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奄美群島の水産業の現状と未来
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2023年3月20日
- 登録日
- 2023年2月6日
- 最終更新日
- 2023年4月11日
目次
Ⅰ はじめに
Ⅱ 離島漁業の今
Ⅲ 奄美群島の漁業概要
Ⅳ 沖永良部島漁協:人工魚礁を活用した漁業振興の試み
Ⅴ 奄美漁協:漁業者と漁協が一体となった漁業経営振興への挑戦
Ⅵ 与論町漁協:民間企業と一緒になった販路確保
Ⅶ 瀬戸内漁協:企業誘致による経営振興
Ⅷ 十島村漁協宝島・小宝島:漁業生産が活発ではない島々
Ⅸ 離島漁業の経営振興にむけて
Ⅹ おわりに
Ⅺ 参考文献
前書きなど
鹿児島県には多くの島があります。その島々では漁業が盛んに行われ、キハダ、ソデイカ、カツオ、アオダイ、ヒメダイ、オオヒメ、ハマダイなどの特徴ある魚介類が漁獲されてきました、そして漁業は地域の経済を支える重要産業として位置づけられてきました。しかし近年、離島での漁業経営は厳しさを増しており、漁業者の高齢化と減少が著しくすすんでいます。周囲を豊かな海に囲まれる離島で、何が起こっているのでしょうか。
本書では、はじめに、離島漁業の現状と役割、離島への政策的支援の概要について紹介します。つづいて、奄美群島の漁業概要を確認した後、奄美群島を中心に漁業経営の振興に取り組む五つの事例を紹介します。
沖永良部島の沖永良部島漁協では、ソデイカ漁と魚礁周辺でのマグロ漁が盛んに行われています。地元の漁業者からは、マグロを蝟集する人工魚礁の設置が強く求められてきました。ただ、漁業者の高齢化とともに、生産関連施設の整備に求められる事柄も少しずつ変化しています。
奄美大島の奄美漁協笠利地区では、漁業者と漁協職員が一体となって、新しい保蔵技術の導入と量販店への直接出荷の取り組みが行われています。漁業経営の支援という漁協本来の役割が発揮されているケースです。
与論島の与論町漁協では、大学との共同研究による保蔵技術の開発や製品づくりが行われました。漁協は出来上がった製品を自ら販売する能力は無いと割り切り、販売力ある民間企業との連携による販路開拓を目指しています。生産者と販売者、それぞれの得意分野を活かした連携体制が構築されました。
奄美大島の瀬戸内漁協では、養殖企業を誘致した地域経済や漁協経営の改善がすすめられてきました。近年ではIターン者の漁業参入も相次いでいます。外部からの漁業参入に門戸を広げながら、漁協や漁業の振興を目指しています。
最後に、十島村の宝島と小宝島を紹介します。周囲に恵まれた水産資源があっても、様々な理由で漁業経営は発展しませんでした。漁業者が僅かしかいない両島の漁業や漁場利用の将来を展望します。
以上を踏まえ、奄美群島の漁業振興に求められる事柄を考えてみたいと思います。
上記内容は本書刊行時のものです。