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BIOCITY ビオシティ 99号 共創する流域治水 島谷 幸宏(著者) - ブックエンド
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BIOCITY ビオシティ 99号 共創する流域治水 (ビオシティ キュウジュウキュウゴウ キョウソウスルリュウイキチスイ) 災害に強く自立した地域づくりへ (サイガイニツヨクジリツシタチイキヅクリヘ)

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B5判
縦257mm 横182mm 厚さ7mm
重さ 300g
128ページ
並製
価格 2,500円+税
ISBN
978-4-907083-88-5   COPY
ISBN 13
9784907083885   COPY
ISBN 10h
4-907083-88-2   COPY
ISBN 10
4907083882   COPY
出版者記号
907083   COPY
Cコード
C0040  
0:一般 0:単行本 40:自然科学総記
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2024年7月10日
書店発売日
登録日
2024年6月20日
最終更新日
2024年7月10日
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紹介

毎年のように全国各地で豪雨による自然災害が発生するなか、2020年豪雨の被害を受けた熊本県球磨川流域を対象とした地域共創の場「緑の流域治水」が、2020年から10年間の大型プロジェクトとして始まった。本特集では、同研究プロジェクトがめざす未来像──地域の産業、金融、研究機関、そして地域住民が連携した「災害につよい自立した地域づくり」を紹介する。課題別に取り組む最新の研究成果は、全国の防災・減災の指針となる。

目次

目次

6 巻頭言 未来につなぐ共創の流域治水 その思想と手法 島谷幸宏

Part 1 共創の地域治水プロジェクトの概要
16 熊本県における「緑の流域治水」 令和2年7月豪雨からの創造的復興  中川太介
24 多自然川づくりの新たな役割 中小河川改修のこれまでとこれから 萱場祐一
32 流域治水における森林の役割 「流域治水×森林マネジメントシステム」の可能性 蔵治光一郎
40 NbSをベースとした流域治水×環境再生 自然と人との共生とネイチャーポジティブを目指して 皆川朋子
48 緑の流域治水における企業参画 湿地保全活動とグリーンレジリエンス 浦嶋裕子

Part 2 地域連携による流域治水
50 IoT技術による小集落の河川観測システム 地域をカバーする「くまかめ」「くまネット」古田尚也+佐藤辰郎+佐藤琢磨
58 共創による雨庭の可能性 多面的な機能をもった土と生物による技術 田浦扶充子
66 2030年までに熊本県に2030の雨庭を くまもと雨庭パートナーシップの活動 所谷 茜
74 緑の流域治水と地方銀行の役割 地域を結びつける金融機関の強みを活かして 大野 隆
82 緑の流域治水スタディツアー 球磨川流域で最先端の流域治水を学ぶ 宮野英樹
90 イギリスの自然を活かした洪水管理 Natural Flood Management(NFM) 寺村 淳
98 米国の雨水管理グリーンインフラの今 共創の流域治水実現へのヒント 政金裕太

連載
106 ヴィンテージ・アナログの世界 レコードは不滅⑥ 高荷洋一
110 動物たちの文化誌㊷ 眠る動物、笑うヒト 早川 篤
118 気候アクションSUMIDA 秋葉美知子+清水裕子

前書きなど

これまでの洪水防御は、川に集まってきた雨水をダムや河道で人為的に処理する手法であるが、自然が持つ洪水緩和機能は特に考慮に入れてこなかった。そのため、自然の持つ洪水緩和機能に十分に意が払われず、その機能は自然が劣化するとともに失われてきた。
 「共創の流域治水」は自然に敬意を払いながら、かつ地域に暮らす人たちとの協働なしでは成り立たない手法である。いや、人々との協働が必要であるからこそ、持続可能な国土全体の再編につながると考えている。
島谷幸宏「巻頭言」より

版元から一言

2020年7月の豪雨で大きな被害を受けた熊本県球磨川流域で、地域の産業、金融、研究機関、そして住民が一体となって取り組む「共創の流域治水」が注目されています。自然に敬意を払うその思想とアプローチをいち早く紹介します!

著者プロフィール

島谷 幸宏  (シマタニ ユキヒロ)  (著者

島谷幸宏:熊本県立大学緑の流域治水共創拠点特別教授、大正大学地域構想研究所客員教授。1955年山口県生まれ。九州大学工学研究院教授を経て現職。専門は、河川工学、河川環境。日本湿地学会元会長など。著書に『協働による環境と防災の調和』『河川の自然環境の保全と復元』『河川風景デザイン』など。

中川 太介  (ナカガワ タイスケ)  (著/文

中川太介:熊本県企画振興部球磨川流域復興局政策監。1994年熊本県入庁。2023年より現職。球磨川流域の復旧・復興に特化した部署で、令和2年7月豪雨からの創造的復興に向けた企画調整や、流水型ダムを含む「緑の流域治水」の推進、五木村・相良村の振興などに取り組む。

萱場 祐一  (カヤバ ユウイチ)  (著/文

萱場祐一:名古屋工業大学教授。1965年仙台市生まれ。東京工業大学院修了。1991年に旧建設省土木研究所入所、2021年より現職。河川工学と河川環境の融合領域に長年携わり、近年は流域治水を視野に入れた川づくりの在り方、技術論に取り組む。

蔵治 光一郎  (クラジ コウイチロウ)  (著/文

蔵治光一郎:東京大学教授。1965年東京都生まれ。東京大学大学院修了。専門は森林水文学・森林流域管理学。著書に『森の「恵み」は幻想か:科学者が考える森と人の関係』、編著書に『長良川のアユと河口堰』などがある。

皆川 朋子  (ミナガワ トモコ)  (著/文

皆川朋子:熊本大学教授。専門は、河川環境、応用生態工学。著書に、『社会基盤と生態系の基礎と手法』、『水辺を守る3 湿地の保全管理と再生』、『図説 日本の湿地』、『図説 河川災害と復興(仮)』(2024発刊予定)など。

浦嶋 裕子  (ウラシマ ヒロコ)  (著/文

浦嶋裕子:MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社 サステナビリティ推進部 上席スペシャリスト。特に、生物多様性と気候変動適応に注力。

古田 尚也  (フルタ ナオヤ)  (著/文

古田尚也:大正大学学修支援センター教授、国際自然保護連合(IUCN)日本リエゾンオフィス・コーディネーター。専門は自然に根ざした解決策(NbS)を通じた持続可能な地域づくり。編著書に『実践! グリーンインフラ』など。

佐藤 辰郎  (サトウ タツロウ)  (著/文

佐藤辰郎:九州大学大学院工学研究院附属アジア防災研究センター准教授。専門は、防災工学、地域開発。日本内外で水に関連した防災・減災,水環境の保全・再生,および水力発電を活用した地域づくりに関する研究と実践を行う。

田浦 扶充子  (タウラ フミコ)  (著/文

田浦扶充子:九州大学特任助教、TLA取締役。建設コンサルタントや世田谷トラストまちづくりにて景観デザイン、緑のまちづくり推進の業務に従事した後、現職。樋井川流域のあまみず社会プロジェクト、球磨川流域の共創による流域治水プロジェクトなどに参加。グリーンインフラの実践や評価に取り組む。

所谷 茜  (トコロダニ アカネ)  (著/文

所谷 茜:熊本県立大学特任講師。1990年高知県四万十市生まれ。東京工業大学大学院修了。くまもと雨庭パートナーシップの創設に参加し、現在は幹事会メンバーを務める。東アジアを渡る渡り鳥クロツラヘラサギを介して人々をつなぐ「Team SPOON」代表。

大野 隆  (オオノ タカシ)  (著/文

大野 隆:肥後銀行地域振興部部長。1974年生まれ。九州大学経済学部卒業。2018年にサステナビリティ推進室が設置されて以降、300社を超える地元企業のSDGsの取り組み支援に携わる。2022年度「くまもとSDGsアワード2022」大賞受賞。

宮野 英樹  (ミヤノ ヒデキ)  (著/文

宮野英樹:公益財団法人地方経済総合研究所、研究開発部長。1974年生まれ。筑波大学卒業。専門は地域振興。研究所の経営理念「地域経済社会の知恵袋であり続け、未来への扉を共創する」のもと、地域社会の課題解決に取り組む。著書に『変貌する熊本』など。

寺村 淳  (テラムラ ジュン)  (著/文

寺村 淳:大正大学招聘教授。1979年愛知県生まれ。新潟大学大学院修了。専門は、土木史・伝統的防災知・災害史。地域固有の背景に基づく伝統的な自然との付き合い方、災害履歴と地域の成り立ちなどをグリーンインフラに活かす研究に取り組む。著書に『松浦川の伝統知・地域知』など。

政金 裕太  (マサカネ ユウタ)  (著/文

政金裕太:信州大学研究員。ランドスケープデザイナー。神奈川県出身。ルイジアナ州立大学大学院修了。米国と日本でランドスケープ設計に携わったのち、2022年より現職。レジリエンスなまちづくり、人と環境の調和したランドスケープのための研究と実践に取り組む。

上記内容は本書刊行時のものです。