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アートの潜勢力
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2024年5月30日
- 書店発売日
- 2024年6月7日
- 登録日
- 2024年5月17日
- 最終更新日
- 2024年6月7日
書評掲載情報
2024-09-25 | アートコレクターズ 2024年NO.187 |
2024-08-23 |
週刊読書人
2024年8月23日号 評者: 粟田大輔(美術批評) |
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紹介
五感を挑発し、人間だけに可能なアートの謎と魅力。
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岡﨑乾二郎にとってのアートとは?
なぜモディリアーニの描く肖像画は目が塗りつぶされているのか?
退廃の美を描くエゴン・シーレと神との関係は?
スマホは人間の感性をどう変容させるのか?
そもそも美術作品は修復保存される必要があるのか?
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パウル・クレー、パゾリーニから山中現をはじめとする国内外の作品まで、著者の美術批評を1冊に集成。「モダニズム」「アナクロニー」「アントロポセン(人新世)」を切り口に、近現代アートの入門書として、また精緻な批評としても読むことができる、出色のエッセイ集。
カラーを含む図版も多数収録。
目次
まえがき、あるいは出発としての花田清輝と林達夫
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I 開かれとしてのモダニズム
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岡﨑乾二郎という「謎」
影・窓・痕跡──山中現の版画の世界
仮面の戯れ──柄澤齊の肖像画
「気配」と「たたずまい」──小林且典への手紙
パウル・クレー、あるいは「中間領域」の思索と創作
受肉するシーレ
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II アナクロニーとしての批評
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ボローニャのヤヌスたち──ロンギ、モランディ、パゾリーニ
ケネス・クラーク再訪──『名画とは何か』の文庫化に寄せて
アルテ・ポーヴェラの先見性
「気分」の肖像画──モディリアーニの人物たち
スマホ人間どこに行く!?
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III アントロポセン下のアート
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女性アーティストとしての自然──エルンスト・ヘッケルにおける「芸術衝動」
山口啓介、あるいは根源のアート
作品のなか/としての時間──ゴンザレス゠トレス、井田照一、ロマン・オパルカ
芸術・免疫・例外状態
記憶と忘却のあいだ──現代美術の保存と修復をめぐって
あとがき
前書きなど
《〔……〕アリストテレスを独自に読み替えるアガンベンによれば、この古代スタゲイロスの哲学者において、「~できるようになる」という通常の意味で「現勢力」に移行する「潜勢力」とは別に、「~しないことができる」という意味での「非の潜勢力(ア‐デュナミア)」が想定されている、という。「~しないことができる」、この「欠如」と真剣に付き合うことができるのは、実のところ人間だけである。つまるところ人間とは、「非の潜勢力」が可能な動物である。岡﨑の作品には、つねにどこかにこの「欠如」――現勢力の宙吊り――が潜んでいて、それこそがわたしたちをつかまえて離さないのではないだろうか。》
――「岡﨑乾二郎という「謎」」より
上記内容は本書刊行時のものです。