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新聞が伝えた通州事件 1937-1945
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2022年5月25日
- 登録日
- 2022年4月23日
- 最終更新日
- 2022年9月14日
書評掲載情報
2022-07-08 |
週刊読書人
評者: 広中一成(愛知学院大学准教授) |
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重版情報
2刷 | 出来予定日: 2022-09-10 |
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紹介
・当時の新聞記事を時系列に編集し、戦後長らく忘却されていた「通州事件」を
追体験できるようにした。
・記事の複写画像とともに新字新仮名による書き写しを併録。総項目数275点
・B5判サイズの紙面とで大きく見やすい活字。
解説や関連資料も豊富に収録。
目次
目次
監修者のことば/加瀬 英明
本書の構成
【解説】通州事件とは何だったのか/藤岡 信勝
冀東防共自治政府の管轄域
昭和12年発行の北平付近図
通州城内見取図
●通州事件新聞記事集成 一九三七―一九四五
新聞記事の読み方[凡 例]
通州事件新聞記事集成目次
一 昭和十二年 五月十七日
二 昭和十二年 七月十七日―七月三十一日
三 昭和十二年 八月一日―八月五日
四 昭和十二年 八月六日―八月三十一日
五 昭和十二年 九月一日―十二月三十一日
六 昭和十三年
七 昭和十四年―昭和二十年
●通州事件目撃者の証言記録
藤岡信勝編著『通州事件目撃者の証言』[自由社]
●関連資料
通州事件をめぐる1937年前後の世界情勢/三浦小太郎
朝日新聞の日中戦争取材~「報道報国」と「報道挺身」の末に~/野嶋 剛
新聞記事の収集を通して知った通州事件/石原 隆夫
通州事件関連書籍・雑誌記事論文リスト(一九三七~二○二一)/但馬オサム
関係者名簿・謝辞
執筆者
前書きなど
昭和12年7月29日、中国で日本人が虐殺された。
あなたは「通州事件」をご存じですか?
この問いかけに、ほとんどの人は「ノー」としか答えられないと思います。なぜならば、戦後の日本人は近代日本の歴史をすべてアジア諸民族への加害の歴史として教え込まれ、中国がでっち上げた「南京大虐殺」を史実として認識させられる一方、実際に日本人が犠牲になった「通州事件」は教えられずに闇に葬られてきたからです。
「通州事件」とは、昭和12(1937)年7月29日に、北京の東20キロの通州という城塞都市に居留民として住んでいた日本人の約半数に当たる225人が、日本の駐屯軍不在に乗じて叛乱を起こした中国人部隊(保安隊)によって鬼畜も及ばないほど残虐に殺された事件です。当時、中国に滞在していたあるアメリカ人ジャーナリストは「古代から現代までを見渡して最悪の集団殺人として歴史に記録されるだろう」と書きました。
事件勃発の後、事件の真相が少しずつ判明するに従って、新聞は号外も含めて毎日大きく報道しました。事件の余りの悲惨さに新聞の紙面は記者の怒りや慟哭の見出しで溢れ、日本国民に計り知れない衝撃を与えました。国民の憤怒の思いと悲しみの涙が日本全国に広まったのです。
戦後長いあいだ闇に葬られていた「通州事件」を、初めて教科書に載せたのは、平成27年度に検定に合格した中学生用の『新しい歴史教科書』(自由社)でした。ところが、中国は虚構の「南京大虐殺」をユネスコの「世界の記憶」に申請し、これが登録されるに至りました。そこで、有志が集まり、中国に対抗して「通州事件」を「世界の記憶」に申請しました。しかし、中国の妨害で申請は却下されてしまいました。
私たちはこの度、『新聞が伝えた通州事件 1937―1945』を、通州事件85周年記念事業の一環として出版いたします。文字通り、事件勃発から終戦までの通州事件に関する新聞記事を網羅しました。総件数は275件にのぼります。紙面の写しを掲載するとともに、現代文に文字おこしした文章を併載しましたので、事件の経過を時系列で容易にたどることができます。解説や関連資料も豊富に掲載しました。
世界では今も国家・民族の対立が助長され、戦闘に伴う残虐な事件が後を絶ちません。そうした中で、日本人が二度と再び通州事件のような悲惨な目に遭わないようにするにはどうしたらよいのか、その対策を考える第一歩として本書を活用し、歴史の中から教訓と指針を読み取っていただくことをご期待申し上げます。
上記内容は本書刊行時のものです。