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育つ・育てる 2 言葉の力をのばす
- 出版社在庫情報
- 品切れ・重版未定
- 初版年月日
- 2006年8月
- 書店発売日
- 2006年8月15日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2011年9月26日
紹介
1歳半から3歳までの幼児編。テーマ別に編集。
目次
はじめに
飛躍的に言葉が増えてくる時期
言葉をたくわえる
選んで聞く力
興味のあることは理解が早い
単語をふくらませる
子どもの言葉を否定しない
子どもの代弁者に
「これなに?」
興味を持たせることから
単語の暗記だけでなく
「どして?」「なんで?」
見立て遊び・ふり遊び
ごっこ遊び
まず「聞く」「話す」を大切に
「聞く」ことが楽しいという経験を
遊びうた・囃(はや)しうた
コラム オレって本当は オリコウ
おはなし
絵本
コラム 子どもと楽しむひとときに
「テレビ語」では人との絆は結べません
Q&A
おわりに
前書きなど
人とかかわる力としての言葉
言葉はなぜ必要なのでしょう? それは人と人がかかわり合って生きていくためです。他の人たちとつながって生きていくために、どういうときにどういう言葉を使えばいいのか、その言葉を生かしていくにはどうすればいいのか、言葉だけでなく使い方も覚えてこそ、生きた言葉になります。ですから言葉は人とかかわりながら覚えていくことが大事なのです。単語をたくさん覚えて羅列しても、人と上手にかかわれません。
ときには幼い子が「1、2、3、4、5、…100」と正確に唱えたりします。それもひとつの能力だとは思いますが、いくらたくさんの数字を知っていても、唱えるだけでは人と関わるための力にならないのです。お友達とブランコで遊んでいるときに「10数えたら代わろうね」と大人が言って「ひとぉつ、ふたぁつ、…とぉ!」で、代わってあげられれば、または「とぉ!」になるまで待っていられるとすれば、その数字はその子にとって「かわりばんこ」を理解するための生きた言葉になっているのです。「クッキー食べよう、太郎ちゃんも3つ、花ちゃんも3つ、お母さんも3つよ」と言われて、みんな同じ数でおやつを食べれば、その数字はおやつを楽しくいただくために役立つ言葉になっています。
言葉以前に人として信頼しあうことが大事
言葉は人と人がかかわるための大事な道具ですけれど、言葉以前に人と人が信頼し合い、支え合い、つながって生きているのだと知ることも大事です。
1歳前後の、まだ言葉もろくに言えない子が、泣いている子を見て、心配そうに見上げたり、その子の方に手を伸ばしたりすることがあります。まだ言葉では言えないけれど人とかかわろう(なぐさめよう)としているのです。こういう気持ちがきちんと育っていれば、言葉が遅くても心配無用。言葉は後からついてきます。泣いている子に大人が「どうしたの?」と言えば、心配そうに見ていたその子は、ああこういうときには「どうしたの?」と言ってあげればいいのだなと、たとえそのときは言葉に出せなくても、その言葉を心にためこむでしょう。また万が一病気などで言葉が出ないとしても、こういうかかわり方のできる子であれば、音声言語以外の言葉で心を通わせることができます。むしろ心配なのは、そばで泣いている子を無機質なモノを見るような目で眺め、自分とかかわりのあることとして考えられない子です。
言葉そのものが大事なのではなく、人とかかわる力としての言葉が大事なのです。特に今言葉を覚えようとしている幼い子にとって大事なのは、人とかかわる力としての言葉です。人と上手につながるための言葉です。
版元から一言
言葉は、人と関係するためのもの、という著者の説にどきりとした。
難しい言葉を連発する、車の名前をたくさん覚えている、そういうことを言葉の発達と勘違いしている大人が多い。しかし、難しいことはそらんじても、「それ貸して」や「ごめんなさい」が言えない子どもは、人とかかわれない。
かかわれないとキレてしまう。
本書を熟読したい。
上記内容は本書刊行時のものです。