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増補復刻版 イラン人の心
詩の国に愛を込めて
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2020年11月10日
- 書店発売日
- 2020年11月10日
- 登録日
- 2020年10月19日
- 最終更新日
- 2020年11月30日
紹介
【比較文明・比較文化への眼差し】
ペルシア文学の泰斗、イラン学先導者の名著が甦る!
大地に伏して全能の神に祈り、詩と雄弁を愛し、
灼熱の砂漠に生まれた神秘主義に陶酔する。
達意の筆で、内なるイランを開示する。
(第30回《1982年》日本エッセイストクラブ賞受賞)
「妖精の現身(うつしみ)なる乙女は 月をも凌ぐ美しさ
ベールのしたに冠いただく美貌はほのかに映える新月か
黒き瞳は 闇の底の生命の水さながら……」
「あの甘美な泉――彼女の羚羊の眼をみては
いかな尚武の士も気を失うほど
頬も野バラ、その香も野バラ
くちびるは甘美(シーリーン)で その名もシーリーン
甘美な言葉を語る唇は 蜂蜜と呼ばれて……」
(岡田恵美子訳・本文より)
目次
はじめに―心と心には道がある(『イラン人の心』増補復刻版にあたり)
はじめに(初版・1981年)・(新装版・1993年)
第一章 サラーム
第二章 陶酔境
第三章 廻(めぐ)る天輪
第四章 イラン人の生活
第五章 聖域
初版あとがき(1981年)
新装版によせて(1993年)
おわりに―増補復刻版のためのあとがき
* カラー口絵 ペルシア細密画「花の乙女」収載
前書きなど
感想――
「開け、胡麻!」の代りに、テヘラン空港での「サラーム」が、
著者がイラン文化の宝庫に入る呪文となった。
青春時代の四年間、かの地の大学でペルシア文学を専攻し、
邦人女性として最初の博士号を得るまでの体験記であり、
随所に美しい訳詩もちりばめてある。
年中行事や、地方都市や大砂漠への旅、学界や市井の人々への
鋭いが温かい観察などを通じて、文化の奥深さを探っている。
チャードルの蔭の明眸にも譬えたい本である。
前嶋信次(慶應義塾大学名誉教授。1981年当時)
版元から一言
私がこの書を再び世に出したかった理由の一つは、
「世の中に何にもならないものはない」と知ってほしいこと。
今何にもならないことに取り組んでいるあなた、
それはいつかは役に立つ。もし役に立たなくても、
必ずあなたは達成感を得るに違いない。
もう一つの理由、それは近頃の若者は外国へ
行きたがらないと知ったことである。
確かに情報はテレビでも雑誌でも十分得られる。
でも外へ出て生きた人間に会い、彼らの生活をその目で見て欲しい。
それはあなたに別の目を開いてくれるだろう。(本書「おわりに」より)
上記内容は本書刊行時のものです。