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神教経 先代旧事本紀大成経伝(四)
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2019年3月5日
- 書店発売日
- 2019年3月9日
- 登録日
- 2019年2月5日
- 最終更新日
- 2019年3月9日
紹介
先代旧事本紀大成経伝の四、神教経とは西暦594年に聖徳太子が著した神道教義二部作のうち初めに書かれたものである。この古典は長く埋もれていたために奈良時代以降、わが国には教義なき神道が伝えられてきた。
飛鳥時代、推古天皇の「神道の真髄は如何に」というご下問を承けて摂政聖徳太子は皇祖に代々伝わる紀を元にして、神道とはいかなるものか、天皇は何を成すべきかを解き、その神教経により神道の核心にあるものを理解できるようになったといわれる。したがってこの経典が神道の教義にあたる。
本書はまず序章で、この古典を今なぜ必要とするかを述べ、明治時代以来の神道観の誤りを指摘した。その上で、天皇の位がいかにして成るものかを神教経の各章で解き、さらに特筆すべきは天皇が背負う宿命の重さについて言及していることである。これは国民には想像しえないことで、これまで他本にては書かれてこなかったことである。
目次
はじめに
序章 神教経をひもとく意義
日本神道の神学の出処
天政とデモクラシー
「万世一系」という言葉がもたらしたもの
神教経
序
第一 一心
第二 五心
第三 宗源
第四 齊元
第五 霊宗
第六 一寶
第七 三器
第八 神璽
第九 道数
おわりに
参考文献
前書きなど
(略)今日、恒久平和を祈念され続ける今上天皇に、人々は期待を寄せている。ただ天皇とは、いかなる責務、あるいは天命を背負われているかは、あまり人々の知るところではない。唯ひとり国を背負う天皇を讃え、仰ぎ見て、期待を寄せるだけでは平和は保たれないことはいうまでもない。天皇のお心がどこから生まれてきたものかを知ることによって、自らも立ち、背負う側になるのではないかと考える。この最古の経典にはそれが書かれている。
この経を読みながら、何を感傷的なことをと思われるかもしれないが、ふいに涙が溢れてくることが、しばしばあった。理由はわからない。だが少なくとも浅学の悔しさだけではない。悔しさと悲しさとが相まった涙は、尊さに胸打たれながらも喪失の時代を目の当たりにしている、非力な我が身を痛感せずにはいられないからだった。この涙に促されるようにして執筆を続けた。
上古のこころに想いを馳せ、ここに記された言葉がわたくしたち今を生きる者にとって、価値あるものであることを、市井の方々に一人でも多くその心が届くことを願っている。
版元から一言
先代旧事本紀大成経伝(三)宗徳経と順番が後先になったが神教経は、神道教義二部作の最初の著作です。
宗徳経は万人向けに書かれており、この神教経は天皇と官人のために書かれた経典であるということから、宗徳経を踏まえて読むことで、より理解しやすくなると考えたしだいです。
漢文の書き下しにルビをできるだけ振り読みやすくしてあります。また序章では、この古典が現代にどういう意味があるのかを詳しく書かれてあります。今上天皇の生前譲位と新天皇の即位という大きな行事が行われ皇室が注目を集めているこの機会にぜひ、わが国に伝わる「天皇」についてより詳しく正しい知識を得ていただければと思っています。
天皇を知るとは、天皇のことだけを知るというのではなく、日本という国の成り立ちを考え直すことにつながります。
よくわからないといわれる神道が、すこし見えてくるのではないでしょうか。
上記内容は本書刊行時のものです。