論調も見られます。
しかし、1300以上のチェーンが存在し、26兆円を超える市場規模を誇るこの業界全体が衰退に向かっているというわけではありません。トラブルのニュースが醸し出すイメージで、業界全体を評価するのは大きな間違いです。
フランチャイズ・ビジネスが成功するために欠かせないのは、フランチャイズ本部が加盟店に提供する「理念」「業態」「フランチャイズ・システム」3つの要素で構成される「フランチャイズ・パッケージ」が、時代に合っているか、時代の変化に適応して変われているかどうかということです。
大手コンビニに起こっている問題は、まさにこのフランチャイズ・パッケージが時代に合わなくなってきているということです。時代に合わせた改革や調整が遅れてしまったために、耳目を集めやすい問題が一部に生じたということであって、決してフランチャイズ・ビジネスそのものが衰退傾向にあるわけではありません。
私は、フランチャイズ業界に40年以上関わってきました。最初はフランチャイズ本部のスタッフとして、その後は経営コンサルタントとして、フランチャイズ本部の立ち上げには200社以上関わってきました。私の関わった多くの企業が、フランチャイズ本部として10年、20年を経て、当初は想像できなかったような事業拡大を実現しています。直営店が数店しかなかったような規模から1000店を超える規模にまで成長したチェーンもあります。100億円以上の売上を実現している企業も数多く出現しています。
フランチャイズ・ビジネスが今後も成長すると予測できるのは、このシステムの特性が時代に合致しているからです。フランチャイズ・チェーンは、本部と加盟店がお互いの経営資源を補完することで成り立っています。つまり、BtoBのシェアリング・エコノミーそのものともいえます。
中長期的に考察すると、シェアリング・エコノミーの時代は続くと予測されます。企業においてもすべてを自前でまかなう時代ではなくなっています。魅力的なプラットフォームがあれば、多くの企業がそれを共用する時代になっていくでしょう。
フランチャイズ・システムは、本部が開発した成功業態を第三者に提供し、その経営システムを共用するというものです。経営環境は恐ろしいほどのスピードで変化しています。自力で新業態を開発して事業拡大することにこだわっていたら、時代の変化に適応できなくなってしまいます。
フランチャイズ・システムは、直営展開と比べて、本部側も加盟店も事業拡大に要する時間が短縮でき、コストも低減できるという大きなメリットがあります。したがって、今後ますますその適用範囲が広がり、業界全体は拡大していくものと推察できるのです。
本書では、ファストフード型イタリアンレストランを経営するミラノエクスプレス社が、1年間をかけてフランチャイズ本部を立ち上げ、加盟店の募集を開始するところまでをストーリー形式で描きました。その時間と活動の流れの中で、考えるべきこと、行うべきこと、外してはならないことを盛り込みました。私の40年の経験と、200社以上との関わりで得た知見を最大限盛り込んだつもりです。
理解していただきやすいように、本部構築のステップを章に分け、それぞれのテーマごとに担当者を登場させて話を進めています。実際にみなさまが本部構築に取り組まれる場合は、担当者が1人だけということもあると思います。スケジュールも、1年間ではなく、もっと短期間での実現をめざす方も多いと思います。
ご安心ください。フランチャイズ・ビジネスは、できるだけ少ない本部人員で運営できるということと、スピーディに事業拡大を実現できるという点が大きな魅力です。本書と同じ人員が必要というわけではありません。スケジュールに関しても、本郡構築業務の重点化と優先順位付けをきちんと行なえれば、もっと短期間でも十分に準備することができます。
また、本書の舞台がレストランなので、飲食ビジネス以外の読者の中には、あまり参考にならないと思う方がおられるかもしれませんが、そんなことはありません。各章の終わりにある「成功のステップ」を順にたどってみてください。フランチャイズ本部構築の本質が分かるはずです。フランチャイズ・チェーンで成功する本質は、業種・業態が異なっても変わるものではないのです。
本書を読んで、成功するフランチャイズ本部とはどういうものか、どうすればそれを構築できるのを理解していただければ幸いです。この本が、フランチャイズ・ビジネスで事業を強化、拡大したいとお考えの経営者のみなさまの背中を押すものとなることを願っています。(「はじめに」より抜粋)
版元から一言
本書はストーリー形式のビジネス書です。ファストフード型レストランを経営するミラノエクスプレス社が、フランチャイズ本部を立ち上げて加盟店の募集を開始するまでの1年間が、9つのステップ(9章)で描かれています。
実践的な情報やノウハウが整理されているのはビジネス書として当然ですが、ワークスタイルもフランチャイズ化に対する考え方も違う担当者が次第に心をあわせ、苦労しながらゴールをめざすという点にも本書の魅力があると思います。その展開の中で、コミュニケーション(報連相)、リーダーシップ、エンパワーメントといったソフトスキルの面でも参考になることがたくさん盛り込まれています。
端的にポイントだけ知りたいという読者は、まずはストーリー中に出てくる会議資料やホワイトボード上の板書、そして各章末のまとめのセクションから読み始めることもできるでしょう。
加盟店募集に際して、不十分な情報開示しかしない本部や、加盟金目当てのような怠慢な本部については、「犯罪行為に等しい」と指摘するなど、著者の価値観が随所に感じられる点にも共感できます。
追記
読者プレゼント
著者が経営するアクアネット・フランチャイズ経営研究所から読者にプレゼントがあります。
(1)小冊子『フランチャイズ・ビジネス入門』:無料でダウンロードできるPDF
(2)民谷昌弘による「フランチャイズ化適性相談」:無料の面談またはネットミーティング
https://aqnet.co.jp/dtokuten/
上記サイトにアクセスし、本書最終ページに記載されたパスワードを入力してご利用ください。
上記内容は本書刊行時のものです。