版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
デジタル化と地方自治 岡田知弘(著/文) - 自治体研究社
..
【利用不可】

書店員向け情報 HELP

デジタル化と地方自治 (デジタルカトチホウジチ) 自治体DXと「新しい資本主義」の虚妄 (ジチタイディーエックストアタラシイシホンシュギノキョモウ)

社会一般
このエントリーをはてなブックマークに追加
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ12mm
重さ 280g
174ページ
定価 1,700円+税
ISBN
978-4-88037-754-4   COPY
ISBN 13
9784880377544   COPY
ISBN 10h
4-88037-754-6   COPY
ISBN 10
4880377546   COPY
出版者記号
88037   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2023年5月25日
書店発売日
登録日
2023年5月17日
最終更新日
2023年5月25日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

2017年度から21年度までの5年間に、マイナンバー(カード)の紛失・漏洩事案は5万6000件を超えた。個人情報の漏洩は人権侵害問題に直結。地域活性化の切り札とする「デジタル田園都市国家構想」は市民を置き去りにして、企業中心の事業へと展開する。こうして、地方行政のデジタル化はデジタル集権制の性格を強め、地方自治の基盤を揺るがす危険性に満ちている。

目次

はじめに  岡田知弘

第1章 岸田政権の「新しい資本主義」論と経済安全保障・DX………………………………岡田知弘
はじめに
1 岸田政権の誕生と「新しい資本主義」論
――その批判的検証
⑴2021年自民党総裁選挙で打ち出した「新しい資本主義」論/⑵財界の要望と合致―「新しい資本主義実現会議」の議事録から/⑶政府資料にみる「新しい資本主義」のイメージ―従来の「成長戦略」と変わらず/⑷“新しさ”を強調せざるを得ない疲弊の広がり/⑸“まずは成長”に重点を移す/⑹「成長」施策の中身を検証する/⑺「分配」の言葉も消える/⑻「安保3文書」の大幅改定と経済安全保障中心の「成長戦略」への転換/⑼経済安保・DX化・GX化で、地域経済は「活性化」し、住民生活は向上するのか
2 「新しい資本主義」の一環としての経済安全保障政策とは何か
⑴安全保障概念の拡張は1970年代から/⑵安倍政権下、首相官邸・北村滋国家安全保障局長主導で「経済安保」を推進/⑶自民党・新国際経済秩序創造経済戦略本部の提言/⑷岸田政権による経済安全保障推進法の制定/⑸「岸田軍拡」の中での経済安保「基本方針」の決定/⑹順次進む経済安保体制の整備
3 経済安保下のデジタル化の矛盾と問題
⑴デジタル技術を活用した経済統制への志向、惨事便乗型政策としての展開/⑵従来の自由貿易体制推進との矛盾/⑶国内での情報統制強化、思想信条・学問の自由も侵害
おわりに――憲法と地方自治理念との根本的対立

第2章 デジタル田園都市国家構想の概要と問題点……………………………………中山 徹
はじめに
1 新しい資本主義とデジタル田園都市国家構想
2 デジタル田園都市国家構想とは
⑴デジタル田園都市国家構想の位置づけ/⑵地方創生との関係/⑶基本方針の特徴
3 地方創生をどう評価すべきか
4 スーパーシティとデジタル田園健康特区
⑴スーパーシティの状況/⑵デジタル田園健康特区の状況
5 デジタル田園都市国家構想交付金の状況概要
⑴デジタル田園都市国家構想推進交付金の概要/⑵デジタル実装タイプ(TYPE1)と地方創生テレワークタイプの内容/⑶デジタル実装タイプ(TYPE2/3)の内容/⑷デジタル田園都市国家構想交付金の概要
6 デジタル田園都市国家構想の目的
⑴社会のデジタル化を一気に進めること/⑵公共部門を民間企業に開放すること/⑶効率化、合理化を進めること
7 デジタル田園都市国家構想がもたらすこと
⑴新たな格差の拡大/⑵行政と企業の関係が逆転する/⑶団体自治の縮小/⑷市民の権利が侵害される/⑸地方が崩壊する
8 情報技術の発展を地域で活かす前提
⑴新自由主義的な政策からの転換と情報技術の活用を一体で進める/⑵地方自治の発展が基礎
おわりに

第3章 デジタル社会と自治体…………………………本多滝夫
はじめに
1 デジタル社会とは
⑴デジタル社会とSociety5.0/⑵データ駆動型社会としてのデジタル社会/⑶資本主義の転回としてのデジタル社会
2 国・自治体のプラットフォーム化
⑴デジタル・ガバメント/⑵自治体DXと自治体のプラットフォーム化/⑶行政手続のオンライン化と情報システムの標準化・共通化
3 マイナンバーカードの普及促進
⑴マイナンバーカードの機能/⑵マイナポータルの機能/⑶マイナンバーカードの「市民カード」化
4 データ連携基盤の構築
⑴デジタル田園都市国家構想/⑵データ連携基盤構築の先進事例/⑶データ連携基盤の運営主体
5 自治体の個人情報保護制度の見直し
⑴個人情報保護制度の見直しの背景/⑵個人情報保護条例の見直し―滋賀県の場合―
6 データ駆動型社会の自治体像
おわりに

第4章 デジタル化予算と国家財政、自治体財政…………………………………………平岡和久
はじめに
1 政府のデジタル化関連予算を読む
⑴政府のデジタル政策とデジタル化関連予算/⑵総務省のデジタル基盤改革支援補助金/⑶デジタル庁予算
2 自治体・地域社会デジタル化と政府の財政措置
⑴行政デジタル化に係る地方財政措置/⑵地域社会のデジタル化推進のための地方財政措置/⑶自治体デジタル化を推進するための財政誘導・締めつけ
3 自治体のデジタル化関連予算と取組み事例をみる
⑴京都府におけるDXの推進と情報システム標準化・共同化/⑵京都府長岡京市における情報システムと共同化/⑶長野県飯田市におけるDXの推進と情報システム経費/⑷長野県上田市におけるDXの推進と情報システム標準化・共同化
4 行政デジタル化と財政の問題点、課題
⑴行政デジタル化に関する問題点・課題/⑵財政に関わる問題点、課題
おわりに

あとがき 中山 徹

著者プロフィール

岡田知弘  (オカダトモヒロ)  (著/文

京都橘大学教授、京都大学名誉教授。専門は地域経済学。
著書等 『わたしたちの地方自治―主権者のための自治体を求めて―』自治体研究社、2022年、『地域づくりの経済学入門[増補改訂版]―地域内再投資力論―』自治体研究社、2020年、『震災からの地域再生―人間の復興か惨事便乗型「構造改革」か―』新日本出版社、2012年、など。

中山 徹  (ナカヤマトオル)  (著/文

奈良女子大学生活環境学部教授、自治体問題研究所理事長。専門は都市計画学、自治体政策学。
著書等 『子どものための保育制度改革―保育所利用者減少「2025年問題」とは何か―』自治体研究社、2021年、『人口減少時代の自治体政策―市民共同自治体への展望―』自治体研究社、2018年、『人口減少と地域の再編―地方創生・連携中枢都市圏・コンパクトシティ―』自治体研究社、2016年、など。

本多滝夫  (ホンダタキオ)  (著/文

龍谷大学法学部教授。専門は行政法学。
著書等 『自治体DXでどうなる地方自治の「近未来」― 国の「デジタル戦略」と住民のくらし―』(共著)自治体研究社、2021年、『地方自治法と住民 判例と政策』(共編著)法律文化社、2020年、『辺野古訴訟と法治主義―行政法学からの検証―』(共編著)日本評論社、2016年、など。

平岡和久  (ヒラオカカズヒサ)  (著/文

立命館大学政策科学部教授。専門は財政学、地方財政学。
著書等 『学校統廃合を超えて―持続可能な学校と地域づくり―』(共編著)自治体研究社、2022年、『新型コロナウイルス感染症と自治体の攻防[コロナと自治体1]』(共編著)自治体研究社、2021年、『人口減少と危機のなかの地方行財政―自治拡充型福祉国家を求めて―』自治体研究社、2020年、など。

上記内容は本書刊行時のものです。