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知られざる食肉目動物の多様な世界
東欧と日本
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2022年9月17日
- 書店発売日
- 2022年9月17日
- 登録日
- 2022年9月13日
- 最終更新日
- 2022年9月17日
紹介
オオカミ、キンイロジャッカル、ヨーロッパヤマネコ、テン、ヒグマ、アナグマ、キツネ等、東欧と日本の食肉目動物の幅広い魅力と様々な研究成果を知ることができる一冊。
ヨーロッパとアジアの生態系の接点であるブルガリアを中心に、ブルガリアと日本の研究者たちの10年以上にわたる共同研究の成果を紹介。
各部末尾には「ちょっと知りたいコラム」と題し関連の深い12編のエピソードを収録している。
目次
カラーグラビア
食肉目とは何か?その魅力って/ジャッカル オオカミに似ているけど/ネコ科の仲間たち/失われた仲間食肉目/ブルガリアの生物多様性/自動撮影カメラが捉えたブルガリアの哺乳類の多様性/食肉目の生息環境/ブルガリアの伝統的な街並みと村落
はじめに
第I部 フィールドからの多様な世界
序章 東欧の生物と自然の多様性
1章 ポーランド,ブルガリアの食肉目動物
2章 ジャッカルの分布拡大と人間社会との関係
3章 ヨーロッパヤマネコの毛色と食性
4章 テンの食性と多様性
5章 ブルガリアの食肉目動物における種の多様性と保護
ちょっと知りたいコラム
01:ジャッカルという動物,その起源,人とのかかわり
02:食肉目のそれぞれの鳴き声
03:どうやって糞を発見し,なんの動物の糞かを判断するの?
04:食性分析の方法
第II部 研究室からの多様な世界
6章 アナグマのにおい物質と行動
7章 糞から明らかになるキツネの生態
8章 食肉目と免疫系遺伝子の多様性
9章 食肉類に寄生する条虫の巧妙な生活環
ちょっと知りたいコラム
05:においってどう採取するのか?どうやって分析する?
06:“糞ってなに?”どうやって分析 どんな機器を使うの?
07:MHCって?どうやって分析
08:寄生虫に名前をつける
第III部 文化からの多様な世界
10章 ブルガリアの狩猟文化と動物の文化的利用
11章 ヨーロッパと日本のヒグマとクマ文化
12章 ブルガリアの家畜
13章 ブルガリアにおける研究留学
終章 EU地域の生物多様性保全政策と食肉目動物の将来
ちょっと知りたいコラム
09:トラキア文化
10:バルカン半島の自然地形歴史
11:ブルガリアの学生とのかかわり
12:なぜ研究者になろうと思ったのか?何が楽しいのか?
おわりに
英文要旨
執筆者
前書きなど
はじめに
本書の目的は,一般に知られていない食肉目動物の多様な世界を紹介することである.その舞台となるのは,東欧と日本である.東欧といっても,馴染みのない読者も多いのではないだろうか.ぜひ,本書で紹介する動物を含めた自然を通して,魅力的な東欧の世界を知っていただければ幸いである.
食肉目とは,哺乳類の中の1つの大きなグループである.ネコ,イヌ,クマ,イタチなどの仲間を含んでいる(カラーグラビア3ページ参照).イヌやネコが含まれているといっても,本書の主役は,愛玩動物ではなく,野生に生息している動物たちである.多様な食肉目動物に関わる,多様な研究に取り組んでいる研究者が,本書の執筆者たちである.その多くは,ブルガリアやポーランドなどの東欧の国々において,国際共同研究に参加してきた.
(中略)
このように,多くの方々の支えのもとに発展してきたブルガリアとの共同研究・学生交流の成果を紹介することが,本書のもう1つの目的でもある.
なお,本書の構成として,最初にカラーグラビアにより,研究対象となる食肉目動物の多様性が紹介されている.序章では「東欧の生物と自然の多様性」として,舞台となる東欧の地理,自然,そして動物移動の変遷を紹介する.その後,13の章を3部に分け,第I部「フィールドからの多様な世界」(5つの章)では,野外調査から食肉目動物の生態的特徴を語っている.第II部「研究室からの多様な世界」(4つの章)では,研究室における食肉目動物の多様な分析法や研究成果を紹介する.このように,様々な方面から研究を紹介するよう心がけた.そして,第III部「文化からの多様な世界」(4つの章)では,文化を中心とした人間活動と動物の関係について語られている.さらに,各々の部では,各章と関連の深いエピソードなどを「コラム」として紹介したので,合わせて楽しんでいただきたい.
ここに,あらためて,両国の共同研究をご支援いただいたトラキア大学,ブルガリア国立自然史博物館,東京農工大学,北海道大学の事務局を含め,関係各位に深く御礼申し上げる.
(後略)
2022年6月
編者 増田隆一,金子弥生
上記内容は本書刊行時のものです。