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アグロエコロジーへの転換と自治体 関根佳恵(著/文 | 編集) - 自治体研究社
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アグロエコロジーへの転換と自治体 (アグロエコロジヘノテンカントジチタイ) 生態系と調和した持続可能な農と食の可能性 (セイタイケイトチョウワシタジゾクカノウナノウトショクノカノウセイ)

社会一般
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A5判
縦210mm 横148mm 厚さ17mm
252ページ
定価 2,500円+税
ISBN
978-4-88037-774-2   COPY
ISBN 13
9784880377742   COPY
ISBN 10h
4-88037-774-0   COPY
ISBN 10
4880377740   COPY
出版者記号
88037   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2024年10月10日
書店発売日
登録日
2024年9月25日
最終更新日
2024年9月25日
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紹介

生態系と調和した持続可能な農と食への根本的な転換となる欧米で注目を浴びるアグロエコロジー。この農と食のシステムに関する科学・実践・社会運動に注目して、四半世紀ぶりに改正となった日本の「食料・農業・農村基本法」を分析。併せてフランスの有機給食と公共調達、JAの有機農業、地域で展開されているアグロエコロジーの実践事例を紹介し、食の民主主義を展望。

目次

はしがき
第1章 気候危機克服とアグロエコロジーへの転換  
    ―「生態系といのちの営み」に寄りそう社会を足もとから―
1 はじめに
2 地球温暖化から気候変動、気候危機、地球沸騰化へ
3 「生態系といのちの営み」から社会のあり方を問い直す
(1) 「生態系といのちの営み」に向きあう農業   
(2) 成長の追求と工業的農業がもたらしたもの   
(3) ウッドショックによって示された「経済的価値」と「使用価値」の矛盾   
(4) コロナ禍によって明らかになった「使用価値」の大切さ   
(5) 農業・農山村の多面的機能とその保全に向けて   
4 「生態系といのちの営み」に寄りそう社会を足もとから   
(1) 農業・農村政策の転換を   
(2) 自治体政策に何が求められているのか   
(3) 有機給食で地域の農業を支える―地域自給の拡大と公共調達―   
(4) 多様な担い手の連携・協働―アグロエコロジーへの転換に向けて―   

第2章 アグロエコロジーをめぐる国際的潮流
   ―国連、市民社会、欧米の動向と日本への示唆―   
1 はじめに
2 アグロエコロジー―定義、歴史、有機農業との比較―   
(1) アグロエコロジーの定義   
(2) アグロエコロジーの歴史的展開   
(3) アグロエコロジーと有機農業
3 国際舞台におけるアグロエコロジーをめぐる攻防   
(1) 市民社会からボイコットされたサミット   
(2) みどりの食料システム戦略―日本は世界の縮図―   
(3) 「代替案」への代替案を求めて   
(4) 日本農業への示唆   
4 欧米におけるアグロエコロジーの取り組み   
(1) 欧州連合(EU)の取り組み―小規模・家族農業によるアグロエコロジーを推進―   
(2) フランスの取り組み
(3) アメリカもアグロエコロジーに舵   
5 おわりに―日本でアグロエコロジーを普及するために―
  用語解説

第3章 食と農の危機打開に向けて
    ―新基本法を問う―
1 はじめに
2 食料・農業・農村基本法は何をもたらしたか   
(1) 旧基本法と新基本法の違い  
(2) 新基本法制定に対する農民連の主張   
(3) 農民連の「新基本法への提言」発表の背景   
(4) 農民連の「新基本法への提言」   
3 新基本法の改定案はどこが問題なのか   
(1) 国民の食料供給の「安全保障」とは全く逆の自己責任論   
(2) 食料自給率の目標は「向上」をめざすものでも「指針」でもなくなる!   
(3) 食料の安定供給は、国内の増産ではなく、さらなる輸入の拡大で穴埋め   
(4) 農民の激減を前提に、農民のいないロボット農業・スマート農業を推進、
家族農業は軽視   
(5) 戦争する国づくりへ、食料有事の措置(第24条)および「食料供給困難事態対策法」   
(6) 国会への報告義務から逃避し、農業・食料政策の公正性が欠落   
(7) 価格転嫁・価格保障・所得補償(直接支払)   
4 おわりに―新基本法改定に求められるものとアグロエコロジー   

第4章 酪農が直面する課題と未来
   ―食の民主主義を展望する―   
1 はじめに   
2 「酪農危機」の諸相とその背景   
(1)「酪農危機」の多重性   
(2) コロナ禍を起点とした生乳過剰   
(3) 資材高騰による所得減少   
(4) 酪農家戸数の減少と生産減少   
3 「酪農危機」から見える課題   
(1)「自助努力」支援政策の限界   
(2) 大規模経営の脆弱性   
(3) 新基本法「改定」をめぐる問題点   
4 酪農政策のアグロエコロジー的転換を  
5 おわりにー食の民主主義への道―

第5章 有機農産物を学校給食に届けよう
    ーフランスの公共調達改革―
1 世界に広がる有機給食  
2 「よい食」を学校給食に   
(1) 「よい食」の概念の変遷   
(2) 食の公正さを求める運動の展開   
(3) 公共調達を変革する試み   
(4) 有機公共調達の実現における課題   
3 フランスにおける公共調達の変革―有機給食を義務化―
(1) EUにおける公共調達のグリーン化   
(2) 有機農業の推進   
(3) 有機公共調達の義務化   
(4) 有機公共調達の取り組みの事例―サルト県ル・マン市―   
4 日本でも有機給食を広げるために   

第6章 アグロエコロジーの実践を地域から
   ―島根県の事例をもとに―   
1 はじめに   
2 長谷川さんによるアグロエコロジーの実践
(1) 中山間地域における地域資源の利用のあり方とその消滅
(2) 地域資源の循環的利用と長谷川さんの営農   
(3) 殺虫剤の代わりに生態系の力を利用する   
(4) 土壌分析からみた長谷川さんの稲作   
(5) 農業経営としての長谷川さんのアグロエコロジー実践の合理性   
(6) まとめにかえて
3 地域農業を支える地域密着型第三セクター・吉田ふるさと
(1) 吉田ふるさと村の沿革   
(2) 吉田ふるさと村の事業とその特徴   
(3) 地域における吉田ふるさと村の役割と意義   
(4) 吉田ふるさと村の企業理念が示すこと   
3 おわりに  

コラム 里山でサステナブルな社会づくりの担い手を育む   

第7章 JAによる有機農業の取り組み   
1 日本の有機農業とJA   
2 有機農産物の販売と人材育成を共に進めるJAやさと
3 生協の契約産地から出発したおおや高原有機野菜部
4 BLOF理論に基づく有機農業の普及を図るJA東とくしま
5 JAによる有機農業への取り組みを拡大するために 
  
第8章 北海道酪農のアグロエコロジーへの挑戦   
1 はじめに   
2 放牧酪農を志向する新規参入者への就農支援―上川地域・中川町―   
(1) 中川町における地域農業の状況   
(2) 自治体による新規参入の促進   
(3) 新規参入者の意思を尊重する支援策   
3 アニマルウェルフェアをベースとした6次産業化―十勝地域・清水町―   
(1) 清水町における地域農業の状況   
(2) 「牛は牛らしく、人は人らしく」の酪農経営   
(3) アニマルウェルフェアと6次産業化   
4 おわりに  
 
第9章 中山間地域における有機農業の広がりと農業後継者育成の可能性
   ―岐阜県白川町ゆうきハートネットの事例―   
1 白川町というところ   
2 有機農業の広がり   
(1) 第1期 有機農業の芽生えからハートネット結成まで   
(2) 第2期 ゆうきハートネット結成から確立まで   
(3) 第3期 新規就農者の受け入れ   
(4) 第4期 未来を見据えた世代交代   
3 今後に向けた課題   
あとがき 

著者プロフィール

関根佳恵  (セキネカエ)  (著/文 | 編集

1980 年神奈川県生まれ。京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。
愛知学院大学経済学部教授。専門は農業経済学、農村社会学、農と食の政治経済学。
著書 『13 歳からの食と農─家族農業が世界を変える─』(単著)(かもがわ出版、2020
年)、『家族農業が世界を変える(全3 巻)』( 単著)(かもがわ出版、2021~22 年、学校図
書館出版賞受賞)、『ほんとうのサステナビリティってなに?―食と農のSDGs』(編著)
(農文協、2023 年)など。

関 耕平  (セキコウヘイ)  (著/文 | 編集

1978 年秋田県生まれ。一橋大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。博士(経済
学)。島根大学法文部教授。専門は財政学・地方財政論。
著書 『地域から考える環境と経済―アクティブな環境経済学入門』(共著)(有斐閣、
2019 年)、『「公共私」・「広域」の連携と自治の課題』(分担執筆)(自治体研究社、2021
年)、『地域の持続可能性を問う―山陰の暮らしを次世代につなぐために』(共著)(今井
出版、2024 年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。