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ファッションヒストリー 1850–2020 成実 弘至(監修) - ブックエンド
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ファッションヒストリー 1850–2020 (ファッションヒストリー)

社会一般
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B5判
縦257mm 横182mm 厚さ25mm
重さ 980g
288ページ
上製
価格 3,800円+税
ISBN
978-4-907083-87-8   COPY
ISBN 13
9784907083878   COPY
ISBN 10h
4-907083-87-4   COPY
ISBN 10
4907083874   COPY
出版者記号
907083   COPY
Cコード
C0070  
0:一般 0:単行本 70:芸術総記
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2024年6月10日
書店発売日
登録日
2024年5月17日
最終更新日
2024年6月5日
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紹介

★この書籍の小売店頭価格は、3,800円+税です。

本書は、近代ファッション(モード)が誕生した19 世紀後半から、21 世紀初めにいたる170 年間の服飾の変遷をたどるものです。この歴史を6つの時期に区分し、重要な41項目について解説することで、ファッションの大きな流れをおさえつつ、主要な人物、服装、芸術運動、社会や文化の動向が把握できるように構成しています。とくに、アート、デザイン・装飾、メディア、音楽、若者風俗、消費・流通など同時代の出来事に注目し、オートクチュールからストリートまで、ファッション文化をグローバルに、領域横断的に描き出しています。
 ファッションはデザイナーの創造力がゼロから生み出したものではなく、クリエイティブ、ビジネス、社会などの動きからも影響を受けています。そうした多様な人々のダイナミックな交流、アートなど異分野との関係のなかで、服飾が発展してきたプロセスに光をあてているのが本書の大きな特徴です。

目次

第1 章 ファッションの誕生 1850–1900
ファッションの変遷と女性の身体/ブランドの起源とその発展/消費社会の誕生/スーツ、黒服、メイド/アメリカのメデイアと既製服/日本の洋装化

第2 章 新世紀 1900–1919
デザイナーの時代/ファッション・イラストレーションの黄金期/「新しい芸術」の時代へ/モダン・デザインの源流/アメリカのファッションデザイン運動/トレンチコート、迷彩/日本の消費社会と百貨店

第3 章 モダンファッション 1920–1939
女性デザイナーの活躍/アール・デコとヴァナキュラー・モダン/先進的モダニズムとモダン・アート/ファッションと前衛芸術/モダンガール/大正・昭和初期の和装ファッション/生活改善と洋裁学校

第4 章 ポピュラー 1940–1969
ディオールとバレンシアガの造形/アメリカン・フィフティーズ/ミニスカートと若者文化/ビートルズとファッション/イヴ・サン= ローランとポップ・アート/戦後の洋裁学校/森英恵と戦後デザイナーの第一世代

第5 章 デザイナーズ 1970–1989
アメリカのブランド・マーケティング/イタリアン・ファッションの誕生と発展/アメリカの若者サブカルチャー/ロンドン・パンクとDIY 精神/アメリカのファッション雑誌の隆盛/東京DC デザイナー/建築やデザインにみるポストモダンの潮流

第6 章 グローバル 1990–2020
グローバル化するブランド/現代アートとファッション/アントワープ6 と王立芸術アカデミー/東京ストリートファッションの時代/ポストDC ブランドと90 年代の日本/ファストからエシカルへ/デジタル・テクノロジーの可能性

前書きなど

 本書は近代ファッション(モード)が誕生した19世紀後半から、世界中に普及していく21世紀初めにいたるまで、170年間の服飾の変遷をたどるものである。この歴史を6つの時期に区分し、重要な41項目について解説することで、ファッションの大きな流れをおさえつつ、主要な人物、服装、芸術運動、社会や文化の動向が把握できるように構成している。また多種多様な図版や写真を豊富に用いており、幅広い読者に(初心者も詳しい方も)、ファッションの新しい魅力を発見していただけることと思う。
 本書を作るにあたって、2つの方針を設けている。まず第一に、服飾を中心にしながら、アート、デザイン・装飾、メディア、音楽、若者風俗、消費、社会など、同時代の出来事に注目し、ファッション文化を領域横断的に描き出すこと。
 巷間では有名なデザイナーが素晴らしい衣装を独力でつくり出し、女性を抑圧から解放したといった語りをしばしば耳にする。それらはまったく間違いというわけではないが、話をかなり単純化している。ファッションはデザイナーだけではなく、職人、製造者、流通・メディア、消費者など、多くの関係者がかかわりながら生み出されるものであり、同時代のクリエイティブ、ビジネス、社会などの動きからも影響を受けている。多様な人びとのダイナミックな交流、アートなど異分野との関係のなかで、服飾が発展してきたプロセスに光をあてているところが、本書の大きな特徴である。
 第二に、グローバルなファッションの歴史を目指したこと。従来の服飾史はフランスを中心に記述されてきた。もちろんパリは歴史的に特別な位置を占めてきたし、今なお世界のファッション首都であり続けている。本書もパリモードに大きくページを割いていることはご覧の通りだ。一方、アメリカ、イギリスなどの他の国々はこれまで傍流として、あるいは第二次世界大戦後のエピソードとして取りあげられるにすぎなかった。
 しかし、現在のファッションはフランスのオートクチュール、プレタポルテにとどまらず、アメリカの既製服やカジュアルウエア、イギリスのスーツや軍服などの影響を受けて、グローバルに発展してきたものである。また、日本ファッションも戦後の洋裁ブーム以降が語られ、それ以前は等閑視されてきたが、明治・大正期には着物ファッションが花開いていたし、洋装化も戦前から進んでいた。本書では、これら複数の国々の服飾史を束ねて、国境を越えたファッションの展開を描き出すように心がけた。もっとも本書で取りあげた国や地域はまだまだ少ない。本格的なグローバル・ファッション史の編纂は今後の課題となるだろう。
 ファッションの大きな流れを限られた紙幅に収めたので、取りあげられなかった事象も少なくない。また、ここで提示されたファッションの誕生時期、時代の分け方、トピックの選択基準など、本書のスタンスに違和感や批判を抱かれる方もおられよう。編者としてはそれらを真摯に受けとめ、新たなファッションヒストリーのための議論のきっかけとなることを願ってやまない。

成実弘至「あとがき」より

版元から一言

本書はファッションを学ぶ大学の教科書として企画されました。若い世代に向け、317点のカラー図版を大胆にレイアウトしているので、幅広い読者に(初心者も詳しい方も)、ファッションの新しい魅力を発見していただけることと思います。図書館(とくに高校・大学の図書館)に最適です。

著者プロフィール

成実 弘至  (ナルミ ヒロシ)  (監修

成実弘至:京都女子大学教授。1964年生まれ。大阪大学大学院、ロンドン大学大学院修了。専門は文化社会学、服飾文化論。著書に『20世紀ファッションの文化史』、訳書に『ファッションの社会学』など。

上記内容は本書刊行時のものです。