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平和憲法だけで国は守れる 岡井 敏(著) - 社会批評社
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平和憲法だけで国は守れる (ヘイワケンポウダケデ クニハマモレル)

社会一般
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発行:社会批評社
四六判
272ページ
並製
定価 1,800円+税
ISBN
978-4-907127-27-5   COPY
ISBN 13
9784907127275   COPY
ISBN 10h
4-907127-27-8   COPY
ISBN 10
4907127278   COPY
出版者記号
907127   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年12月8日
書店発売日
登録日
2020年11月5日
最終更新日
2020年12月2日
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紹介

2019年頭発表の昭和天皇の直筆は驚くほどの誤字珍字。百年前、著者の父は「国家は中心
より滅ぶ」と天皇の再教育に奔走、失敗。志を継ぐ子は「平和憲法で日本を守る」を実行可能な道理であると語る! 
また、『核兵器は禁止に追い込める』(2016年刊)で著者は、米英密約「ハイドパーク覚書」「原爆は日本人に使う」の真相を暴き、原爆は国際法違反だと主張。―そして、国連で核兵器禁止の国際条約が成立した今、その歴史的意義を明らかにする!

「試し読み」は http://www.maroon.dti.ne.jp/shakai/hanmoto-tameshiyomi.pdf

目次

第一部
第一章 昭和天皇の真筆 5 
第二章 父の「国家は中心より滅ぶ」 17       
第三章 「一つの文化」道理主義 94       
第四章 前大戦の反省――道理に徹する平和論 112  
第五章 防衛論と憲法問題 (一) 九条解釈の破綻 121 
第六章 防衛論と憲法問題 (二) 平和的防衛論の建設 147 

第二部
第一章 戦争について考えたこと、実行したこと 168
第二章 ハイドパーク覚書「原爆は日本人に使う」 201  
第三章 原爆と戦争に関するメモ二、三 221 
第四章 被団協に対する疑問 230
第五章 核廃絶は国際法で 242
補 章 ニュートンのプリンキピア 256       
あとがき 266

前書きなど

あとがき

 私の父は、約百年前に国家は中心より滅ぶとして、天皇の再教育を侍従長鈴木貫太郎(終戦時の首相)に説き、戦時中は判事だったが東条首相に国の滅亡を憂える諌言書を送り、判事懲戒裁判というものにかけられ、終戦時は大審院(現最高裁)の被告だった。

 四十年前、世はソ連の北海道侵攻で騒いでいた時、私はソ連の北海道侵攻など無いし、あっても言論で追い払えると朝日新聞の「論壇」に投稿すると、衆議院の委員会は私の発言を不当として欠席裁判にかけた。しかし私と委員会とどちらが正しかったか、いま結果は明らかだろう。その上、投稿掲載では削除されたが、原稿では私はソ連崩壊も「予言」していたのである。

 今、核兵器禁止条約で国連は二つに分裂しているが、この問題で一番頼りになるべき国際司法裁判所ICJの勧告的意見というのが間違っているのを誰も知らない。ICJ自身気が付いていない。ICJは、核兵器が人道法に違反すると言いながら、突如「国家存亡の危機」を持って来て、その場合には核兵器の使用が合法か違法か、判断出来ないとした。ICJは、先に禁止兵器とした核兵器を断りなく蘇生させたのである。こういう議論がICJの勧告的意見として発表され、世の誰もその不都合を指摘しない。私は、こういうことではいけないと思う。そう主張するのが道理主義で、こうして私は、「道理主義ノススメ」という本を書こうと思ったのである。しかしその切っかけが掴めず、躊躇していたら、昭和天皇の真筆の原稿が新聞に載って、これを踏まえて何とか書き始めることになった。

 しかしこのグズグズしていたツケは、間もなく現れた。私は、目が急に見えなくなって参考文献をチェックし辛くなり、更に困ったことには、原稿も書き難くなった。こんな次第で、どうやら「最後」にたどり着いた時は、ホッとしたが、不満足な部分は沢山残る。読者の方々には、読み難いだろうと申し訳ないのだが、お許し頂くのみである。以上の期間中、妹高柳淑子は私が書かなければいけない理由を一番知っていてくれたから、それが書く支えになったと思う。

 最後にひと言。この本には、毛色の変わった小文が一つ付け加えてある。それは、科学に対する私の感謝の気持からである。私は科学に苦労したけども、この世の中に生まれて何が有難かったかと言えば、やはり科学を知ったことだろうと思う。立派なものへの敬意を示したかったとして私的なことを書いたこと、お許し下さい。

 出版は、また社会批評社の小西誠氏に引き受けて頂けることになった。小西氏は評論家として多忙の中、草稿にコメントを下さって、それが非常に適切で苦慮していた修正が進んだ。晩年最後の幸いと、小西さんには敬意を表わすと共に、心からお礼申し上げます。
                                    岡井 敏 
二〇二〇年(令和二年)秋

版元から一言

著者・岡井敏さんは、今年90歳。「あとがき」に 書かれているように、すでに目も見えにくくなっておられ、パソコンでの入力も困難になっているという。にもかかわらず、岡井さんは、この270頁もの著作を短期間に書き上げられた。

その精神力、向上心には驚きを禁じ得ないが、背景にあるのが岡井さんの平和への願い、核兵器禁止、廃絶への願いだ。

岡井さんは、2016年小社から『核兵器は禁止に追い込める』を上梓され、ここで米英密約「ハイドパーク覚書」(1944年)の「原爆は日本人に使う」という文書の真相を暴かれ、ヒロシマ・ナガサキの原爆は、国際法違反だと主張され、この問題が国際世論になることを願っておられた。

そして今、この願いは、「核兵器禁止」の国際条約が成立したことによったかなえられた。本書で岡井さんは、先の著書に踏まえ、核兵器禁止条約の歴史的意義を明らかにしていく!

著者プロフィール

岡井 敏  (オカイ ビン)  (

1930年生まれ。東京大学理学部卒、同大学院修了、理学博士。
1991年まで科学技術庁無機材質研究所総合研究官、1998年まで工学院大学教授。
著書に『東条弾劾』(現代史出版会、1979年)、『二つの文化から一つの文化へ』(三一書房、1997年)、『父の「陛下に帝王学なし」と東条弾劾 私の「九条で国は守れる」』(早稲田出版、2008年)、『原爆は日本人に使っていいな』(同2010年)、『核兵器は禁止に追い込める』(社会批評社2016年)

上記内容は本書刊行時のものです。