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魂と世界
プラトンの反二元論的世界像
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2002年12月1日
- 書店発売日
- 2002年12月15日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2011年2月4日
紹介
心身二元論の祖にして,観念論の元祖プラトン,というのがこれまでの哲学史の常識だった.このような強固な伝統の誤解をただし,プラトン哲学の反二元論的ともいうべき世界像を,現代的課題から平易に説き起こしながら,テクストの厳密な読みにより今日的意義を明確にする.現代における知のモデルとして,プラトン哲学の有効性と可能性を提示する.
目次
序 文
序 章 心身問題前哨
――プラトン『パイドン』における生と知の原理
第Ⅰ部 魂と身体の共同性
第1章 魂と国家
――プラトン『国家』における人間と国家のアナロジー再考
第2章 性・身体・国家
――プラトン『国家』と女性
第3章 身体の解放と知の解放
――ニーチェ、フェミニズム、プラトンのディオニュソス
第Ⅱ部 魂・イデア・場
第1章 物体主義と形相主義への批判
――プラトン『ソピステス』における知と実在のパラドクス
第2章 物、空間、場
――プラトン『ティマイオス』における「場」の理論
第3章 古代アトミズムの心身論との比較
――エピクロスとルクレティウスの生命論とプラトン
第4章 アトム、空虚、力
――アトムの不可分割性と衝突の不可能性
第5章 身体から魂へ
――プラトン『ティマイオス』における知覚理論と心身問題
第Ⅲ部 魂のコスモロジー
第1章 コスモスの回復
――プラトン『クリティアス』における自然環境荒廃の原因
第2章 魂の配慮と身体の配慮
――プルタルコス『健康のしるべ』における医学思想とプラトン
第3章 身体の言葉と魂の言葉
――プラトン『国家』における三段階模倣説と線分の比喩
第4章 徳と技術
――プラトン『国家』第一巻におけるクラフト・アナロジー
第5章 身体としての文化、魂としての哲学
――文化における哲学の位置
終 章 反二元論的世界像の探求
注
初出一覧
引用文献一覧
あとがき
索 引(逆頁)
上記内容は本書刊行時のものです。