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レトロな世界に分け入る 横道 誠(著) - 教育評論社
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レトロな世界に分け入る (レトロナセカイニワケイル) そこでは魅力的な店主があなたを待っている (ソコデハミリョクテキナテンシュガアナタヲマッテイル)

趣味・実用
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発行:教育評論社
四六判
重さ 250g
192ページ
定価 2,000 円+税   2,200 円(税込)
ISBN
978-4-86624-116-6   COPY
ISBN 13
9784866241166   COPY
ISBN 10h
4-86624-116-0   COPY
ISBN 10
4866241160   COPY
出版者記号
86624   COPY
Cコード
C0076  
0:一般 0:単行本 76:諸芸・娯楽
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2025年4月
書店発売日
登録日
2025年2月18日
最終更新日
2025年4月15日
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書評掲載情報

2025-07-05 東京新聞/中日新聞  朝刊
評者: 永江朗(ライター)
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紹介

「幸せになる秘訣はレトロにあった!
 蚤の市に群がる多くの人たち
 レトロなものはなぜこんなにも人を惹きつけるのか
 その魅力に迫る」

「まえがき」より
 レトロな商品を見るたびに、心がときめかざるを得ません。実際、世界中のさまざまな街で骨董市や蚤の市が開かれています。骨董市と蚤の市は、名称が違うだけでほぼ同じようにレトロな商品全般を扱っている事例も多いのですが、ときには骨董市は、より本格的な古美術・小道具などを中心的に扱い、蚤の市は、中古の衣服や食器などを中心的に扱っています。
 いずれにしても、そうした骨董市や蚤の市に人々は押しよせ、じぶんの趣味に合った絶妙な一品を探し求めます。僕たちが漁っているのは、過去の時代に産みだされ、いまではもはや生産されなくなっているたぐいの道具、雑貨、玩具、紙製や木製のなにかかです。骨董市や蚤の市とは、過去の時代から未来に送りこまれたタイムカプセルということになります。客の僕たちは、タイムカプセルを開封する楽しみを求めているのです。
 かつて僕は第一希望としては研究者になりたく、第二希望としてはマンガ家になりたい子どもでした。研究者になりたいという思いのほうが強かったのですが、研究者にはすぐにさっとなることができません。大学を出たあとも大学院に通い、長期にわたって研究者として養成される必要があります。それに対してマンガ家の場合、早ければ中学生くらいからデビューする人もいるわけで、それをめざすならば、小学生時代から準備を始めることになります。
 そういう事情ですから、小学生の僕は第一の夢を研究職と定めつつも、とりあえずマンガ家になるための訓練を重ねることにしました。けれど、マンガの技術が上達することはないままでした。応募できる作品を一本すら描きあげられなかったのです。中学時代が終わり、高校時代が終わり、大学生になったとき、僕はマンガ家になる夢を最終的に諦めました。大学入学後は猛烈に勉強して、より大きな夢だった研究者になるために全力を傾けなければならない、と決意したからです。僕の研究者になりたいという第一の夢は叶い、マンガ家になりたいという第二の夢は陽の目をみないまま、ひそかに心の奥に仕舞いこむことになりました。僕が子どもの頃の「将来の夢」はそのふたつでしたから、そして大きなほうの夢が叶ったのですから、僕の人生は原則として幸福だったのかもしれません。
 研究者を本格的にめざしはじめた大学時代から、僕が別の「いつかこうなりたい」と願う職業はなかなか生まれませんでした。しかし二〇年近く経って、三〇代の半ばになってから、僕にそれができたのです。新しい「将来の夢」──それはレトロ商になることです。意外な夢だと感じるでしょうか。
 この本では、「レトロ商はどうして魅力的なのか」をテーマとして、僕がなぜレトロ商に憧れているかを伝えようと思います。それを通じて、みなさんもレトロ商になりたいと思うようになることを目論んでいます。

目次

序 章 レトロ商を読みとくために 
第一章 カズさんと昭和レトロ 
第二章 ナンブさんとマンガと紙モノ 
第三章 迅太さんと古道具と制作 
終 章 レトロ商のなりそこない

著者プロフィール

横道 誠  (ヨコミチ マコト)  (

京都府立大学文学部准教授。
1979年生まれ。大阪市出身。文学博士(京都大学)。専門は文学・当事者研究。
10歳の時にレトロなものに目覚め、数々のレトログッズを集めるようになった。
いつでも店を始められそうなくらいの物量を保有している。

単著に『みんな水の中 ──「発達障害」自助グループの文学研究者はどんな世界に棲んでいるか』(医学書院)、『イスタンブールで青に溺れる ──発達障害者の世界周航記』(文藝春秋)、『発達界隈通信 ──ぼくたちは障害と脳の多様性を生きてます』(教育評論社)、『ある大学教員の日常と非日常 ──障害者モード、コロナ禍、ウクライナ侵攻』(晶文社)、『ひとつにならない ──発達障害者がセックスについて語ること』(イースト・プレス)、『解離と嗜癖 ──孤独な発達障害者の日本紀行』(教育評論社)など、共著に『当事者対決! 心と体でケンカする』(世界思想社)、『海球小説 ──次世代の発達障害論』(ミネルヴァ書房)、『酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話』(太田出版)など。

上記内容は本書刊行時のものです。