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BIOCITY ビオシティ 94号
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年4月10日
- 書店発売日
- 2023年4月7日
- 登録日
- 2023年4月7日
- 最終更新日
- 2023年4月17日
紹介
★この書籍の小売店頭価格は、2,500円+税です。
94号の特集は、国連の生物多様性条約会議(COP15)において、一躍注目の的となった「ネイチャー・ポジティブ」というキーワードに焦点を当てる。「自然再興」とも訳されるように、生物多様性を損失から回復に向かわせる意味であるが、国際的な定義付けはまだ確定していない。広島でのG7を前に日本政府が公開した「次期生物多様性国家戦略」でも、劣化した生態系の回復や、自然を活用した社会課題への取り組みを基本戦略に掲げている。今号では、この新しい指針について、関連する歴史的な背景や関連するツール、基礎知識、事例など、多角的な視点から解説を試みる。
目次
目次
特集
ネイチャー・ポジティブ入門
2030年に向けた生物多様性の新しい指針
古田尚也 編
大正大学教授/IUCN日本リエゾンオフィス・コーディネーター
巻頭言 ネイチャー・ポジティブへの道 COP15からG7へ 古田尚也
第1部 生物多様性条約COP15とネイチャー・ポジティブ
生物多様性の新たな世界敵枠組 生物多様性条約 COP15 ソニア・ペーニャ・モレノ
生物多様性世界枠組と30 by 30 自然再生と保護に関する意欲的な目標 ナイジェル・ダドリー
生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)の成果 PEDRR環境と災害リスク軽減に関するパートナーシップの15周年 ナタリー・ドズウェルド
気候変動枠組条約 COP27とネイチャー・ポジティブ IUCNの参画と成果 サンディープ・セングプタ
IUCNレッドリストの歴史 これからの種の保存を考える サイモン・スチュアート
IUCN「自然貢献プラットフォーム」 モニタリングのためのデジタルツール ローラ・デノス
第2部 ネイチャー・ポジティブと企業活動
IUCNリーダーズ・フォーラムとネイチャー・ポジティブ・アプローチ パオラ・ジェレミーチャ
ネイチャー・ポジティブと日本の経済界 サステナブルな資本主義の実現へ 加藤 拓
企業活動とネイチャー・ポジティブの実現 TCFDの経験から考えるTNFD 藤馬裕一+佐々木美奈子
企業のための生物多様性戦略ガイドライン 計画策定とモニタリングへのヒント 生田美生
ビジネスと生物多様性 野生生物経済を考える フランシス・ボーヒーズ
前書きなど
2022年は、生物多様性にとって大きな節目の年となった。12月の生物性条約第15回締約国会議(COP15)では2030年までの目標と2050年の長期目標を含む「昆明・モントリオール生物多様性枠組が採択され、次のような文言が記載された。「昆明・モントリオール生物多様性枠組は、社会全体の関与により、生物多様性の損失を止め反転させ、本枠組がビジョン、ミッション、ゴール(長期目標)及びターゲット(目標)の中で設定した成果を達成することにより、条約の三つの目的と議定書の実施に貢献するべく、政府、準国家及び地方政府による緊急かつ変革的な行動を触媒し、可能にし、そして活性化することを目的とする」。
ネイチャー・ポジティブという言葉こそ明示的に使われなかったものの、実質的に同等の内容が盛り込まれたと考えてもよいだろう。本特集は、このネイチャー・ポジティブをキーワードとして、COP15の成果やそれに関連する政策や実践、科学的な取り組みなどについて紹介し、今後についての議論のきっかけを作り、また取り組みを後押しする材料を提供すること目的としたものである。
古田尚也「巻頭言」より
版元から一言
広島でのG7を前に日本政府が公開した「次期生物多様性国家戦略」でも、「ネイチャー・ポジティブ」を核に、劣化した生態系の回復や、自然を活用した社会課題への取り組みを基本戦略に掲げています。今号では、いち早く、この新しい指針について、関連する歴史的な背景や関連するツール、基礎知識、事例など、多角的な視点から解説を試みます。
関連リンク
https://www.bookend.co.jp/biocity-86/
https://www.bookend.co.jp/biocity-92/
上記内容は本書刊行時のものです。