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根岸由香のつながる音楽
社会性を育てる 75のインクルーシブな音楽活動
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2019年12月5日
- 書店発売日
- 2019年12月2日
- 登録日
- 2019年12月3日
- 最終更新日
- 2019年12月4日
紹介
特別支援教育、音楽療法、保育の現場で使うことを目的とした音楽活動の実践書です。
「インクルーシブ」とは、排除・差別せず、すべての子どもが共に学べるという意味です。
さまざまな子どもが一堂に集まる場で、誰でも参加できる楽しくワクワクな75の音楽活動のやり方が紹介されています。75曲はすべて著者のオリジナル曲であり、活動の主目的と副目的、子どもへのかかわり方の工夫、演出のアイデア等が、楽譜、イラストを使ってわかりやすく示されています。
また付録の100分DVDには、40曲の動画が収録され、実写を見ながらすぐできるようになっています。実際の曲想や、テンポ、振付、言葉がけ、支援のポイントがわかります。なおこの40曲の指導者用ピアノ伴奏譜がPDFファイルとしてDVDに入っており、パソコンから取り出しプリントして譜面として使用できます。
目次
はじめに…「みんなでつながる」「心がつながる」音楽
楽しい音楽活動と脳のはたらき
(*)の40曲は、付録DVDに実演と指導者用ピアノ伴奏譜あり
●セッション1「はじまり編」
箏曲 音楽はじめよう(*)
げんきにはじめよう
はじまりのうた
音楽はじまるよ
わくわくドキドキはじめよう
●セッション2「つながろう編」
鈴をまわそう(*)
あつまりゲーム(*)
合わせてみよう(*)
みんなであくしゅ(*)
GO! GO! GO!
ともだちゲーム
手をつないで歩こう(交流バージョン)
手をつないで歩こう(集合ゲームバージョン)
あくしゅのうた
●セッション3「やりとり編」
すてきな音のうた(*)
みんなでたたこう(*)
たのしくうたおう 動物合奏隊(*)
かずのべんきょう(*)
◎◎くんのたいこ
みんなでたいこ
こねこがニャー
すてきな◯◯ちゃん
ベルをならそうⅠ・Ⅱ
どっちが好き?
●セッション4「身体を使おう編」
カリビアン・ラグーン(*)
マラカス鳴らそう(*)
ゆらゆら揺れよう(*)
右左ブギ(*)
スピードランナー(*)
手をつないで歩こう~リトミック風(*)
タンバリン鳴らそう(*)
Wow Wow タンバリン(*)
にぎってみよう
手をたたこうパンパンパン
いっしょにのびよう
●セッション5「歌って踊ろう編」
ともだちアロハ(*)
SUNサン・サンバ(*)
スペインのおどり(*)
アラブの赤い月(*)
えがおdeルンバ
魚のまつり
おそうじレンジャー隊のうた(*)
●セッション6「表現しよう編」
ジェットコースター(*)
おばけのおどり (*)
ゆかいな音ならそう
行こう!どうぶつえん(*)
楽器を鳴らそう(*)
じゅんばんに鳴らそう(*)
音のかいだん
ゴスペル 今日はみなさん
まねっこぶたさん
鳴らしてみよう
みんなでリズム
●セッション7「みんなで歌おう編」
みんなで歌おうよ(*)
行こう!スカイツリー(*)
おはなしのうた(*)
世界でI-chi-ba-n (*)
会えてよかった
手と手をあわせて
たいせつなともだち(*)
かがやく未来(*)
いつまでもともだち(*)
みんなともだち(*)
ぼくのゆめ(*)
スライムのうた
Dream come true ♡ 3つのお願い
お店をひらこう
わらしべ長者
そんごくう
●セッション8「クールダウン編」
まわそうよ!かざぐるま(*)
くるくるまわそう(*)
音がきこえたね(*)
さよならのうた(*)
曲名さくいん DVD収録曲リスト
前書きなど
私は、特別支援学校の教員そして認定音楽療法士として「共に響き合い、心をつなぐ音楽活動」をめざして、約30年間実践を続けてきました。本書に紹介する75曲は、すべて特別支援学校の授業の中で、子どもたちと一緒に活動しながら創作した曲です。
楽しいことが大前提ですが、すべての曲には「子どもたちにこんなことを身につけてほしい」という「願い」と「目的(ねらい)」を込めて創作しています。そして、それぞれの曲で「どのように活動すればよいのか?」を子どもたちに「わかりやすく伝える」ための工夫を凝らしています。
次に挙げる8つは、その工夫の一部です。
①「目的(目標)とする行動」をそのまま歌詞にした「オリジナルソング」の創作
②「つながる」ことを可視化した「つながり教材(手作り楽器など)」の開発
③触覚・視覚・聴覚・運動感覚など「多感覚への刺激」を体験させながら、集中を高める活動
④リズムが明確で「同期」しやすい「民族音楽」の楽曲構造の導入と伴奏
⑤「なりきる」ことを演出する「衣装」や「小物」の制作
⑥「かけ声」や「ポーズ」を取り入れた動きの工夫と「主役経験」の設定
⑦「握手」や「ハイタッチ」による他者と関わるための工夫
⑧指導者(支援者)が「モデル」を示し、一緒に楽しく「巻き込んでいく」活動の工夫
発達水準が初期段階(乳幼児や知的障がい児など)の子どもには、「わかる」「できる」「わかってできる」ことがとても大切です。子どもたちが自信を持ってイキイキと活動できるように、「音楽の持つ機能や構造を、意図的・計画的に活用して実施する」という音楽療法の治療の考え方に基づき、「音・音楽」で支援しながら75の活動を形作ってきました。
子どもたちとの音楽活動では、まず「楽しく音楽する」こと、「みんなと一緒に楽しみながら音楽する」ことが何よりも大切です。「あれっ、何だろう?」「楽しそうだな」と心が動き、「やってみたいな」と意欲を持って取り組み、「やった!」「できた!」と達成感を得て、「またやりたいな」と期待感を持って終えられるように、子どもの気持ちに寄り添いながら実践をしています。
この75曲に込めた「願い」や「目的(ねらい)」は、子どもたちに直接トレーニング的に課するものではなく、みんなと一緒に聴いたり歌ったり演奏して音楽の楽しさを感じる中で、自然にその目的が達成できることが肝心と考え創意工夫を続けています。
(中略)
付録のDVDでは40曲を選び、「こんなふうに使えます」という場面を動画で紹介しました。ここでは私の仲間の教員(指導者)たちが「子ども役」になって、指導者とのやりとりを演じています。「使い方の一例」としてご覧いただければ幸いです。
また、ご参考までにこの40曲のピアノ伴奏譜をパソコンから取り出せるようにしました。みなさんもそれぞれの現場で、いろんな伴奏の弾き方を工夫していただければありがたいです。
版元から一言
特別支援教育の現場で音楽科専任として約30年間子どもたちにかかわってきた著者が創作した、さまざまな活動のための75曲とその活用法を紹介。それぞれに目的・支援の工夫が明示され、実践に結びつけやすい。付録DVの実写とピアノ伴奏譜を見ながらすぐ始められる。音楽療法士はもちろん、保育士、幼稚園・子ども園・小学校の教諭、放課後等デイの指導員など音楽を必要とする多くの現場で活用できる実践書。
上記内容は本書刊行時のものです。