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スポーツ医療従事者のための本格フロッシング
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2020年7月1日
- 書店発売日
- 2020年7月20日
- 登録日
- 2020年4月17日
- 最終更新日
- 2020年7月22日
重版情報
2刷 | 出来予定日: 2025-02-17 |
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紹介
【フロッシング】とは、弾力性のあるラテックスバンドを関節や身体部位に一時的に巻きつける手法であり、バンドよる圧迫や巻き付けたままの自動運動、他動運動によって「痛みの軽減」「代謝の促進」「筋出力や可動性の向上」を目的としている。疼痛を抑え、患部の再生を促進しながらも復帰を考えるアスリートに必要なトレーニングは続けられるということで競技スポーツ選手などには古くから利用されてきたものである。
著者はスポーツ理学療法士として長年の間、アイスホッケー選手を中心とするアスリートの治療にあたっている。自身がトレーニングをしているときに感じた「ベルトやチューブを体に巻くことによって痛みが軽減できた」という経験から弾力性のあるラテックスを使い、正しく巻き、正しい圧迫することで痛みの軽減だけでなく筋出力や可動域の向上、再生の促進にも効果があることを明らかにし、現在の「イージーフロッシング」という治療メソッドを完成させた。
本書には、スポーツ選手以外にもさまざまな症状を訴える患者を数多く診てきた経験が盛り込まれ、イージーフロッシングを使うことで治療の効果がどれほど向上するかが示されている。
本書前半では、治療の対象となる結合組織、細胞外空間、筋膜系について最新の知見を紹介。その機能や作用が体に及ぼす影響に加え、フロスバンドの種類や巻く方向、その理由なども論理的に理解できる。後半では、イージーフロッシングを実際にどのように用いるかをわかりやすく提示。フロスバンドの巻き方を伝える写真を多く掲載し、具体的な症例を挙げて実践的理解を助けている。
これは、理学療法士、柔道整復師などボディケアのプロとして働く人たちに向けた日本でも数少ない本格的なフロッシングを学ぶための適書である。
目次
日本語版監修者序文
はじめに
1 序章
1.1 歴史
2 結合組織
2.1 構造と機能
2.1.1 細胞
2.1.2 線維
2.1.3 細胞外基質
2.2 結合組織の栄養補給
2.3 結合組織の分類
2.3.1 疎性結合組織
2.3.2 密性または線維性結合組織
3 筋膜系
3.1 ファシアネットワーク
3.1.1 ファシアネットワークにおける遠隔作用
3.1.2 Myersのアナトミートレイン
3.2 ファシアの解剖学
3.2.1 皮下組織
3.2.2 浅層脂肪組織
3.2.3 浅層ファシア
3.2.4 深層脂肪組織
3.2.5 深層ファシア
3.2.6 腱膜ファシアと筋外膜ファシア
3.3 機械的性質
3.3.1 弾力性
3.3.2 可塑性
3.4 伝達
3.4.1 ファシアネットワーク内の伝達
3.4.2 他のネットワークとの伝達
3.5 筋膜系における変化の原因
3.5.1 慢性の誤負荷とストレス
3.5.2 損傷
3.5.3 不動状態と加齢
3.5.4 その他の要素
4 作用と仮説
4.1 筋膜圧迫
4.1.1 関節の離開
4.1.2 運動によってファシア間の層が引き離される並進運動
4.1.3 皮膚求心性神経、機械受容器、自由神経終末の刺激
4.1.4 水分と血液の停滞
4.1.5 メカノトランスダクション
4.1.6 高分子の分解
4.2 レフィル
4.2.1 水分補給
4.2.2 粘弾性の改善/可動性の向上
4.3 リリーシング
4.3.1 しっかり巻きつつも穏やかに
4.3.2 圧の抑制
4.3.3 リズミカルに動かす
4.4 動きの向上
4.4.1 固有受容の改善
4.4.2 筋間・筋内コーディネーションの改善
4.4.3 筋線維の動員の改善(「ストレングス・パフォーマンス」)
4.4.4 緊張調節
4.4.5 痛みの緩和
4.4.6 可動性の向上
4.5 創傷治癒
4.5.1 急性期
4.5.2 リモデリング期
4.6 腫れの軽減/リンパ系への作用
4.6.1 さまざまな浮腫のタイプ(Herpertz 2001)
4.6.2 リンパ管系の構造
4.6.3 作用メカニズム
5 適用範囲、適応症、禁忌
5.1 適用範囲
5.2 適応症
5.3 禁忌
6 フロスバンドについて
6.1 ラテックス
6.1.1 ラテックス製フロスバンドの生体適合性
6.2 強度
6.2.1 異なる強度のメリット
6.3 さまざまな長さと幅
6.4 手入れと消毒
7 使用の原則、全般的なガイドライン
7.1 巻き始め
7.2 巻く方向を確かめる
7.2.1 内巻き×外巻き
7.2.2 バリアのない方向(間接方向)
7.2.3 バリアのある方向(直接方向)
7.3 共通の原則
7.3.1 遠位から近位へ
7.3.2 すばやく外す
7.3.3 ファッシャルスラスト
8 実践
8.1 準備
8.1.1 説明
8.1.2 問診/検査
8.1.3 判断
8.2 手順
8.2.1 弱めの圧迫から試す
8.2.2 圧迫を強める
8.3 治療テクニック
8.3.1 筋とファシアの緊張を下げる
8.3.2 筋とファシアの緊張を高める
8.3.3 モビライゼーション
8.3.4 自動運動
8.3.5 特定の動作の最適化(コレクティブエクササイズ)
9 使用法
9.1 関節に巻く
9.1.1 関節のイージーフロッシング
9.1.2 母趾の中足趾節関節
9.1.3 上跳躍関節
9.1.4 膝関節
9.1.5 母指の手根中手関節と中手指節関節
9.1.6 指節間関節
9.1.7 手関節
9.1.8 肘関節
9.2 関節に巻く特殊な方法
9.2.1 肩関節
9.2.2 股関節
9.3 筋膜に巻く
9.3.1 踵骨
9.3.2 アキレス腱
9.3.3 前脛骨部症候群(シンスプリント)、下腿筋膜
9.3.4 大腿筋膜、腸脛靱帯、腸脛靱帯の遠位部
9.3.5 坐骨結節下
9.3.6 前腕(前腕筋膜、内側・外側筋間中隔)
9.3.7 上腕骨上顆炎
9.3.8 上腕筋膜(深層の上腕筋膜、腹側部)
9.3.9 上腕筋膜、背側部(上腕三頭筋)
9.3.10 胸部
9.3.11 骨盤付近(腰椎/骨盤)
9.3.12 肩と横隔膜を組み合わせて筋膜に巻く
9.3.13 大腿と骨盤を組み合わせて巻く(鼡径部の伸張)
9.4 筋肉に巻く(スポンジテクニック)
9.4.1 大腿
9.4.2 上肢
9.5 外傷後に巻く
9.6 リンパに巻く
9.6.1 禁忌
10 具体例
10.1 跳躍関節捻挫のサッカー選手
10.2 多発外傷後の男性患者
10.2.1 肩の治療
10.2.2 手関節の治療
10.3 腓腹痛の女性患者
10.4 競技スポーツの治療例
10.4.1 シングルレッグスクワット
10.4.2 ディープサイドランジ
10.4.3 ケトルベルスクワット+組み合わせて巻く
10.4.4 ウォーキングダンベルランジ
11 イージーフロッシングのセミナー
11.1 対象
11.2 内容
11.3 参考文献
索引
上記内容は本書刊行時のものです。