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シンガポール戦跡ガイド 小西 誠(著) - 社会批評社
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シンガポール戦跡ガイド (シンガポールセンセキガイド) 「昭南島」を知っていますか? (ショウナントウヲシッテイマスカ?)

社会一般
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発行:社会批評社
四六判
194ページ
並製
定価 1,600円+税
ISBN
978-4-907127-08-4   COPY
ISBN 13
9784907127084   COPY
ISBN 10h
4-907127-08-1   COPY
ISBN 10
4907127081   COPY
出版者記号
907127   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2014年6月
書店発売日
登録日
2014年6月3日
最終更新日
2014年6月23日
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紹介

280枚の写真とエッセイで描く「戦争の傷痕」!
大検証(粛清)下で、約5万人が殺害された日本軍占領下のシンガポール。その戦争と占領の傷痕を訪ねる。―アジア・太平洋戦争のもう一つの戦場、マレー・シンガポール、そこには今も、日本軍とイギリス軍・民衆との激しい戦争の跡が残る。戦争の足音が近づく中、今、改めて戦争を問うシリーズ。

目次

はじめに 2
 ■シンガポールの戦跡の歩き方 9 
 ■地図 シンガポールの主要な戦跡地点 10
 
 第1章 市街地中心部の戦争の傷痕を歩く 11
      ―――「昭南島」と呼ばれた時代を知っていますか?
    ●都市国家シンガポール――その歴史と現在 12
    ●英軍司令部バトル・ボックス 16
    ●抗日の英雄・林謀盛記念碑 21
    ●復活したインド国民軍記念碑 22
    ●第1次・第2次大戦の戦死者を記念するセノタフ 23
    ●憲兵隊東支部記念碑と日本軍宣伝工作本部記念碑 24
    ●占領と大検証を伝える国立博物館・口述歴史センター 27
    ●日本軍が降伏文書を受理したシティ・ホール 28
    ●日本軍戦犯裁判が開かれたヴィクトリア・メモリアル・ホール 29
    ●戦争記念公園に聳え立つ日本占領時期死難人民記念碑 30
    ●チャイナタウンの大検証(粛正)検問所記念碑 34
    ■地図 シンガポール市街地の主な戦跡 36
 
 第2章 ジョホール・バル―シンガポール上陸戦の戦跡 37
    ●シンガポール上陸の攻撃拠点・ジョホール・バル 38
    ●サリンブン海岸上陸記念碑 42
    ●クランジ海岸の戦いの記念碑 45
    ●英軍の航空拠点テンガー・センバワン基地 47

 第3章 激戦地ブキ・ティマに残る兵どもが夢の跡 49
    ●シンガポールの最も髙い山・ブキ・ティマ攻防戦の記念碑 50
    ●激戦地に残されたトーチカ――サイムロード・ピルボックス 53
    ●住宅街にひっそり佇むチャンセリー・レーンのトーチカ 56
    ●「昭南神社」が建てられていたブキ・バト記念碑 58
    ●英軍降伏の地・旧フォード工場記念館 60

 第4章 日英軍の最後の激戦地パシル・パンジャン 65
    ●もう一つの激戦地、パシル・パンジャンの巨大トーチカ 66
    ●ブキ・チャンドゥ回想館 70
    ●日本軍を悩ませた堅固な要塞・ラブラドル砲台 73
    ●アレクサンドラ病院記念碑 84

 第5章 無用の砦になってしまったセントーサ砲台 85
    ●シンガポール最大の要塞・シロソ砦 86
    ●砦の上で迎える巨大砲3門 90
    ●砲撃指揮塔と戦闘シーン 94
    ●日本軍艦艇を撃沈した6インチ砲 98
    ●展示室「シロソ砦の歴史の足跡」 102
    ●占領の間の展示 105
    ●「降伏の間」・将軍たちの蝋人形 106
    ●シロソ砦の地下トンネルと各種砲 110
    ●セントーサ島のビーチに佇むトーチカ 116

 第6章 英軍最後の航空基地となったカラン・エアポート 123
    ●民間空港だったカラン飛行場 124
    ●空軍力を強化するシンガポール軍 130

 第7章 捕虜たちが収容された英軍の要塞・チャンギ 133
    ●日本軍を悩ませたもう一つの要塞・チャンギ砲台群 134
    ●英軍の捕虜たちが収容されたチャンギ博物館 136
    ●美しい海岸の墓標――チャンギ・ビーチ記念碑 139

 第8章 戦争で斃れた兵士たちの眠る記念碑 143
    ●英軍のクランジ戦争共同墓地1939―1945 144
    ●処刑された日本軍将兵たちを埋葬する日本人墓地公園 148
    ●からゆきさんたちの小さな墓標 152

 第9章 解説 日本軍のマレー・シンガポール侵攻と占領 155
    ●アジア・太平洋戦争の開戦 156
    ●日本軍のマレー半島上陸作戦 158
    ●日本軍の奇襲成功と英軍の作戦 162
    ●英東方艦隊の壊滅と日本軍の制海権・制空権確保 164
    ●ジットラ攻防戦と銀輪部隊 166
    ●英軍のシンガポール防御態勢 170
    ●日本軍のシンガポール攻撃態勢 173
    ●英軍の降伏の結果 178
    ●シンガポール占領と軍政 180
    ●華人大検証(大虐殺)とは? 183
    ●シンガポール軍事法廷での処刑 192

前書きなど

 ここ数年、いや十数年と言ってもいいが、韓国・中国政府と日本政府との間には、アジア・太平洋戦争についての歴史認識をめぐって鋭い対立が続いている。この対立は、「靖国参拝」などの問題だけでなく、日本政府が「従軍慰安婦」や強制連行などの被害者への戦後補償について、完全に放置した結果、繰り返し生じているものだ。
 この韓中との間の歴史認識の対立については、厳しい外交問題になっているので日常的に報道されているが、シンガポールとのそれや戦後補償については、日本での報道はまったくないに等しい。
 しかし、本書で述べるように、アジア・太平洋戦争下において日本軍の侵攻・占領下に置かれ、南京大虐殺に匹敵する住民虐殺(大検証・粛清)に遭ったシンガポールでは、この日本政府との「歴史認識問題」も厳として存在している。
 シンガポール政府は、戦後50年にあたる1995年、国内の11カ所に、日本軍の戦争と占領の記念碑を構築、あるいは、この戦争の傷跡を残すために、戦跡を同国の文化遺産として登録している。そしていま、この戦跡の保存が一段と進められている。
 こういう状況の中で不幸なのは、毎年100万人に近い日本の青年たちがシンガポールを訪れ、また、シンガポール在住の日本人も、およそ2万6千人を超えるほどの経済的繋がりがありながら、この国を訪れる(あるいは在住の)日本人たちが、かつて日本軍がこのシンガポールで何を行ったかをまったく知らないことだ。これでは、本当の意味での経済的・文化的交流が存在しないばかりか、真の友人にはなれないだろう。
 本書は、このシンガポールに残されているアジア・太平洋戦争の戦跡について、同国の戦争記念碑を参考にしながら、筆者の調査・認識をも加えて整理・紹介したものである。
 今までにも、シンガポールの戦跡については、いくつかのすぐれた書籍が刊行されている。しかし、同国での戦争記念碑は、たえず再発掘・再発見されるばかりか、現在もなお政府によって新しく建てられつつある。戦争の記憶を更新し、その礎の上に強固な平和を構築するという決意を感じる。
 ところで、現在の日本では、戦後69年という長い歳月が経つにつれ、体験として戦争を知る世代が次第に失われつつある。それに伴って、戦争を賛美する「戦争を知らない政治家たち」が、国会を中心に増殖しつつある。 
 こういう時代状況の中で、シンガポールに残る数多くの戦跡―戦争の傷痕を訪ねることは、若い人々にとって貴重な体験となると思う。ぜひ、一度訪れていただきたい。
                              2014年6月1日
                                         筆者

版元から一言

『サイパン&テニアン戦跡完全ガイド』『グアム戦跡完全ガイド』『本土決戦 戦跡ガイド(part1)―写真で見る戦争の真実』に続く、小社の戦跡ガイドシリーズ。戦争の足音が近づく中、今、改めて戦争を問うシリーズです。

著者プロフィール

小西 誠  (コニシ マコト)  (

1949年、宮崎県生まれ。
航空自衛隊生徒隊第10期生。軍事ジャーナリト。
著書に『自衛隊の対テロ作戦』『ネコでもわかる? 有事法制』『現代革命と軍隊』『自衛隊そのトランスフォーメーション』『日米安保再編と沖縄―最新沖縄・安保・自衛隊情報』『サイパン&テニアン戦跡完全ガイド―玉砕と自決の島を歩く』『グアム戦跡完全ガイド―観光案内にない戦争の傷跡』『本土決戦 戦跡ガイド(part1)―写真で見る戦争の真実』(以上、社会批評社)ほか多数。

上記内容は本書刊行時のものです。