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珈琲飲み
「コーヒー文化」私論
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2014年9月
- 書店発売日
- 2014年9月20日
- 登録日
- 2014年10月27日
- 最終更新日
- 2014年10月27日
書評掲載情報
2014-10-19 |
東京新聞/中日新聞
評者: 雑賀恵子(評論家) |
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紹介
うかつにも…… 珈琲に、夢中。
美味しい珈琲を探し求め、全国の珈琲店をめぐり歩く。
やがて、職人が淹(い)れる作品のような珈琲を、
いつか自分の手でも、と思いつめ、
店で修業するにいたる。
やがて、市販の豆では飽き足らず、生豆を仕入れて
自家焙煎を始める。
やがて、コーヒー農園に渡航しさえする。
やがてとやがての間で、次々と浮かぶ謎――
「美味しいとは?」「一杯の価格の基準は?」
「喫茶店の始まりは?」……。
珈琲に、うきみをやつした実体験をもとに、
「コーヒー文化」の妙味を、洒脱(しゃだつ)に紹介する。
目次
序 文
「珈琲が好きです」とは言えなくなった
珈琲の効能
生きるとは自分をすり減らすことである
とことん手間暇かけて、面倒な人生を生きてみたい
第1章 ★ 喫茶店遍歴
なべて大切なものは、いつも失ってからその価値に気づく
珈琲に関する最初の記憶
それは文化的衝撃だった
自分で珈琲を淹(い)れ始めた頃
学生街の喫茶店
盛り場の喫茶店
ジャズ喫茶
珈琲専門店
第2章 ★ モンクでの珈琲修行
最初はローランド・カークみたいな店だった?!
モンクの珈琲
「白紙の状態」
濃度による珈琲の差別化
抽出法は「ランブル流」
味覚の基準をつくる
焙煎(ばいせん)を体験する
進化するモンクの珈琲
第3章 ★ 日本における珈琲通の誕生
山頭火は知っていたのか?
カップとソーサーがくっつく
珈琲に酔う
日本最初の珈琲店
オッペケペーな夢の香り
最初に珈琲の魅力の虜(とりこ)となったのは
カフェの日本的登場
カフェーへ
元祖喫茶店
喫茶店の時代 ―― 珈琲通の誕生
tasseの謎 ―― 日本の珈琲文化は飲用前から始まっていた?
第4章 ★ 美味しい珈琲とは?
あなたはオールドクロップ派、それともニュークロップ派?
オールドクロップ神話
ニュークロップ至上主義
近代珈琲
「美味しい」とは何か? ―― 味覚の社会的構成/味覚の基準
味覚の方向性 ―― すなわち一般的規則について
第5章 ★ スペクタクル化するコーヒー
「おいしい」への疑念
珈琲の香味を決定するのは?
スペシャルティコーヒーの登場
旗艦(きかん)商品としてのスペシャルティコーヒー
高額なコーヒー豆がコーヒーの市場価格を高める
コーヒーのスペクタクル化
瓢箪(ひょうたん)から駒
第6章 ★ 極私的珈琲行脚
在家焙煎修行 ―― OWN ROASTERの誕生
会員制珈琲倶楽部を始める
ロブスタ種をめぐって
精製方法と香味の違い
自家焙煎珈琲店巡りの始まり
珈琲店のジレンマ ―― 如何に客を選別・排除するか
フィリップ・マーロウの流儀で
余熱を冷ますから使うへ
魅惑の卵殻手(らんかくで)
謎のラール
それは夢の分や ―― 想定外の創作珈琲
明日になったら、全く別のことを言っているかもしれない
再び変化したモンクの珈琲
第7章 ★ 夢の途中で
甘美な衝撃 ―― 蠱惑(こわく)なコーヒーチェリー
至高のマンデリン
跋(ばつ)
文献一覧
版元から一言
ひとりで、ゆっくり、あじわう。
それは、文化的な経験
でもあった・・・(?)
長年にわたりコーヒーの香味を探求してきた社会学者による、
渾身の一冊です。
「酒飲み」ならぬ「珈琲飲み」の喜びと苦闘の実体験を、
洒脱な文章で描写しております。
珈琲の香りの、危険な魅力を、どうぞ!
関連リンク
◆ 「東京新聞」(2014年10月19日 読書面) 雑賀恵子氏による書評掲載
◆ 本書『珈琲飲み』の、中身(本文ページ)の一部分をご覧いただける「立ち読み」(洛北出版)
上記内容は本書刊行時のものです。