書店員向け情報 HELP
出版者情報
在庫ステータス
取引情報
栄花の道
私の剣道人生
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2024年7月30日
- 書店発売日
- 2024年8月10日
- 登録日
- 2024年7月29日
- 最終更新日
- 2024年10月1日
紹介
竹のように節ごとに成長し困難を力に変える
剣道の指導者育成や普及活動に力を尽くす栄花英幸教士八段が、剣道と共に歩んだ人生での出会いや苦難、飽くなき挑戦の日々と教育者としての旅路で得た人生の教訓を余すことなく記した。
剣道の精神を通じて苦難を乗り越え、次の段階へと進み続けてきた栄花英幸教士八段の経験と思索が新たな気づきと感動をもたらす。
剣士として、人間としての成長を願う人々にとっての手引きの書。
目次
発刊に寄せて
子ども時代
喜茂別町と栄花家/喜茂別剣道連盟の誕生と発展/
三歳で剣道の道に/ぜんちょうさん/最初の教え/学業への取り組み/
剣道場で遊ぶ/栄花家の人々/家族経営の新たな挑戦/選択と決断
東海大四高校時代
東海大四高への進学/厳しい指導の下での高校生活/
共同生活で成長の日々/怪我と向きあいながらの闘い/
インターハイ北海道予選での挫折/全国玉竜旗高校剣道大会への挑戦/
全国三位の栄冠と個人の躍進/高熱をおして初優勝/
古川先生との厳しい稽古/剣道と勉強
東海大学時代
東海大学へ/厳しいルール/正座/先輩との絆/一年生で大将に/
キャプテン/キャプテンとしての教訓
教員として
団体選手の夢破れ/苦悩と反発/札幌創成高校の教員に/
サッカー部顧問に就任/全日本剣道選手権準優勝/
内閣総理大臣杯の栄光/天覧試合/兄弟対決/
創成高校で築いた生徒との絆/Sとの思い出/腐ったみかんの教訓/
全日本剣道選手権引退と弟の優勝/公立高校の教員に/
恵庭南高校での挑戦/厳しさと柔軟性の狭間で/
全日本都道府県対抗剣道優勝大会で奇跡の逆転勝利/
最初の八段審査/挫折からの学び/再挑戦の八段審査に合格/
古川先生の教え/全日本選抜剣道八段優勝大会に挑戦/
兄弟で八段戦制覇/感謝と責任/乗り越えたいじめ問題/
困難に立ち向かう
栄花ファミリー
顔で笑って/試練を超えた家族の絆/母の温かい支え/
家族をつなぐ茶碗蒸し/父の生き方に学ぶ/弟・直輝/
結婚と生徒との共同生活/家族と剣道/ゴルフと剣道/
剣道とゴルフの共通点
剣道を通じて得た人生の教訓
剣道は人生の軸/互いに支え合う力/
剣道の世界における多様性と学び/挫折を乗り越えた成長の軌跡/
失敗から学び、成長する/
金八先生への憧れと「ミュージックステーション」出演/
一つの目標に集中する力/形のない剣法の旅/
気づかせる教育の力/そのうち分かる/
剣道から学んだ人生の教訓/朝稽古の価値/
剣道の序列と無形のバッジ/守破離/
正しさ、模範、そして伝統の尊重/礼儀と敬意/夢実現/
試練の意味と支え合い/北海道の剣道界と後輩への指導/
剣道の基本と異文化/世界選手権と指導者としての役割/
剣道団体と指導者の役割/継続とモチベーション/
柔軟さと思いやり/剣道から学んだ価値観と人生の教訓/
交剣知愛/進化する剣道/剣道を通じて学ぶ人生と精神の教訓/
人生を竹の節から学ぶ/願いは人類の平和と繁栄
あとがき
主な戦歴
前書きなど
あとがき
還暦を迎え、自分の今日までの歩みを振り返ってみたいと思い、今回本の出版を決意しました。私が本? そんな思いもありましたが、実は多くの方々から「先生本書いてくださいよ!」と声をかけていただいたのです。そんな後押しもあって…。そして今、私は退職を目の前にしています。退職年齢が引き上げられてきておりますが、私の年代は六十二歳まで。でも私は一年早く早期退職を決めています。それは、次の新たな人生ステージをどういうものにしたいのかが明確なものになったからなのです。私の剣道人生は三歳からのスタートで五十七年間。教職員生活は三十八年間。今日まで多くの人たちと出会い、交流を持つことができました。まさに剣道の世界で言われる「交剣知愛」です。その方々に感謝の気持を込めて人生最後の抜刀、鯉口を切る決断をしたのです。鯉口を切り、刀を抜くということはそれなりの覚悟を持っているということです。安易に刀を抜くことはできません。
私の人生は剣道人生といっても過言ではありません。先ほども述べましたが三歳から今日まで続けてきたのですから。趣味程度のものではありません。人生のすべてを捧げてきています。それだけ価値あるものとして私を育ててくれました。もちろん、楽しい事ばかりあったわけではありません。むしろ苦しく、辛いことのほうが多くありました。でも、それだからこそ真の喜びや楽しさ、幸せを感じることができたのだと思います。剣道は「礼に始まり礼に終わる」と言われます。これは剣道の世界だけではなく、全てに必要なことです。私は、剣道技術をしっかりと基本に忠実に教わり、学び、習得してきました。これは全て「礼に始まり礼に終わる」という心の修行に結びつくものでありました。決して試合に勝ちチャンピオンになること、高段位を取得することが目的ではなく、これらはほんの小さな目標に過ぎません。その形をしっかりと正しく身につけることで心が育つということなのです。そのことがやっと今わかってきました。このことは教職員生活においても同じことが言えるのです。先生間のトラブル、生徒とのトラブル、保護者とのトラブル。たくさん乗り越えてきました。それが何故できたのか。それは生徒たちの幸せを一番に考える事ができたからだと思っています。そこに私自身の真の学びがあったと思います。「教育」ではなく生徒共に育む「共育」の精神です。誰を幸せにしたいのか。このことを常に考えることが大切ではないでしょうか。私は、今日まで教職員生活と剣道で学び得たことを次の人生において活かしていきます。それが教員として、剣道人としてやってきてよかったと本当に思えるときだと確信しています。人類平和繁栄に寄与するために。
最後になってしまったのですが、実はここまで話してきたことができたのは、そう思えることができるようになったのは、すべて両親のおかげです。私の両親に心から感謝申し上げます。
「お父さん! お母さん! ありがとう!」
上記内容は本書刊行時のものです。