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長門本平家物語の新研究
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2024年10月7日
- 書店発売日
- 2024年10月3日
- 登録日
- 2024年8月16日
- 最終更新日
- 2024年9月27日
紹介
長門本とは何か。伝来をさかのぼった先に見えるのは――
どのように流動、変貌し、受容されてきたのか。平家物語研究の前進に向けて、これからの指針となる論考群。
調査に必携! 伝本全ての一覧を収録、新出本の書誌情報も網羅。
目次
口絵(旧国宝本・明倫館本・三田葆光本・松平定信書簡)
長門本とは何か◉松尾葦江
長門国の平家物語/現存伝本相互関係究明の端緒/中世の〈長門本〉/
長門本平家物語の特色/平家物語研究の前進に向けて
重要文化財 平家物語長門本 戦災焼損修復の記録◉水野直房
大内文化と「阿弥陀寺本平家物語」◉佐々木孝浩
はじめに/「阿弥陀寺本」の書誌の再検討/「阿弥陀寺本」の筆跡と書写時期/
「阿弥陀寺本」と「大島本源氏物語」/
「大島本源氏物語」からみた「阿弥陀寺本」/おわりに
長門本平家物語の室町物語的性格◉小井土守敏
はじめに/「遊女」から/横笛説話から/髑髏尼説話から/おわりに
長門本平家物語研究史◉浜畑圭吾
はじめに/伝本調査、近世における貸借、書写関係/
諸本間の先後問題、兄弟関係、影響関係/成立の時期と環境の検討/
文学的評価、他作品への影響/おわりに
長門本平家物語伝本一覧(補遺・新出伝本)◉松尾葦江
萩明倫館旧蔵長門本について◉平藤幸
はじめに/萩明倫館本(鶴見大学本・山口大学本)の書誌と来歴/
萩明倫館本の書面・筆跡―明治大学本・国会貴重書本と比較して―/
萩明倫館本・明治大学本・国会貴重書本の関係/
諸本の本文異同と諸本の関係の見通し/おわりに
三田葆光写長門本と黒川家旧蔵長門本について◉大谷貞徳
はじめに/三田本について/三田本の成立の過程/
三田本の本文系統/おわりに
『長門本平家物語』流布の一形態
―山口県文書館所蔵毛利家文書の場合―◉村上光徳
松平定信と長門本『平家物語』
附、赤間神宮、山口県文書館、石水博物館蔵諸本の略書誌◉塩村耕
松平定信書簡/松平定信による長門本書写依頼の一件/
赤間神宮等所蔵、『平家物語』諸本の略書誌
長門本『平家物語』伝本関係の一推論◉大谷貞徳
はじめに/川喜田遠里と正住弘美/立教館蔵長門本『平家物語』/おわりに
長門本『平家物語』関連の記事対照表◉伊藤悦子
長門本平家物語研究の回想から歩き出す―あとがきに代えて―◉松尾葦江
執筆者紹介
前書きなど
戦後の軍記物語研究は、諸本では原本、伝本では最善本を求めて、ときには激しい論争を仕掛けながら進んできた。けれども、流動成長の文芸と言われたこのジャンルの特性に鑑みるとき、また文学史の中に平家物語を置いて考えるとき、私は「流動する」文芸であることそのものが、最重要のテーマなのだと思っている。いつから、何故、どのように、流動し変貌しながら、同じ物語として受容されてきたのか。そのエネルギー源はどこにあったか― そのことを解明していくことが、この分野の中心課題であり、魅力なのだと思うと、未だにわくわくする。それに相応しい、有効な方法を地道に探っていくことを目指して、本書を企画した。(『長門本とは何か』より)
上記内容は本書刊行時のものです。