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マダガスカル島の自然史
分子系統学が解き明かした巨鳥進化の謎
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2018年10月
- 書店発売日
- 2018年10月2日
- 登録日
- 2018年7月18日
- 最終更新日
- 2018年10月22日
紹介
日本の本州の2.6倍もの面積を擁するマダガスカル島は、古くインドと共に「インディガスカル」としてほかの大陸から分かれ、7500万年前までにはさらにインドとも分かれ、以後アフリカ大陸の傍らで地理的に孤立したまま今日に至ったとされる。
しかし、この島に生息する動植物相のありようはプレートテクトニクス理論から一直線に推測されるような単純なものではない。生息種の大部分を比較的限られた類縁に属する固有種が占め、しかもそれらがそれぞれ、非常に大きな多様性を見せているのだ(例えば、霊長類ではヒト以外の真猿類が存在しない一方、原猿類の仲間は他の地域では見られないレパートリーを示すなど)。
こうした独特の動植物相がどのようにして生み出されてきたのかは、進化生物学上の大きな謎だったが、DNA塩基配列の置換を統計的に調べる分子系統樹推定の手法がこの謎解きを可能にしつつある。
その成果の一端が、この分野を先駆的に開拓してきた著者らを中心とする「象鳥会議」の象鳥DNAプロジェクト・グループによってもたらされた。
目次
第1章 マダガスカルの歴史
第2章 生命の樹と分子系統学
第3章 真獣類の進化
第4章 マダガスカル哺乳類の起源
第5章 象鳥の起源
第6章 マダガスカルの現生鳥類、および爬虫類と両生類
第7章 マダガスカルの節足動物
第8章 マダガスカルの植物
版元から一言
マダガスカル島でかつて繁栄した象鳥(エピオルニス科の鳥)の仲間の進化の道筋が解き明かされた。著者が先駆的に開拓してきた分子系統樹推定の手法がもたらした成果だ。本書には、このテーマを中心に、ガラパゴス諸島とは異なる、マダガスカル島自然史研究の意義、それを解明する研究の枠組みの奥深さが、研究者本人の筆で生き生きと語られている。
上記内容は本書刊行時のものです。