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在庫ステータス
在庫あり
取引情報
取引取次:
ツバメ出版流通
直接取引:
あり(自社)
岩船
A5
縦210mm
横148mm
厚さ5mm
重さ 200g
64ページ
並製
価格
2,000円+税
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2019年9月30日
- 書店発売日
- 2019年9月30日
- 登録日
- 2019年9月17日
- 最終更新日
- 2019年9月30日
紹介
「わが身はすでに/鈴虫の/うつせみの灰の身ならば/いまはただこのいつくしみの思いを/この枯野にしずめ/薄明の灰に帰らむ/おほかたの/常ならぬ世の/秋の果てに」(「鈴虫」より)
1990年代に『吉田』『草庭』の二冊の歴史的な詩集を発表し、以後も世界に対しマージナルな位置で孤独に詩作を続けてきた詩人・栗原洋一の26年ぶりの新詩集がついに刊行。
伊予風土記の逸文をモチーフに伊予松山の伝承や神話と詩人の「現在」が往還する長歌「岩船」とその反歌「櫂ノ歌」からなる表題詩篇「岩船」、広島への原爆投下という「歴史的惨事」に対峙する「宇品まで」「厳島」「創造者」など16篇の詩を収める。
栞=稲川方人/林浩平
はるか遠い古語の文献(「源氏物語」等々)に響いているのはあくまでも「現世」に他ならない。「現世」こそが「常ならぬ世」の彼岸であることを、詩集『岩船』はわれわれに教えるだろう。(稲川方人)
ハイデッガーがその詩論で唱えたように、我々は生の実存的な不安に晒されるなかで、Da「現」の根源的な顕現である「開け」を経験するために詩を書くのである。栗原氏が郷土松山の歴史の裂目に身を差し入れて、歴史事象を題材として詩を書くことこそが、自らの生を「現存在」として掴みとろうとする、のっぴきならない営為ではないだろうか。(林浩平)
目次
神野
枯葉
波動
告知
宿営地
岩船 岩船/櫂ノ歌
去年の舟
宇品まで
厳島
創造者
水
海の鏡
失踪者
鈴虫
白き象
焚火
上記内容は本書刊行時のものです。