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唐代小説「板橋三娘子」考 岡田充博(著/文) - 知泉書館
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唐代小説「板橋三娘子」考 (トウダイショウセツ バンキョウサンジョウシ コウ) 西と東の変驢変馬譚のなかで (ニシトヒガシノヘンロヘンバタンノナカデ)

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発行:知泉書館
A5判
704ページ
定価 8,200円+税
ISBN
978-4-86285-127-7   COPY
ISBN 13
9784862851277   COPY
ISBN 10h
4-86285-127-4   COPY
ISBN 10
4862851274   COPY
出版者記号
86285   COPY
Cコード
C3090  
3:専門 0:単行本 90:文学総記
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2012年2月
書店発売日
登録日
2017年8月13日
最終更新日
2017年8月13日
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紹介

河南省の板橋店で小さな宿屋を営む女将の三娘子は客に焼餅を食べさせ驢馬に変える妖術を使っていた。それを知った旅人が女将を騙し驢馬に変えて酷使するという唐代の怪異譚「板橋三娘子」について,その原話から成立の背景,伝播と変遷の実態を,広範な資料を渉猟し総合的に考察した画期的な業績である。
物語の原話をヨーロッパから西アジア,インドに求め,インドの古代説話にその源を見出す。それは西に伝わって『アラビアン・ナイト』へと流れ込み,東ではソグド商人の東西貿易を介して中国にもたらされた。
原話の中国への伝来と翻案による怪異譚としての成立の背景を,関連資料の収集,舞台となった土地の歴史,物語と当時の風俗との関わり,人形を用いる幻術の特異性,さらに小説としての完成度など多面的に考察するとともに,中国の変身術が古代の自然観にもとづく「気」一元論に依拠することを明らかにする。
わが国では「三娘子」がいかに受容され,翻案や類話が生み出されたかをはじめ,近世には動物から人への変身譚が顕著になるなど,中国の影響を受けつつも独自の展開が見られたことを明らかにする。
インド・中近東・中国から日本に伝わり多くの説話,小説,戯曲を生んだこの作品に対する本書の比較文学的アプローチは多くの読者にとって刺激となろう。

目次



第一章 原話をめぐって
はじめに
一 ヨーロッパ
二 西アジア
三 インド
四 その他――モンゴル・チベット・韓国
おわりに

第二章 物語の成立とその背景
はじめに
一 所載小説集と撰者
二 「板橋三娘子」とその背景
?州・板橋・旅店・驢/投宿・店内/幻術――木偶人・種麦/変驢・黒店/帰路/詐術・騎驢/華岳廟・復身・遁走
 おわりに

第三章 中国の変身譚のなかで
はじめに
一 中国の変身譚と変身変化観
人への変身/動物への変身――神仙/動物への変身――人間/変身術――化虎譚の場合
二 中国の変驢変馬譚と「板橋三娘子」
「応報譚」系/『出曜経』系/『カター』『千一夜』系/その他
 おわりに

第四章 日本の変身譚のなかで
はじめに
一 日本の変身譚と変身変化観
古代から近世に至る変身譚/変身術
二 日本の変驢変馬譚と「板橋三娘子」
「応報譚」系/『出曜経』系/『カター』『千一夜』系/その他
おわりに

結語

附論1 『出曜経』遮羅婆羅草・『毘奈耶雑事』遊方の故事とその類話
附論2 「板橋三娘子」校勘記
附論3 古代ギリシアの変身観 ノート

あとがき
参考文献
「板橋三娘子」考 略年表
索引

上記内容は本書刊行時のものです。